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【J2:第25節 草津 vs 徳島】レポート:悲劇はロスタイムに待っていた。勝利を目前にした草津、ファビオの一撃に沈んで悪夢のドロー。(09.07.05)

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7月4日(土) 2009 J2リーグ戦 第25節
草津 1 - 1 徳島 (19:33/正田スタ/5,899人)
得点者:15' 都倉賢(草津)、89' ファビオ(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 7/6(月)07:30〜(解説:佐藤正美、実況:吉田学、リポーター:円戸由香)
勝敗予想ゲーム
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自信に満ちた草津の選手たちのパスが、徳島のプレッシャーを物ともせずに点と点とをつないでいく。ワンタッチ、ツータッチでボールが華麗に動いていく様子は芸術の域に達するほどだった。草津は息の合ったコンビネーションから繰り出すパスワークで徳島を圧倒、ピッチという名の舞台で上手さを存分に魅せつけた。チームが目指すサッカーを貫いての勝利は確実に近づいていた。だが、ロスタイムに悲劇は待ち構えていた。徳島・ファビオによる悪夢の同点ゴール。草津のホーム10試合ぶりの勝利は、手元からするりと抜け落ちていった。

試合開始直前から振り出した雨は、キックオフ後に一層激しさを増した。横殴りの雨がピッチを叩き、スタジアム全体が異様な雰囲気に包まれていく。だが濡れたピッチは草津のパスワークを加速させた。悪天候の中、駆けつけたサポーターの後押しも受けて草津のパスサッカーは前半からアクセル全開。つなぐサッカーで真っ向勝負を挑んできた徳島のプレスを次々といなして、攻撃の形を築いていく。

草津に歓喜の瞬間が訪れたのは序盤の攻防がひと段落した15分。右サイドでボールを受けた廣山望がサイドをえぐって、中央へとクロスを入れる。そのボールにヘッドで合わせたのは都倉賢だ。「クロスに対してナチュラルに体が動いた」(都倉)。ペナルティエリアを切り裂くように飛び込んだ都倉のヘッドが豪快にゴールネットを揺らす。前節から戦列に復帰した新エースのゴールでチームはさらに活気付く。

相手を寄せ付けない。その後の草津の戦いぶりは、そんな表現が当てはまるくらいに安定していた。櫻田和樹、松下裕樹のふたりが徳島の新戦力・柿谷曜一朗の動きをシャットアウト。チーム全体の守備でボールを奪うと、素早い切り替えでパスをつないで徳島ゴールへと迫る。攻めあぐむ徳島がシュートまで運べないのに対して草津はフィニッシュまで持ち込み、攻撃を完結させる。勢いからすれば追加点が入ってもおかしくなかったが、草津は納得のいく内容で前半を終えた。

後半に入っても草津のコンビネーションプレーは冴え渡る。熊林親吾、廣山が起点となり徳島の守備網を破壊、サイドを突破してチャンスを演出する。選手たちが流動的に動いてチームが掲げるトータルサッカーを遂行していく。だが、磐石と思えたゲーム展開の中にも不安はあった。前半は全くと言っていいほどチャンスがなかった徳島が草津の隙を突いてチャンスを作るようになっていたのだ。徳島は前半の4−3−3から後半は柿谷を左サイドへ配置する4−4−2へとシフトチェンジ。68分には麦田和志、六車拓也をピッチへ送り込み、変化を加えてくる。ゲーム自体は草津の流れだったが、この時間帯から徳島のシュート数が増え出し、危険なムードが漂い始める。

そして83分、徳島は前線にファビオを投入し最後のカードを切る。徳島は87分に六車、89分には徳重隆明が決定機を迎えるがシュートがアジャストしない。徳島の総攻撃にさらされた草津はGK北一真の好セーブによりピンチを凌ぐが、チームとしての具体的な対応を欠き、悪夢を招く。ロスタイム、右サイドの裏を徳重に突かれてクロスを許すと、ゴール前が数的不利を起こしてファビオに豪快なヘッドをぶちこまれる。「相手のフレッシュな選手への対応が遅れてやられてしまった。」(北)。草津の隙を逃さなかった徳重を褒めるしかないが、あの時間帯にサイドを空けたことが悔やまれる。10戦ぶりの勝利を目前にしながら同点に追いつかれた草津の選手たちは、その瞬間にピッチに倒れた。

徳島は土壇場で同点に追いつき貴重な勝点1を手にした。草津にポゼッションを許してゲーム自体は支配されたが、失点を最小限に食い止めロスタイムへ可能性をつないだ。倉貫一毅は「草津は中盤が強いチームなのである程度の予想はできていた。うちはパスワークで競り合うのではなく、個人の力を引き出すように戦った。それが同点ゴールにつながったと思う」と話した。徳島は課題こそ残ったが、敵地で最低限の結果を残した。

草津は、前回のホーム熊本戦に引き続き、相手の交代選手への対応が取れずに同点ゴールを許した。終盤の戦い方からは勝負への甘さがみえた。そして、詰めの一手をしくじったことが相手に反撃を許す結果を導いた。今ゲームで、草津は「上手さ」は十分に魅せたが「強さ」は示せなかった。草津は前半25試合を10位で折り返す。「上手さ」と「強さ」を共有させなければ、争いが激化するリーグ後半戦は戦えない。

以上

2009.07.05 Reported by 伊藤寿学
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