7月11日(土)J2 第27節 福岡 vs 栃木(19:00KICK OFF/レベスタ)
スカパー!生中継 Ch184 18:50〜(解説:増田忠俊、実況:南鉄平、リポーター:森田みき)
☆勝敗予想ゲーム
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「簡単に飛び込んだり、入れ替わったり、簡単なところから早い時間に失点して、いつもと同じようなミスを繰り返し、非常に残念。今日立ち上がり集中して入るんだということでやらせたが、こういう結果になったことを非常に重く感じている」
前節の水戸戦での記者会見で、篠田善之監督は過去の記者会見と同じような発言を繰り返した。しかし、いつも以上にその表情は暗く、発言に力がない。シーズンの半分を消化してもなお変わらぬチームの課題。見えてこないチームの方向性。変化の兆しさえ見せられない現状がチームに重くのしかかる。
水戸との対戦では選手起用にも迷いが見られた。中盤の守備が機能しないという開幕以来の課題を修正すべく、第24節からシステムを4-2-3-1に変更。中盤の守備のリーダーとして丹羽大輝を指名し、ボランチ起用に踏み切った。しかし、この日は守備から入るというテーマを掲げながら、中盤の守備のキープレーヤーとして指名した丹羽はベンチスタート、結局プレーする機会は与えられなかった。丹羽が出場停止のために鈴木惇、城後寿のダブルボランチで臨んだ鳥栖戦で「ボールが回るようになった」(篠田監督)という理由からだったが、課題の修正とは反する選手起用が、水戸戦での敗因のひとつと言ったら言い過ぎだろうか。
チームとしての約束事がはっきりしないこと。中盤の守備が機能していないこと。誰の目にもチームの課題は明らかになっている。しかし、それを修正する術をチームは持てず、しかも、中2日で迎える試合に向けては、フィジカルコンディションの調整程度のトレーニングしかできない。まさに福岡は八方ふさがりの状態で栃木との戦いを迎える。出口どころか、その方向すらも見当がつけられないチームの状況は極めて厳しいと言わざるを得ない。
さて、迎える栃木は4勝7分15敗。福岡よりも勝点4少ない16位にいる。第18節の富山戦以来8試合も勝利から遠ざかっているなど、結果だけを見れば福岡と変わらない状況にあるように見える。しかし、その内容は福岡とは全く正反対にある。松田浩監督のもと、ハードワークと組織力を武器に戦うチームは、試合を重ねるごとに成熟。初めて戦うJリーグの壁に阻まれて結果にこそ結び付いていないが、どのチームとも伍して戦える力を備えつつある。
それを証明したのが第23節からの上位4チームとの4連戦。結果は2分2敗だったが、湘南、甲府には先制点を奪われながらも、持ち味である組織サッカーを展開して引き分けに持ち込んだ。そして前節はC大阪戦相手にボールを支配。自分たちのミスと、相手の個人技で1-3で敗れたものの、「勝てなかったが、我々は我々で対抗する武器を携えつつある」と松田監督はコメント。選手たちも上位人と互角に戦えるようになった自分たちのサッカーに手応えを掴んだことを口にしている。
チームの最大の武器はハードワークと規律に裏打ちされた組織力。コンパクトなゾーンを形成して連動したプレスで相手の攻撃の芽を摘み、奪ったボールは、少ないボールタッチで中盤を形成してから素早くワイドに展開してサイド攻撃を仕掛ける。ひとつの意思のもとに連動する組織は松田サッカーの真骨頂と言えるものだ。順位こそ福岡の下にいるが、今の福岡にとっては非常に難しい相手と言える。
それでも福岡は何らかの変化を示さなければいけない。そして結果を手に入れなければならない。水戸戦を終えて、チームキャプテンの吉田宗弘は次のように話した。
「少ないとはいえ、今日も遠く福岡から水戸まで応援に駆け付けてくれたサポーターがいた。時間とお金をかけてやってきたサポーターたちが、今日の試合を見て果たして報われたのだろうか。人数に関係なく、スタジアムに駆けつけてくれるサポーターがいることは、それだけで自分たちの力を出し切るに値する理由。重い横断幕を持って笠松から福岡へ帰る気持ちを思うと、申し訳ない気持ちで一杯。個々の選手が状況を変えるという強い意志を示さないといけない」
福岡を代表して戦う責任。胸のエンブレムに対する誇り。プロとしての意地。福岡は、もう一度その意味を噛み締めなければならない。
明確な目標に向かって真っすぐに歩み続ける姿。ただ勝利だけを目指して力の限りに戦う姿。どんなことがあっても下を向かずに相手にぶつかっていく姿。そんな姿が見たくて、サポーターはスタジアムに足を運ぶ。明日の試合で、その姿を余すことなく見せること。それが今の福岡に求められていることだ。
以上
2009.07.10 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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