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【J2:第24節 横浜FC vs 草津】プレビュー:コンパクトなゾーンをキープしつづけられるか。過酷な連戦の最後で問われるのは、チームの意思統一と落ち着き(09.06.26)

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6月27日(土)J2 第24節 横浜FC vs 草津(19:00KICK OFF/ニッパ球
スカパー!生中継 Ch182 18:50〜(解説:瀬田龍彦、実況:山下末則、リポーター:高木聖佳)
勝敗予想ゲーム
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 横浜FCと草津、この両チームはともにコンパクトな陣形とポゼッションを柱にチームを構成している。リスクを負う戦術であるだけに、いかに勇気をもってコンパクトなゾーンをキープするかが、パフォーマンスに大きな影響を与える。気候的にも厳しくなった中での連戦の最後となるこのゲームでは、この課題への対応が大きなポイントとなる。

 横浜FCは、第2クールに入っての6試合で、2勝2分2敗の五分の星を残し、1勝しかできなかった第1クールに比べると、チームは確実に上昇過程に入っている。第1クールは目指すべきサッカーの片鱗は随所に見せながらも決定力を欠き、一瞬の隙を突かれて失点し勝点を逃していた。一言で言えばナイーブなチームだった。しかし、第2クール初戦の愛媛戦での快勝を皮切りに、チームは少しずつたくましさを身につけている。樋口靖洋監督が「状況に応じて意思が統一されている」と語るように、押し込まれてDFラインが下がった時でも、しっかりと低いゾーンでコンパクトな陣形を保つことができるようになった。そして、前節の札幌戦は、まさにそのたくましさが現れた試合だった。札幌がキリノのスピードを生かして横浜FCのDFラインの裏を利用する動きを徹底し、横浜FCのDFラインは押し下げられたが、「押され気味になることは想定している中で、下がった中でもコンパクトにする」(樋口監督)というゲームプランをやり遂げた。連戦の疲労もあり、後半だけで16本のシュートを許すが、西嶋弘之による1失点に抑え、ドローに持ち込んだ。「落ち着いていたのはチームの成長。最後危なかったけど失点しなかったし、守ると決めて守れたのは、第1クールと違うところ」(八角剛史)というように、アウェイの戦い方を貫徹したという意味では、貴重な引き分けであった。

 一方で、意思統一が形になってきたからこそ実感される悔しさが芽生えてきている。池元友樹は「第2クールは、やっている自分も良くなっている実感があるし、周りの人も感じていると思うが、そういう中での前節の内容だったのでとても悔しい」と、第2クールで達成できるようになったレベルとのギャップを感じている。「マイボールになった時に少しでも自分たちの時間帯ができれば、ラインも高くできたし、あそこまでシュートを打たれなかった」という八角の言葉に代表されるように、選手は口を揃えて本来のゾーンに戻せなかったことを反省点に挙げている。「あのぐらいのプレッシャーであれば、もう少し落ち着いてやらないといけない」と指揮官が語るように、勝利に結びつく高いゾーンに戻すためには、チームでの意思統一に加えて、プレッシャーの中での落ち着きが必要となる。形が固まり、たくましさを身につけたチームが、連勝できるチームに成長するために必要な次のステップを、いかに早く昇ることが出来るか。この草津戦は試金石となる。

 対する草津の前節は、前半は守備意識の高い熊本を攻めあぐむものの、カウンター攻撃から後藤涼が4試合連続ゴールを決めて先制する。しかし後半、熊本が木島良輔を投入すると、木島のスピードを警戒する草津のDFラインが下がり始め、熊本ペースとなり同点ゴールを許してしまう。その後も、コンパクトなゾーンを保つことができず、ペースを戻せないまま、ホームで痛いドローを喫した。試合後、後藤が「後半、中盤にスペースができてしまったので、FWがそこを埋めなければいけなかったと思う。意思統一がうまくできていなかった」と振り返り、熊林親吾が「リードしていたので、もう少し落ち着いてサッカーができればよかった」と述べたように、こちらも重要なのは、ゾーンに関する意思統一と落ち着きだ。ただ、今節は、ロングボールが多用される展開になる事は考えにくいだけに、本来の戦い方を取り戻せば、同じ失敗は繰り返さないだろう。

 前回の対戦(第3節)は、横浜FCにとって、内容は良くても勝てないという第1クールの不調の象徴と言ってもよい試合だったが、もう同じような展開は許されない。中盤のつぶし合いとなる中で、どちらがイニシアチブを取るのか、立ち上がりの入り方が大事となる。さらに、ゲームに影を落としそうなのが、過酷な日程。横浜FCは木曜日が移動日で、実質的に中1日という状況。樋口監督が「とにかくコンディションの回復が重要」と述べるように、コンディションの面では厳しいゲームとなることが予想される。両チームとも終盤に陣形が間延びする可能性が高く、その時の意思統一と落ち着きが第2のポイントとなる。

 いずれにせよ、攻撃的なサッカーが展開され、ゴール前のシーンが多くなることは間違いない。梅雨の不快さを忘れるようなスリリングなゲームを期待したい。

以上

★【J2 応援企画!】熱き思いを旗で示せ! J2ゲーフラヶ原の戦い
6/27(土)は愛媛横浜FCのゲーフラを取材予定です。


2009.06.26 Reported by 松尾真一郎
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