少し舞台裏の話になってしまって恐縮ですが、今回は試合終了後の監督の記者会見でのエピソードです。J's Goalでは全ての試合の記者会見の模様が掲載されますが、この監督記者会見で、個人的に素晴らしいと感じている習慣があります。それは、勝利したチームの監督の質疑応答が終了した際に、参加している記者全員が勝利監督に向かって拍手を行うことです。これは、自分が担当しているチームかどうかは関係なく、相手チームの勝利に対しても行います。監督がチームを勝利に導くことは非常に難しい作業であり、その作業を成功に導いたことに対するリスペクトの表れだと思っています。もちろん、自分が担当しているクラブが勝利した時にはそれなりの思い入れをもった拍手になりますし、相手の勝利に対しても変わらぬ賞賛を送ります。引き分けになると、どんなに中身の濃い、本当は拍手を送りたいゲームでも、拍手するタイミングがないのでちょっと残念なこともあります。
さて、私が担当している横浜FCは、昨日やっとホームゲームでの今シーズン初勝利を飾りました。第21節にして、今季3勝目。樋口靖洋監督にとっても、3度目の拍手の機会になりました。始めての拍手は、第9節の水戸戦。この時には、長かったシーズン初勝利までの道のりを思い出したのか、「こんなに大きな拍手をもらったことはない」と大変感激していました。2回目となる第18節の愛媛戦の様子は、取材に駆けつけられなかったのでわかりませんが、昨日の岡山戦では、やはり拍手が起きた瞬間に「こんなに拍手をいただけるとは」と、若干照れている様子でした。樋口監督の誠実な性格が表れている受け答えではありますが、本来であれば拍手の度に照れているというのは、勝ち慣れていないことの表れでもあると思います。チームは第2クールに入り、2勝1分1敗とやっとスタートラインに立った感じがする状況ですが、今後勝ち星を重ねて、樋口監督が堂々と拍手を受ける、そういう展開になることを願っています。
以上
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2009.06.15 Reported by 松尾真一郎
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