7月12日(日) 2009 J1リーグ戦 第17節
F東京 3 - 0 名古屋 (18:34/味スタ/24,736人)
得点者:3' 石川直宏(F東京)、34' カボレ(F東京)、89' 鈴木達也(F東京)
スカパー!再放送 Ch185 7/14(火)18:00〜(解説:桑原隆、実況:加藤暁、リポーター:日々野真理)
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F東京は名古屋に3−0で快勝し、リーグ4連勝を飾った。前半3分、MF石川直宏がチームタイの5試合連続弾となる先制ゴールを決めた。同34分にはFWカボレが追加点を挙げ、後半終了間際に途中出場のMF鈴木達也がダメ押しの3点目を決めた。F東京は勝点28に伸ばして5位をキープ。名古屋は勝点22のまま、1つ順位を落として10位となった。また、先制点を挙げた石川は10得点でこの日ゴールのなかった名古屋FWダヴィらと並び、リーグ得点ランキング首位に浮上した。
F東京は、チームの成長を確かなものにする一勝を挙げた。先制点と2点目は石川の言葉を借りれば、「チームとしての狙いを持った攻撃」によって奪った得点だった。
先制点は開始早々、FW平山相太が競って頭で落としたボールに石川が反応する。「(平山)ソウタやカボレが競った後のセカンドを拾うことは意識していたし、チームとしての一つの形だと思っている」(石川)。ボールを拾うと、ゴールへとドリブルを開始。ここでカボレが右へと流れて相手DFを引っ張って石川の進路を空ける。石川は、そこへ迷わずボールを運ぶ。相手DFも対応するが、それをスピードで振り切り、右足でゴールネットを揺らした。
追加点は、近年トレンドになりつつある、複数の選手が絡む鮮やかなコレクティブ・カウンターだった。「あの位置でキープしてくれると、相手の最終ラインは上げることも下げることも出来なくなるので(平山)ソウタを追い越す動きを狙った」(石川)。石川は平山が下がってボールを受ける瞬間には、ギアを入れ替えて右サイドを疾走していた。平山はターンすると、石川が走りこむスペースへとスルーパスを通す。このとき、すでに中央では2人の選手が反応していた。カボレが走りこんで最終ラインを下げさせると、ゴール前にはポッカリとスペースが空く。そこに「(石川)ナオが抜け出て、チャンスだと思ってポジションを取った」MF羽生直剛が遅れて入ってくると、石川からの折り返しをダイレクトで合わせる。羽生のシュートは名古屋GK楢崎正剛に阻まれたが、こぼれ球をカボレが押し込んで2点目を決めた。対名古屋戦に向けて「チーム全体が、今週ずっとイメージしてきた」(羽生)カタチ。意思と意図が絡み合った素晴らしいゴールだった。
「あの(ハイスピードなプレーの)中で、色々な選択肢を持つことは簡単ではない。マイナスのボールもあるし、キーパーとDFラインの間もある。切り替えしてシュートという選択もあった。(石川)ナオは、あの場面で羽生が入ってくるのがしっかりと見えていた。意図がプレーの中から感じられるゴールだった。本当に少しずつだが、進歩していると思う。僕は何歳になっても学べるのだと彼らに教えられている。だからこそ、プロの世界で生きていけるのだとも思う。もう何歳だから伸びシロがないだとか、もう学べないということはない。それを僕は彼らから学んでいる」(城福浩監督)
そして、3点目を決めた鈴木に指揮官は頬を緩ませた。「タツヤ(鈴木達也)はこれまで悩むこともあったと思う。彼の良さでもある強引さと、課題でもあるプレーの質のバランスが上手くいかないこともあった。これで肩の荷が下りたと思う。ずっとプレッシャーが掛かった中で、プレーを選択しなければいけなかった。それでもあの時間に出続けていたのは、ほとんどの試合でずっと守備の期待を裏切らなかったから。これで肩の荷が下りて次へのステップアップに向けてトライし続けて欲しい」(城福監督)。鈴木はこれまでプレッシャーが掛かる途中出場の重責を果たしてきた。守備をこなしつつも、ボールを受けた中で次にどういったプレーを選択するのか。シュートで終わるのか、それともキープをするのか。ゲームの終わらせ方を課題にしてきたチームの中で常に難しい判断を迫られてきた。この日、ダメ押しとなる3点目を奪った鈴木は途中出場で大仕事をやってのけた。
また、鈴木だけでなく、チームのそれぞれが個人とチームの仕事を全うした。最終ラインはコミュニケーションを密にとって名古屋の攻撃を封じた。これまで黙々と自分の仕事をこなす印象が強かったDF徳永悠平は、ボールが動くたびに指示を出して周囲のポジション確認を行っていた。DF今野泰幸はあらゆる局面で圧巻のパフォーマンスを見せた。米本拓司、梶山陽平のボランチコンビもシンプルなプレーと、ポジションの取り直しを90分間繰り返した。得点に絡んだ選手だけでなく、脇役にもそうした確かな成長の跡が見て取れた。F東京にとっては、強豪の名古屋に3−0で勝利しただけのパフォーマンスをチーム全体が見せたゲームだったといえるだろう。
一方の名古屋には、不運もあった。後半18分に途中出場したMF花井聖が同32分に負傷退場し、残り時間を1人少ない状況でプレーすることになってしまった。さらにはFW巻佑樹も負傷を抱えながらピッチで試合を続けた。ただ、0−2でゲームが推移する中で何度か決定機を作りながらも、決め切れなかったことは反省材料だ。何とか持ちこたえていた守備も最後は力尽きてロスタイムにダメ押し点を奪われてしまった。昨年、積み上げたサイドを起点にしたグループによる攻撃は今節も鳴りを潜めてしまった。ピッチをワイドに使い、そこから複数の選手が絡んだ攻撃が何度か展開された。ただ、それも単発に終わってしまっていた。試合後の会見でストイコビッチ監督は「コレクティブ」とともに「セルフィッシュ」という単語を頻出させた。名古屋はもう一度、目指す組織的なスタイルを可能とする組み合わせを探る時なのかもしれない。
両チームは再び、中2日で対峙する。攻守において短い期間で修正と対策を施さなければいけない。疲労を考えても、この日先発した22人がそのまま次戦のナビスコカップ決勝トーナメント1回戦に立つとは考えづらい。
「自分たちに機軸をおいたチーム作りをしてきたので連続でやることはまったく気になりません。ただ、メンバーについては小平で努力し続ける選手もいる。しっかりとコンディションを見極めて選びたい」(城福監督)
「次は何かを変えなければいけないと思っている。私と一緒に何人かはベンチに座ることになるでしょう」(ストイコビッチ監督)
試合後、両指揮官は水曜日のゲームについても言及している。次のゲームに向けた戦いは、すでにこの日の試合終了と同時に始まっている。
以上
2009.07.13 Reported by 馬場康平
J’s GOALニュース
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