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【J2:第27節 横浜FC vs 水戸】レポート:「甘さ」に対する対応が細かく入り乱れる。自滅で10人となった横浜FCが、一方で粘り腰を見せて、スコアレスドローに持ち込む。(09.07.13)

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7月12日(日) 2009 J2リーグ戦 第27節
横浜FC 0 - 0 水戸 (18:03/ニッパ球/2,585人)
スカパー!再放送 Ch185 7/13(月)21:00〜(解説:三浦泰年、実況:中村義昭、リポーター:高木聖佳)
勝敗予想ゲーム
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 この試合に入る前の横浜FCと水戸は、心理的な「甘さ」への対処という点で対照的な状況に置かれていた。横浜FCは「このくらいのプレーで大丈夫という意識があって、ハードワークできていなかった」と鄭容臺が語ったように、富山戦で露呈した心理的な甘さからの立て直しが急務だった。一方の水戸は、前節の福岡戦で理想的な形の5得点による勝利を挙げたからこそ、「気持ちを引き締めて厳しい入り方をしないと、厳しい試合になるぞ」(木山隆之監督)と気の弛みをどのように防ぐかが課題だった。そして、この甘さへの対応が展開に影を落としながら試合は推移する。

 連戦の疲労を考慮して、攻撃の中心の高崎寛之をベンチに置いた水戸が「オフェンシブの選手の位置が低く、前にも全然ボールが収まらなかった」(木山監督)ことから、前半は、中盤、特にボランチのスペースにおけるボールへの出足では横浜FCが優位に立つ展開となる。須藤右介を中心に中盤を掌握した横浜FCがポゼッションを高めていくと、前節全く見られなかった追い越す動きからのサイド攻撃を見せる。さらにこぼれ球にも素早く反応して波状攻撃を仕掛ける狙い通りの展開となる。前節見せた甘さを中3日で立て直した横浜FCと、「立ち上がりを、少しゆるい試合の入り方をしてしまった」(木山監督)というように甘さを見せてしまった水戸が対照的な出来となる。しかし、ゴールへのプレーということでは、横浜FCは水戸の低いゾーンを切り崩すことができない。水戸も、横浜FCのミスを突いたシュートチャンスを掴むが決め切れず、前半終了が見えた44分に、横浜FCに別の甘さが露呈する。すでに1枚イエローカードを受けていた初スタメンの中田健太郎が、遅延行為で警告を受けて退場処分となる。せっかく保っていた良いリズムに水を差してしまうような、若さでは済まされない軽率なプレーで、前半は幕を閉じる。

 前節に続き後半を10人で戦うことになった横浜FCだが、この日はその甘さをカバーする粘り強さを見せる。4-4-1のフォーメーションのまま、前半と変わらないボールへのアプローチを継続し、戦う姿勢を見せつづける。しかし、そこは3連戦の3戦目とあって、高崎、森賢一を投入した水戸は60分を過ぎるあたりから徐々に数的優位を生かしはじめ、横浜FCが後手を踏むようになる。高崎が、1人次元の違う切れ味のある動きを見せて、何度も裏に抜けながら決定的なチャンスを掴むが、ここで大久保択生がその前に立ちはだかり、何度も好セーブを見せチームを救う。大久保のセーブに勇気づけられる形で、ゾーンを低くしながらも守備ブロックを保ち、前半と変わらないボールの奪い方を徹底した横浜FCは、途中出場の難波宏明の爆発力に得点への望みを賭けるが、水戸の守備を崩す事は叶わない。一方の水戸も、守備意識を保ち続けた横浜FCを崩し切ることができず、試合はスコアレスドローで終了した。

 横浜FCは、全く主体的なサッカーができなかった前節の悪夢を払拭し、早い時間での退場があったにも関わらず、プレースタイルを崩さずにドローに持ち込んだことは、次節につながる試合だった。しかし、狙い通りのプレーをしながら、軽率な退場により自ら勝ちへの道を狭めてしまう甘さが出てしまったことも事実。さらに、「10人でも守備が安定するのだから、11人の時にもっと意識すれば良い攻撃ができる」と三浦知良が語るように、勝利をもぎ取るにはさらに心技体での上積みが必要となる。「この試合のように走って戦わないと、チームとしての積み上げはありえない。この試合をきっかけにしたい」と鄭は語るが、今年何度も語られている「きっかけ」という言葉をこれで最後にできるか、次の試合での継続が重要となる。

 水戸にとっては、木山監督が心配していた通り、大勝後のチームマネジメントの点で、甘さをつぶせなかった事が大きく響いた試合となった。「前半の15分、20分ぐらいの出来の悪さが今日の試合の全て」と指揮官が語るように、さらに一歩上の順位を目指す上で改善すべき点を認識する結果となった。その中でも、勝点1を持ち帰ることができたのは、唯一の良かった点だと言える。また、高崎が不在の時の攻撃が課題。水戸の攻撃において高崎の果たす役割は大きいが、累積警告で次節から2試合出場停止となるだけに、チーム全体で厳しさを出していけるかが問われることになる。

 横浜FC、水戸ともに前節と反対の内容となったゲームの教訓は、勝利のためにはしつづけるためには、いかに甘さを排除できるかということ。その教訓を刻むことができれば、次節の勝利への道が開けるだろう。

以上

2009.07.13 Reported by 松尾真一郎
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