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【J2:第27節 札幌 vs 熊本】レポート:アウェイの熊本がシュート僅か2本で勝利。一方、札幌は大量23本のシュートを放ちながらも無得点・・・。(09.07.12)

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7月11日(土) 2009 J2リーグ戦 第27節
札幌 0 - 1 熊本 (14:03/札幌厚別/6,376人)
得点者:70' 吉井孝輔(熊本)
スカパー!再放送 Ch181 7/12(日)15:00〜(解説:野々村芳和、実況:永井公彦、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:宮永真幸)
勝敗予想ゲーム
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これがサッカー。果たして、今シーズンの札幌の試合を観て、何度このフレーズを頭に思い描いただろうか。放ったシュートはホームの札幌が23本で熊本が2本。内容的には終始札幌が支配していた。しかし、勝ったのは熊本。説明のつかないサッカーの不条理なのか、それともこれが両チームの力の差が的確に反映されたものなのか。

試合は立ち上がりから終始札幌が一方的に支配していた。西嶋弘之が出場停止で、宮澤裕樹、藤田征也が負傷でといったように主軸数人を欠きながらも、開幕から継続してきたグループとしてのサッカーはこの日もしっかりと表現されていた。そうしたなかでアクセントとなったのはこの日、右MFの位置で先発出場した石井謙伍だろう。藤田が出場した場合には、藤田の持つスピードを活かし、札幌の右サイドは縦に速い攻撃がメインだった。しかし、その位置に石井が置かれたことで、いつもとは異なる札幌の姿を表すことができていたのだ。

石井の持ち味はボールを持った時の冷静さ。藤田のようにスピードのあるドリブル突破は難しいが、ボールを受けてからしっかりと周囲のバランスを感じ取り、的確にプレーを選択していく。そして本来はストライカータイプの選手であるため、タッチラインを踏みながらのプレーが多い藤田と比べてインサイドの選手と絡んでのプレーを増やすことができるようになり、チーム全体として相手ゴールに近いエリアにボールを運ぶ回数が増えていた。

一方、熊本もできる限りボールを動かしながらの攻撃を試みようとするが「札幌のプレッシャーが速くて」(熊本・北野誠監督)、中途半端なロングボールを多用せざるを得ない展開を強いられる。そして39分には原田拓がこの日2枚目の警告を受けて退場処分となり、こうして札幌の一方的な展開は生まれていった。

しかし、この言い回しも今シーズンの札幌には幾度となく思い浮かんだのだが、やはりサッカーは得点の数を競うものであり、シュートやチャンスの数を争うものではない。そして、得たチャンスをフイにし続けたものには必ず罰が訪れる、それがサッカーの不文律だ。
70分、後半から3バックへと変更した札幌のリベロの位置に移っていた西大伍が、なんでもないこぼれ球をクリアミスしてしまい、それを熊本の吉井考輔に蹴りこまれてしまったのだ。そして、これが決勝点となった。

勝敗の決定にはサッカーの不文律がある程度の大きな比率で影響したし、もちろん熊本の奮闘もあったから。そうしたなかで試合の流れを左右したポイントには後半からの札幌のシステムチェンジにあったと言えるだろう。

後半から札幌は4−2−3−1から3−5−2へと変更。リベロを置く3バックというのは守備的な布陣という見方も多いが、石崎信弘監督は「2トップながらもトップ下が置けるから攻撃的なものと考えている」と話すように、この3−5−2への変更は札幌にとっては攻撃的なシステム変更だった。ただし、前半から多くのチャンスを作ることができていて、前半の終盤には熊本が退場者を出したのだから、そのまま4−2−3−1を継続しても得点は奪えたのではないか、という考え方もできるだろう。これについては石崎監督は「クロスに対する入り方というところが足りなかったので、そういうところにアクセントをつけたかった」と説明する。ただし、惜しむらくは選手交代により前線に中山元気、上原慎也といった長身選手が置かれたため、チーム全体としてハイボールに頼りがちになってしまった部分だろう。相手の北野監督も「ボールを回されていたほうがしんどかったと思う」と、札幌の攻撃に助けられた胸中を明かしている。

ただし、札幌はシステムを変えてからも決定機を作っていたことも忘れてはならない。吉弘充志のヘディングシュートがポストに嫌われた場面もあった。あとはシュートがゴールに入るだけ、という場面までは持ち込んでいるのだ。

では、あとはどうするべきなのか。そこが現在の札幌が抱える最大の課題である。23本もシュートを打っている以上、チャンスの数は充分にある。シュートがポストに当たっているため、質が著しく悪いわけではない。もちろん攻撃およびシュートの練習を重ねる必要があるのだろうが、だからといって解決する問題でもないだろう。ポストに当たったボールが内側に入るか、外側にこぼれるのかといった部分は、もはや人間がどうこうできる領域ではない。どういった解決策を見出すのか、石崎監督のマネジメントには今後も注目したい。

それにしてもサッカーとは面白いもので、ゲームを支配してシュートを23本打っても負けてしまうチームがあれば、圧倒的な劣勢で数的不利になりながらも僅かシュート2本で勝ってしまうチームもあるのだ。ちなみに、熊本が放ったもう1本のシュートは後半開始のキックオフ時に木島良輔がセンターサークル内から蹴ったものなので、実質的なシュートは得点となった吉井の1本だけと言っていい。

長いシーズンのなかではいろいろな試合がある。だから、時にはこんな試合もあるだろう。札幌にはちょっと多すぎるような気もしてしまうのだが・・・

以上

2009.07.12 Reported by 斉藤宏則
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