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【J2日記】甲府:「48‐FORTY EIGHT‐勝っても負けても笑顔で帰るのが阿部バス。甲府応援・プライベートバスツアーレポート」-PART1-(09.06.22)

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「愛媛戦(第12節)のバスツアーに行きませんか?」
こう声を掛けてもらったのは4月の上旬だったと思う。GWは取材がいろいろ重なる時期なので即答は出来なかったが、不景気の影響か僕の能力の問題かGWは暇なことがまもなく判明してしまい、一週間後には「行きます」と答えた。スケジュールを聞くと相当ハードなことが分かったが、サポーターがどんな感じでアウェイに応援に行くのか感じてみたかったので翻すことはしなかった。アウェイ愛媛戦は5月2日19時キックオフ(ニンスタ)だが、移動は全てバスなので甲府を出発するのが5月2日の深夜0時(5月1日の夜には甲府にいないといけない)。そして、試合翌日の5月3日の午前9時に松山を出発して甲府には午後8時に到着するという予定。予定では片道約10時間だが、時期はGWのど真ん中で最終的には国民に税金という形でツケが戻ってくるETC割引1000円(国の奢り=税金)の影響が渋滞をパワーアップさせることは避けられないと思っていた。

「出発の前に少し飲みましょう」。バスツアーに誘ってくれた甲府のスポンサーでもある不動産会社の社長・杉様(スギサマ)の誘いに乗って、集合場所の小瀬(第2駐車場)近くの中華料理屋で午後9時ごろから散々飲み食いをした。バイクとスキーが好きな美人・女性サポーターと残念ながら毎日練習を見に行けるような雇用状態になってしまった男性サポーターと杉様の4人が飲み会メンバー。集合時間まで飲むつもりだったが、11時頃になると、「すいませ〜ん、閉店10時なんですよ」と言われて渋々店を出た。まぁ、十分飲み食いしたので小瀬のベンチにでも座って酔いを醒ましながら時間を潰せばいいと思っていたら、バイク美女から手渡されたのが500mlの缶ビール。最初の驚き。「エッ、まだ飲むの?」。杉様も毎日練習男性もみんな飲んでいる。チビチビ舐めるようにビールを飲んだが、500mlはなかなか減らない。「ちょっとトイレに行ってきます」と、小瀬の駐車場の奥にあるトイレに行って傍の躑躅(ツツジ)にビールを飲んでもらい、スッキリとしてベンチに戻ったら、「ハイ、もう1本」。笑顔のバイク美女がチョットだけ般若に見えた。2本目のビールを舐めながら飲んでいると、徐々に小瀬の駐車場に車と人が集まってくる。他のグループにもビールを飲んでいる人が少なくない。深夜の駐車場に人が集まってビールを飲んでいるんだから、僕が警察官でも確実に職務質問したくなる異様な雰囲気だった。

5月1日から2日に日付が変わる少し前にバスが到着。ヴァンフォーレ甲府応援バスを企画してくれている、阿部おじさんが迎えてくれて、総勢24名がバスに乗り込む。この時点で参加者全員の顔を見ることが出来たのだが、小瀬でボランティアをやっている人、練習場で見かける人、福岡で一緒に飲んだことがある東京組のセクシー人妻ら勢いのある人が多い。バスにはビール、焼酎、ワインが200人分積まれていて、僕を威圧する。高校時代にサッカー部の地獄の夏合宿当日を迎えた気持ちを思い出した。「何が起こるんやろ…」と得体の知れない恐怖を感じた。阿部おじさんが今後のスケジュールを説明して、僕のことを紹介してくれた。そして、「堅苦しくないようにしましょう。今日勝てるようによろしくお願いします。今日の勝利を祝ってカンパ〜イ」で、出発と同時にバス宴会がスタート。僕は前から2列目に座ったのだが、後ろからは「プシュ、プシュ、プシュ」とサイレンサー付きの銃を乱射しているような音(ビールのプルトップを開ける音)が響いてきて思わず頭を下げたくなる。僕も阿部おじさんから手渡されたビールと酎ハイの缶を見比べて、飲みやすそうな酎ハイのプルトップをそっと開けた。半分も飲まないうちに、後ろからはサイレンサー付きの銃の乱射音がまた聞こえてきた。定期的に「カンパ〜イ」って聞こえてくるのが恐ろしい。バスの後方は「うわばみ」が揃っているようで、誰のことか分からないが「酒の妖精がナントカ〜」という言葉も聞こえてくる。「ワインもあるよ」、「うわぁ〜一升瓶」という声は、「ラスト、ダッシュ50本」と言う高校時代のサッカー部の監督の声と同じ効果があった。凄い人がいるんだろうと思いながらも、眼が合って飲まされることが怖くて、振り返ることは出来なかった。飲める身体になるまでは、灰色(目立たない)の男になろうと心に決めた。でも、高校のサッカー部と違って大人の世界なので、温くなった酎ハイを握り締めてウトウトすることが出来た。

以上

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2009.06.22 Reported by 松尾潤
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