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【J2:第23節 東京V vs 湘南】レポート:ようやく具現され始めた自分たちのサッカーで、東京Vが首位・湘南叩きに成功。「ネジが緩んだ(反町監督)」湘南は、12試合ぶりの黒星を喫する。(09.06.25)

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6月24日(水) 2009 J2リーグ戦 第23節
東京V 2 - 1 湘南 (19:03/国立/4,723人)
得点者:58' 柴崎晃誠(東京V)、62' 阿部吉朗(湘南)、81' 大黒将志(東京V)
スカパー!再放送 Ch183 6/25(木)20:00〜(解説:都並敏史、実況:藤井貴彦、リポーター:中野謙吾/桝太一)
勝敗予想ゲーム
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内容の伴った、会心の勝利だった。
試合前、DF土屋征夫は「どのチームに対しても、自分たちのサッカーができなければ意味がない」と語っていたが、首位・湘南を相手にもまったく臆することなくボールを回し続け、終始主導権を握って東京Vが2−1で競り勝った。

東京Vのこの試合最大の収穫は、やはり勝点3をとれたことだろう。当然、首位チームに勝利したことは「自信になります」(MF柴崎晃誠)。加えて、前々節の水戸戦、前節の仙台戦と、上位チームを相手に善戦しながらも、結果は0−0、2−2とどちらもドローに終わっていた。特に前節は、2度もリードを奪いながらも追いつかれるという展開だっただけに、1点リードを守りきれたことは、一つ前節から成長した部分と捉えていいのではないだろうか。

だが、後半13分に、GK野澤洋輔がパンチングで跳ね返したボールをMF河野広貴が頭で落とし、柴崎が右足の好シュートという形で先制したものの、そのわずか4分後に同点に追いつかれた点には、GK土肥洋一も「成長していない。今回は、セットプレーからオグリ(大黒将志選手)が上手く追加点を取ってくれたけど、毎回2点目がとれるとは限らない。(得点直後に失点するという)同じ失敗を続けるのも2回目までしか許されない」と猛省した。次節の福岡戦へ向け、重要な修正ポイントになりそうだ。

前節のDF服部年宏、平本一樹、レアンドロ、河野広貴の先発復帰に続き、この試合でもFW飯尾一慶が4月19日第9節以来、14試合ぶりにピッチに立ち、これでベンチメンバーを含めて本当の意味でのベストメンバーが揃ったと言えるだろう。DF富澤清太郎も「けが人が帰ってきてくれて本当に嬉しい。今、やっていても楽しいし、サポーターにも楽しいサッカーが見せられていると思う」と、心底喜んだ。

何より大きいのは、これまでなかなか見えてこなかった『東京Vのサッカー』が顔を見せはじめたことではないだろうか。ボールを回して後ろからゲームを作り、河野やレアンドロ、平本がドリブルやワンタッチパスを混ぜて、つないで崩す。一方では、大黒の飛び出しの巧さに合わせて素早くボールを送り込む、といった目指すスタイルが、徐々にとはいえようやく確立されてきたように思う。
これまでは、勝利しても「内容が・・・」と選手が消化不良を口にする試合が少なくなかったが、富澤や河野が「やっていて楽しい」と感じるのは、内容が伴ってきた証拠だろう。
とはいえ、「急激には成長できない」(富澤)。土屋も「少しずつ成長するしかない」と、続けることの大切さを強く強調していた。

敗れた湘南は、反町康治監督の「ずっとここまでそうした兆候があって、ずっと膿がたまっていたのが出なかっただけであって、今日噴出して出たというゲームでした」という会見でのコメントに全てが凝縮されているのではないだろうか。
11試合負けなしだったとはいえ、ここ4試合は複数失点が続いていたところに『兆候』は現れていた。前節は、ホームでの勢いもあり何とか逆転に成功したが、残念ながら2試合連続とはいかず『膿』が噴出しての黒星。試合前、「(F東京時代の先輩)GK土肥さんからゴールを奪いたい」と宣言していた通り、FW阿部吉朗が先制された直後に同点弾を決めたが、その後再び東京Vに一方的にボールポゼッションされ続けると、湘南はほとんどチャンスらしいチャンスも作れないまま、屈した。

ただ、非常に印象的だったのが、湘南の選手たちがこの敗戦を「いいきっかけにしたい」と、ポジティブに捉えられていることだ。12試合ぶり、今季3つ目の黒星を、阿部は「みんなで話し合う機会に」と言えば、MF坂本紘司も「『良い負けだった』と、後で振り返ったときに言えるように、この負けを次に活かしたい」と、前を向いていた。次節、今後を占う意味でも非常に重要な一戦となりそうだ。

メンバーが揃い、充実した内容を見せた東京Vが、後半戦で猛追を見せられるか。
「(けが人が戻って)今まで出ていた人は危機感を感じていると思う。チーム内で競争していけばチーム力が上がっていくし、それが強いチームやと思う」と、大黒が期待しているという部分も、躍進への大きなポイントとなるに違いない。
その中で、自分たちのサッカーと勝点を1つ1つ積み上げていくことが、これからのテーマとなるだろう。

以上

2009.06.25 Reported by 上岡真里江
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