7月8日(水)J2 第26節 栃木 vs C大阪(19:00KICK OFF/栃木グ)
スカパー!生中継 Ch183 18:50〜(解説:水沼貴史、実況:飯島誠、リポーター:萬代裕子)
☆勝敗予想ゲーム
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栃木SCの今季の目標は「9位以上」であるが、それだけでは面白くないので松田浩監督は「厄介な存在」になることを開幕前に高らかに宣言した。具体的に言えば、J1昇格を狙うチームに対して易々と勝点を譲ることなく、「嫌らしい」と思わせること。現在、トップ4を形成する湘南ベルマーレ、セレッソ大阪、ベガルタ仙台、ヴァンフォーレ甲府は、栃木をくみし易い相手だとは思っていないはずだ。前々節(24節)の湘南と前節(25節)の甲府は勝点を奪われており、23節の仙台にしても冷や冷やものの辛勝(2-1)だったわけだから、当初の目論み通り立派な憎まれ役となっている。だが、まだ勝星を得ていないのも事実。内容の伴った引き分けが2つ続いたことで、今節のC大阪戦では勝点3への期待が大きく膨らむ。
第2クールに突入してから今季ワーストタイの5連敗を喫した栃木。一時的に状態が落ち込んだものの、最近はかなり上向いていると言える。要因はいくつか挙げられるが、やはり持ち味である守備面の整理がなされたことが小さくない。際立つのが負傷離脱していた米山篤志の戦線復帰。湘南戦からピッチに立ち、卓越したラインコントロールに加え、抜群の読みを働かせたカバーリングで次々とピンチの芽を摘み取り、パートナーの大久保裕樹の負担を減らしている。勝てない時期に誰もが感じ取っていた守備における「緩み」は消去され、DFラインは安定感を取り戻した。失点数の減少が米山の存在感の大きさを雄弁に物語る。
背負っていた荷物が軽くなった大久保は米山の現場復帰に関して、「繋ぐ意識が高まり、ポゼッションのレベルが上がっている」と感じており、守備面だけでなく攻撃面でも好影響をもたらしていると言う。4-3-3はアンバランスであり、スペースが生じやすく、パスコースが見出しやすいことを差し引いても、湘南と甲府戦で相手の弱点を突くボール回しが出来たことは大きな収穫だった。これまでは安易にボールを蹴ってしまう傾向が多々見られたが、ポゼッションできることで、手にしたボールを慎重に扱い、イニシアチブを握れるようになった。ポゼッションの質の向上はゲーム展開にも変化を与えた。リードされても慌てず、騒がず、むやみに縦方向へ急ぐことがなくなった。横にボールを動かせる余裕が持てるようになり、どんな状況でも一定のリズムで試合を運んでいたのが、強弱をつけられるようになった。悪しき流れを好転させる術を身に付けつつある。
「1点を取られてもバタバタしなくなった」(松田監督)のも、ここ2試合の大きな成果。失点しても雰囲気が悪くならず、精神的な落ち込みもなくなった。その原因を鴨志田誉は、こう話す。「首位の湘南を相手に先制されても自分達のサッカーをして引き分けに出来た」。「同点に追い付いて試合を終えられた」成功体験がメンタルコントロールを可能にした。いまだに勝ち越すまでには至っていなくとも、リーグ戦の半分を消化するまで「同点に追い付く」ことすら困難だったことを考えれば大きな進歩。それが上位陣を相手に2試合も続けば自信にならないはずがない。C大阪戦を前にチームとして、個人としてどれだけ通用するのか。今は対戦が待ち遠しい、と選手が口を揃えるのも納得できる。
一方のC大阪は、しのぎを削る3位・仙台との直接対決はスコアレスドロー。前節、首位から陥落したC大阪だが、「内容がよくて引き分けたなら、まだ納得はいく」と乾貴士。決定機を数多く作り出しながら、堅守・仙台を攻略できなかったことは反省点としながらも、決して勝点1をネガティブには捉えていない。むしろ、4試合続いていた失点が止まり、守備に改善の兆しが見られたことをポジティブな材料とし、首位奪還に前向きだ。マルチネスが出場停止のため中盤の構成力は落ちるが、第1クールの栃木戦で決勝弾を突き刺したカイオが復帰する予定。香川真司と乾を加えた強力トライアングルで栃木の守備網を打ち破る。
勝機がありながらも掴みきれなかった甲府戦を松田監督は、「全力を出し切って、勇敢に戦ってくれたことが嬉しかったし、感動すら覚えた」と振り返った。C大阪戦では甲府戦以上に「観に来てくださったサポーターが面白い」(松田監督)試合をして、なおかつ勝たなければならない。理由は単純明快。ホームゲームだからである。これまで好ゲームはアウェイが多く、ごくわずかなサポーターしかカタルシスを得ておらず、数多くのサポーターにリアルな感動を供給できていないし、共有できてもいない。七夕の短冊に願いを込めなくても、せっかくジャイアントキリングを達せられる、いい流れを自ら作り出したのだから、みすみす逃す手はない。
憎まれっ子、世にはばかる。上位4連戦の最後を白星で飾ることで、中位進出への足掛かりとしたい。
以上
2009.07.07 Reported by 大塚秀毅
J’s GOALニュース
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