7月4日(土) 2009 J1リーグ戦 第16節
山形 2 - 3 浦和 (19:04/NDスタ/20,102人)
得点者:24' 古橋達弥(山形)、44' エジミウソン(浦和)、47' 高原直泰(浦和)、79' 宮崎光平(山形)、82' 高原直泰(浦和)
スカパー!再放送 Ch183 7/6(月)23:00〜(解説:越智隼人、実況:小出匡志、リポーター:成田ひみこ)
勝敗予想ゲーム | JOMO CUPスタメン予想投票
----------
「最終ラインがしっかり持ったり受け渡ししながらアプローチできればよかったんですけど、ちょっとボカしボカしで、最終ラインがしっかりボールが出たところにアプローチするとしっくりいくようなところを、全部がルーズになってしまった。ボランチの2人はすごくきつかったのではないかなというような立ち上がりでした」
小林伸二監督は、守備の部分には満足していなかった。13分のカウンターでは、最後にエスクデロ セルヒオにターンからシュートを打たれ、16分にはエスクデロがポストプレーで右に捌き、出場停止の山田暢久に代わり右サイドバックで今季初先発を果たした高橋峻希にクロスを上げられた。
しかし、前節で川崎Fを終盤まで無失点に抑えた守備は継続されていた。いや、むしろこの試合ではより集中力が高まっているように見えた。古橋達弥が要所で相手ボランチを潰しに戻り、3人目でスペースへ走る原口元気には秋葉勝が、永田拓也には廣瀬智靖が併走してフリーにさせなかった。20分過ぎには、ひと回り以上離れた古巣の後輩・高橋に、宮沢克行がプレッシャーで激しく攻め立てた。奪ったあとは、コンパクトな浦和の陣形を逆に利用し、広い裏のスペースをシンプルに狙ったり、サイドを変えて起点をつくることで攻撃を組み立てやすくする狙いはできていた。
そして迎えた24分、左サイドの宮沢を追い越し、スピードに乗ってスペースを突いた石川竜也がクロスを狙う。ここは対応した高橋がブロックしたが、目の前に跳ね返ったボールを宮沢がグラウンダーのクロスにすると、オフサイドラインを冷静に見ていた古橋が飛び出し、フリー。右足のインサイドを合わせて先制ゴールを挙げた。山形の得点は3試合ぶり。先制は第8節・大宮戦まで遡る。
球際でより激しく行った山形がこのあともペースを握るが、浦和もしだいにペースをつかむ。33分には鈴木啓太のサイドを変えるパスから永田が左スペースを突破し、クロスに中央で高原直泰がシュート。これは右にそれたが、36分にも高橋のアーリークロスから、前線に残っていた田中マルクス闘莉王がファーサイドでヘディングシュート。マークが振り切られ、GK清水健太も逆を突かれたが、ボールはポストに跳ね返された。
山形は2対2からサイドを突破するなど、浦和のお株を奪うパスワークを見せ、44分には廣瀬のクロスに中央で古橋がスルーし、ファーサイドで宮沢がシュートを打ち込むなど、動きが少なくなった浦和を攻め立てた。しかしロスタイム、浦和の右からのフリーキックが闘莉王に向かって飛んできた。当初はレオナルドがマークに付いていたが、小原章吾がボールに反応し、空中でヘディングクリアをしたあと、そのまま闘莉王の後ろから乗る形に。この一連のプレーで下された判定はファウル、PK。GK清水はコースを読んでいたが、その手の先をかすめるエジミウソンのゴールで浦和がゲームを振り出しに戻した。
後半は、山形は負傷した廣瀬に代えて北村知隆を投入。浦和は原口に代えてポンテを、永田に代えて西澤代志也をピッチに送った。前への圧力が強い立ち上がりで山形ゴールを襲った浦和に、決定機はすぐにもたらされた。中央右寄りで足元にボールを入れた高原は、右へターンすると見せてレオナルドをかわすと左ターンでそのままペナルティーエリア内を回り込み、角度のない位置で右足を一閃。シュートコースを消すポジションに立っていた小原はその強引な突破に遅れを取り、GK清水も足元を抜かれたことに気づいて反応したときには、すでにゴールを割られていた。「PKは悔しかったですけど、ハーフタイムをはさんで、また気持ちをしっかり入れ替えなければいけなかったんですが、後半の頭に点を取られたのは自分たちのミスだと思います」(宮沢)。山形にしてみれば、心の隙を突かれた失点で逆転を許すことになった。
その後は、攻撃の手を休めない浦和が一方的にボールを握る展開となる。鈴木のパスにエスクデロがギャップを突いて抜け出すなど、押し込みながらオフサイドギリギリに裏を突くシーンが増えていく。さらに、カウンターも鋭さを増していた。72分には闘莉王がカウンターの起点となり、押し込んだあとに右クロス。フファーサイドでミートしたエジミウソンのヘディングシュートは間一髪でコースに入った宮本卓也のクリアでゴールはならなかった。
打てども奪えない追加点に、浦和の攻撃は一気にトーンダウン。そのタイミングで74分に投入された宮崎光平のはたらきもあり、今度は山形が息を吹き返す。運動量が落ちることで浦和のプレスが緩み、宮本がサイドの高い位置からクロスを上げたり、スペースへ飛び出す宮崎へ縦のパスを送った。76分には左サイドの宮沢との間を往復したボールが宮沢のクロスで再び右サイドへ送られる。結局はゴールラインを割ったが、長谷川のさらに外側で宮崎がヘッドに当てるシーンも見られた。浦和の守備を揺さぶるそうしたプレーは79分、宮本のクロスに長谷川が折り返し、裏に飛び込んだ宮崎が頭で流し込む同点ゴールとなって実を結んだ。
しかしそのわずか3分後、今度は追いつかれた浦和が押し込む。ブロックの外でボールを回し、闘莉王とスイッチしてそのまま外に流れた阿部に宮沢が付くと、山形の受け渡しの遅れから闘莉王が完全にフリーに。そこから放たれた高速のミドルシュートに、詰めていた高原が咄嗟に反応。ヘッドに当ててゴールマウスに向かう軌道に修正し、ゴールネットに突き刺した。
「前半は私たちが結果を残すことができなかったのですけれど、それでも私たちの選手は正しいリアクションを見せた」。相次ぐ負傷者と出場停止で両サイドバックを経験の浅いルーキーが担うことになるなど、浦和は苦しい台所事情が続いている。守備を崩されての2失点は、けっして納得できる内容ではないが、それでも勝点3をもぎ取るという結果で、J1で戦い抜くことの凄味を見せつけた。高原の完全復調とも言える2ゴールと、次節には先発復帰も見込めるポンテという明るい材料とともに、首位・鹿島追撃は続く。
今季2度目の3連敗を喫した山形は、ついに降格圏内の16位まで順位を下げた。一度は逆転されながら追いついたゲーム内容は、リーグ戦再開後のチームが回復から進歩への足跡をはっきり刻んでいることを印象づけている。しかし、勝てないということは、まだチームには足りないものがあるということ。「惜しい試合」と「勝つ試合」の間にある近くて遠いこの距離を、チームは必ず乗り越えてみせるだろう。この日の試合を目撃した人なら、異論はないはずだ。
以上
2009.07.05 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第16節 山形 vs 浦和】レポート:浦和が高原の2ゴールで突き放す!山形は今季2度目の3連敗ながら、勝利へまた一歩前進。(09.07.05)













