7月5日(日)J1 第16節 広島 vs 磐田(18:00KICK OFF/広島ビ)
スカパー!生中継 Ch180 17:50〜(解説:前川和也、実況:君崎滋、リポーター:掛本智子)
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広島が危機に見舞われている。
4月18日の新潟戦前半、右膝後十字じん帯損傷(全治3〜4ヶ月)の重傷を負って退場したGK佐藤昭大に代わって出場、度重なるスーパーセーブでチームを救ってきた中林洋次が左膝の違和感を訴え、磐田戦の出場が微妙となった。
1998 年以来、広島のゴールマウスは元日本代表GK・下田崇が守り続けてきた。しかし昨年、古傷の左膝の痛みが激化し7月には軟骨損傷手術を行い戦線を離脱。その下田の代わりに広島のゴールを守った木寺浩一(現金沢)は、昨年6月21日・水戸戦で右肩を脱臼。この試合途中から出場した佐藤昭も、怪我によるリハビリ生活を余儀なくされている。そして、今度は中林まで。まるで何かに呪われているかのように、広島のGK陣に不運が襲っている。
下田は今週からチーム練習に合流したものの、未だ練習試合にも出場できていない。佐藤昭はまだ別メニュー調整。中林がもし出場できないならば、広島のゴールマウスの前に立つのはルーキー・原裕太郎しかいない。
原は中学3年時から広島ユースの練習に参加し、2007年にはU-17ワールドカップ日本代表に選出された経験を持つ大器だ。187センチ87キロと恵まれた体格を活かしたスケールの大きなプレーと足下の確かな技術が特徴で、6月3日のナビスコカップ大分戦では公式戦初先発を果たしている若者だ。「原は、間違いなくいいプレーをしてくれるだろう」とペトロヴィッチ監督も期待をかける。
ただ、どんなに彼が大器でも、リーグ戦初先発の試合で自分の力を100%発揮するのは、難しい。「ナビスコカップの時より、成長した自分を見せたい」と原は意気込むが、カップ戦とは違った種類の緊迫感が漂うリーグの舞台で固くならない方がおかしい。特にGKは、一つの判断ミスや技術的なミスが失点に直結する。ルーキーの両肩にかかるプレッシャーは、半端ではない。
原にとって幸いなのは、リーグ戦デビューの舞台をホーム=広島ビッグアーチで迎えられること。「応援が支えになりますし、アウェイよりは心強い」と原は言う。ホームで熱くチームを支えるサポーターの情熱が19歳の不安な心を支え、若さが思いも寄らないパワーを爆発させる可能性は十分にある。
その原に攻撃の刃を向ける磐田は、前節の柏戦で痛い逆転負けを喫し、リーグ再開以降2連敗。ただ、「サッカーの内容はいい。経験のある選手をそろえたイヤなチームだ」とペトロヴィッチ監督は警戒する。6月13日、引き分けでも予選突破か決まったナビスコカップの磐田戦に敗れた記憶は、まだ生々しい。
「同じ相手には、絶対に負けられない」
3試合ぶりに復帰が濃厚な森脇良太は、強い調子で決意を口にした。
ただ、右ストッパー・森脇にとっての対磐田戦は、「ナビスコのリベンジ」以上の想いがある。それは、磐田の左サイドバックとして出場が有力視されている駒野友一との直接対決だ。
今でこそストッパーとしての活躍している森脇だが、広島ユース時代は右サイド。だが、森脇がプロ入りした当時、このポジションには駒野という絶対的な存在が広島には君臨していた。技術、スピード、守備、判断。何もかも、レベルが違った。
昨年、期限付きで移籍していた愛媛から広島への復帰が決まった時、森脇は「コマさんとポジションを争う」という強い想いを秘めていた。しかし駒野は、磐田に移籍。成長した自分の力を、偉大な先輩に見せることができなかった。
「コマさんが凄い選手だということは、わかっています。ピンポイントクロスも要注意。だけど、特別な意識はありません。いつも通りの強い想いを持って対戦したい」
この森脇の言葉は、本音ではあるまい。かつて自分の目の前で手本を見せてくれていた日本最高のアウトサイドが対面にいるのだ。闘志がかき立てられないはずがない。強くなりすぎる想いを森脇は必死で抑え、努めて冷静になろうとしている。
一方の駒野もまた、ユース時代から過ごした古巣・広島に対して強い想いで臨んでくる。ただ彼は一方で、そんなセンチメンタルな想いばかりにとらわれてはいられない。大切なのは、3連敗を阻止すること。そのために柳下監督は、右サイドバックに加賀健一を投入し駒野を左に回して最終ラインを修正。ナビスコカップの対広島戦で機能したカウンターとセットプレーを基軸に、再開後初勝利を狙う構えだ。
もちろん、勝利が必要なのは広島とて同じこと。共に負傷者が多く苦しい台所事情は否めないが、それはリーグ戦を闘う上で言い訳にはできない。チームとしての総合力が試される対決でもある。
以上
2009.07.04 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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