7月8日(水) 2009 J2リーグ戦 第26節
仙台 1 - 1 草津 (19:04/ユアスタ/12,297人)
得点者:46' 都倉賢(草津)、66' 梁勇基(仙台)
スカパー!再放送 Ch180 7/9(木)15:00〜(解説:鈴木武一、実況:守屋 周、リポーター:村林いづみ)
☆勝敗予想ゲーム
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試合内容の前に触れておこうと思うが、やはり、ユアテックスタジアム仙台は素晴らしい。
試合前のピッチ内アップの時点から、サポーターの声の響きは尋常ではなかった。これまで宮城スタジアムで4ヶ月間ホームゲームを行い、必死に声を届かせようとしていたことに慣れてしまったために、サポーター1人1人の声量が自然と増しているのかもしれないが、以前ユアスタを使っていた時以上の「音圧」が屋根に覆われたピッチに降り注いだ。1997年6月1日、仙台スタジアムのこけら落としである、旧JFLのブランメル仙台vs本田技研戦で感じた感動を、12年経った今改めて感じさせられるとは。ただ試合が行われている空間にいるだけで、気を抜いたら嬉しさで顔がにやけてしまう…こんな感覚を感じさせられるスタジアムはそうない。
そのテンションがチームに乗り移ったのか、立ち上がりからペースをつかんだのは仙台。草津の高いDFライン裏を中島裕希が執拗に狙うことで、仙台の突破口となった。開始直後の4分には、縦パスに抜け出した中島と草津GK北一真が交錯、左サイドにこぼれたルーズボールを拾った梁勇基が、北が戻り切れていない無人のゴールマウスにロングシュート。これはゴールライン上で田中淳がヘディングクリアを見せてゴールはならなかったが、その後も中島は8分、15分と、梁、関口訓充からの縦パス一発でラインの裏を取り、自らの決定的なフィニッシュへと結びつけている。カウンターから梁のシュート、ゴール正面25メートルから梁のバー直撃、それだけでなく、カウンターから素早く草津ゴール前に迫る攻めなど、明らかに勢いは仙台にあった。
ところが、前半の20分が経過したあたりから、盛り上がってきた仙台サポーターの雲行きは怪しくなる。ペナルティーエリア内左から、不意にフリーで廣山望にシュートを許したことを皮切りに、仙台は流れを草津に明け渡すこととなった。縦1本のパスで低い位置からでもチャンスを作っていた仙台だが、ポゼッションを高め、効果的なサイドチェンジも絡めてきた草津に一旦押し込まれ始めた途端、前へと出られなくなったのだ。
表現を正確にするならば「前へと急ぎすぎる余り、効果的な攻めが出せなくなった」と言うべきか。草津は立ち上がりから尽きない運動量を活かし、仙台の球の出所へ強烈なプレスを掛けてくる。その際、仙台としてはもともとボールをつなぐ能力はあるのだから、前がかりで来ている草津のサイド裏へ慌てず騒がず流し、そこを起点に逆襲に出れば良かった。だがこの日の仙台は監督、選手が認めるとおり、縦へと急ぎすぎた。
こうして前半の終盤には、草津の猛攻をほぼ一方的に許す形となる。ロスタイムには、田村直也のパスを引っかけた廣山が右サイドからゴール前に迫りチャンスメイク、ペナルティーエリア内正面で受けた後藤涼が、GK林卓人をフェイントでいなした状態からシュートを放つ。今度は渡辺広大がゴールライン上でクリアして得点にはならなかったが、悪い流れはいかんともしがたいものがあった。
そして後半、開始35秒で中島が再び裏へ抜け出し左サイドを突破、マイナスの折り返しに右から関口が完全フリーな状態で合わせるが、シュートはゴールの右を逸れていった。この場面の直後、気落ちした仙台を、草津の誇るゴールゲッターが一瞬の集中力で襲った。
46分。ハーフウェイライン付近で仙台はオフサイドを取られる。そこからの展開、ゴールまでまだ遠かった熊林親吾から、前線の都倉賢へシンプルな縦パス。しかしこれが都倉に上手く収まった。反転の後、シンプルにエリゼウの裏を取った都倉は、左ポスト付近から利き足の左足を振り抜くと、前節C大阪戦で鬼神の守りを見せていた林を破り、シュートがネットに突き刺さる。ゲームの流れ通りといえばそれまでだが、またも仙台は、先制点を相手に許してしまう苦しい展開に追い込まれてしまった。
それでも、早い時間に追いつくための武器があったことが、仙台を救う。失点後、多くのチャンスがありながらものにできず、草津に守りに入られかねない時間帯となっていた66分、ゴール正面20メートルで梁がFKを得る。前半に蹴った1本目の記憶を辿りながら、梁は鋭いカーブを掛けた低い弾道のシュートを、ゴールの左隅に決めてみせた。息を吹き返すユアスタ。反撃の気運は高まる。
だがここからも、仙台は効果的な攻撃を繰り出すことが出来なかった。前半と違い、サイドの高い位置でボールを持つことは出来るようになったのだが、そこでアイデアを欠いた攻めは「詰まった」。中原貴之が前線に入っていたのだから、シンプルに手数を掛けずクロスを上げるという手も、あるいは前半の草津のようにボランチを経由して逆サイドからの再展開を試み、その中で守備のギャップを探すという手もあったと思う。しかし、どうしてもこの日の仙台は、そこから攻めのスピードが落ちてしまった。
同点ゴール後の勢いを、仙台は追加点へとつなげられないまま、試合は終盤へ。カウンターの撃ち合いとなっては、ゲームコントロールは厳しい。それでも最後、仙台がCKを得て、スタジアムがユアスタ特有の「狂気」に包まれた時は何かが起こる予感も漂ったのだが、梁のCKは北が難なくキャッチし、そこで試合終了。試合後に両チーム何人かの選手がピッチに倒れ込んだ激しい一戦は、共に勝点1を分け合う結果となった。
以上
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