7月4日(土) 2009 J2リーグ戦 第25節
鳥栖 3 - 1 福岡 (19:03/ベアスタ/10,529人)
得点者:21' 飯尾和也(鳥栖)、36' 高地系治(鳥栖)、64' ハーフナーマイク(鳥栖)、78' 城後寿(福岡)
スカパー!再放送 Ch185 7/6(月)08:00〜(解説:乾眞寛、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
☆勝敗予想ゲーム
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まずは、J’sGOALのフォトニュースを見ていただきたい。
あの、熱血漢で実直でそのくせ照れ屋の岸野靖之監督が、これほどの喜びを表現させたのは何だったのだろうか?
その一端は、監督会見で垣間見ることはできるが、このレポートでは、そこには無い部分をご報告させていただきたい。
今節の福岡は、今までに無いほどの勢いを持って試合に入ったように感じた。4−2−3−1のシステムで、中盤に多くの人を配置し鳥栖のMFとFWの寸断を図ってきていた。鳥栖には高さのあるFWとうまさを持つFWがいる。そこにボールが入ると厄介なために、そこへのボールの供給源を立つ作戦だったに違いない。そうなると鳥栖の打つ手は、MFからの供給ではなくDFか供給を図らないといけない。
CB渡辺将基は、徹底してFWハーフナー・マイクを狙った。
一見、単調で無策に見えるかもしれないが、今の鳥栖にとっては、攻撃力を生かすための序章に過ぎない。実は、このDFからのロングフィードで簡単に点が取れるとは選手は誰も思っていない。この単調に見えるフィードこそが、中盤の攻撃力を生かすためのボディーブローになっているのである。
DFの裏を狙えば中盤が緩む。中盤が緩めば、そこから崩せば良い。中盤が締まれば、DFの裏を再び狙えば良い。
第12節水戸に敗れて学んだ教訓が、第13節草津戦から生かされ始めた。
第18節熊本戦でハーフナー・マイクが加入して、その戦い方が確立した。
今季の鳥栖には、左右に起点を作れる選手はいたので、相手を崩すことに関してはバランスが取れている。今節も左MF島田裕介、右MF武岡優斗にボールが入れば、両サイドDFの磯崎啓太と柳沢将之が果敢に攻撃参加を仕掛ける。
そうなると、鳥栖の分厚い攻撃はさらに勢いを増す。
ハーフナー・マイクにボールが入ればその裏を山瀬幸宏が狙い、空いたスペースに高地系治と高橋義希のどちらかが飛び込んでくる。前述した、DFの背後を狙う作戦で相手のMFとDFの間が空くことで、鳥栖の選手が入り込むスペースが出来るのである。その冴えたるプレーが、36分の鳥栖の2点目となる。
右サイドでボールを受けた柳沢将之が武岡優斗に預けて、自ら右サイドを駆け上がる。武岡優斗は、福岡のMFが右サイドのケアで緩んだところを中に切り込んで、左サイドから中に入ってきた島田裕介につないだ。受けた島田裕介は、強めのパスで左サイドに送った。そのボールの軌道上にはハーフナー・マイクがいたが、彼はそれをスルーすると、島田裕介が中に入ったことで空いていたスペースで高地系治が受けて、左足で福岡ゴールのネットを揺らした。
この時の思いをそれぞれの選手に聞いてみた。
島田裕介 「高地さんが入って行ったのが見えたので、マイクに『触るな!』と心の中で念じました」
ハーフナー・マイク 「高地さんが入って行ったのが分かっていたし、DFは僕のところにきていた」
高地系治 「あの強さのパスを見たときに、『俺へのパスだ』と思った」
これだけ、パスの出し手と受け手の想いが一致すれば、相手の対応は後手を踏む。高地系治のシュートは、DF田中誠の伸ばした足に当たってゴール右に決まった。
2点目は中盤の連動性の得点だったが、先制点は右CKからDF飯尾和也がマークをはずして右足で決めたものだし、3点目は島田裕介が左サイドを駆け上がった高地系治に出したパスから、ハーフナー・マイクがヘディングで決めたものである。3得点とも偶然から生まれたものではなく、日頃の練習でくり返し行っているイメージどおりの得点だった。
今節の選手たちの気持ちを高地系治が、「ダービーで気持ちも入ったけど、やっていることはいつもと同じ。それを出せたことが勝因」と代表して言ってくれた。最後尾で幾度と無く窮地を救ったGK室拓哉は、「今はやることがハッキリしている。それをみんなが理解してやれているので結果が出る」と表現した。
終わってみれば、3−1の快勝に見えたかもしれない。
しかし、19本のシュートを打たれ、決定的なシーンも3度はあった。
いつものようにDFラインは押し上げ切れずに、セカンドボールを拾われた。
第22節C大阪戦のときのような、“強い鳥栖”を感じさせる試合ではなかった。高い集中力と強い気持ちで90分間を戦った結果で得た勝点3である。
冒頭に述べた岸野監督の画像をもう一度見て欲しい。
両手で覆った顔の表情は見ることができないが、“してやったり”というものではなく“ありがとう”の表情ではないだろうか。
戦術ではなく、選手の”勝ちたい“という気持ちとサポーターの”勝って欲しい“という声援を感じきっての”安堵の表情“に違いない。
一蹴の中に思いを見せることは簡単なことではない。
それでも、言葉だけでは足りない部分をボールに乗せないと相手には伝わらない。
しかも、対峙した相手よりも強い気持ちを・・・。
そこを試合を見ながら感じることができたときに初めてチームの一員になれる気がする。
そこがサッカーの奥深さであり、醍醐味でもある。
サッカーは目で見て、心で感じてこそ楽しめるスポーツである。
以上
2009.07.05 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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