7月26日(日) 2009 J2リーグ戦 第30節
熊本 2 - 3 福岡 (18:03/熊本/5,865人)
得点者:54' 岡本英也(福岡)、68' 大久保哲哉(福岡)、69' 高橋泰(福岡)、70' 宇留野純(熊本)、89' 市村篤司(熊本)
スカパー!再放送 Ch183 7/27(月)19:00〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:山田法子)
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九州北部を襲った豪雨の影響で、熊本への陸路には大きな障害が出た。福岡からの列車は午前10:00過ぎに運休。一時は復旧の見込みが立たない状況に陥った。午前中は影響が少なかった高速道路での移動も、やがてままならない状況に。実際、筆者も午前9:00に自宅を出発しながら、スタジアムにたどり着いたのは午後3:30。通常の倍以上の時間をかけての移動となった。そんな状況の中、アウェイ側ゴール裏には、いつものサポーターがいた。そして「バモス、アビスパ。我らといつもここに」と、いつもの歌声が響く。あらゆる手段を講じて熊本にやってきたサポーターたちの熱い思いが、チームにとって大きな力になったことは間違いない。
前半は我慢比べだった。立ち上がりこそ、藤田俊哉を起点にしてパスをつなぐ熊本がリズムを掴むかに見えたが、その藤田がボールに触れなくなると熊本の攻撃は停滞。ボールを支配するものの、待ち構える福岡の前でボールを回すだけで、チャンスに結びつけることはできなかった。
そして福岡も同様に、攻撃を活性化出来ないままに時間を過ごした。大久保哲哉にボールを集めるも、河端和哉の激しいチェックにあって起点を作れず。加えて、手堅く戦いたい意識が強いのか、ボールを奪っても大きな展開や緩急の変化がつけられない。
結局、前半に放ったシュートは互いに4本ずつ。試合は膠着状態のまま前半を終えた。
そんなゲームが動いたのは54分。大久保のポストプレーから右サイドでボールを受けた高橋泰がファーサイドへクロス。ニアへ走りこんだ久藤清一の動きに熊本DFが引き付けられた外側でフリーになった岡本英也が、ダイレクトボレーでゴールネットを揺らす。さらに68分、鈴木惇のクロスボールに大久保が頭で合わせて2点目をゲット。そして、その直後の69分には、熊本のキックオフのボールに大久保が激しくプレッシャーをかけてボールをカット。こぼれたボールを高橋がドリブルで持ち込んでゴールに流し込んだ。そのあと熊本に2点を返されて嫌なムードも漂ったが、最後は冷静さを失わずに逃げ切った。
この日の最大のポイントは藤田をいかに抑えるかということ。そして、その重責を城後寿が着実に遂行した。「前の方では仕事をさせなかったので、それに関しては良かったんじゃないかなと思う」(城後)。ロスタイムの失点は藤田に起点を作られたものだが、試合全体を通してみれば、常に藤田の動きを意識したポジションを取り、ボールを持たれても前を向かせず、仕事らしい仕事をさせなかった。この日の熊本は、最後まで熊本らしいパスワークを見せることがなかったが、それは藤田の動きを封じたことに大きく影響されている。
チームの戦い方にも変化が見えてきた。ここまで攻撃の形が見えず、ゴール前に迫っても単調な動きでチャンスを広げることが出来なかったが、この日の得点シーンは全て大久保が起点になってのもの。クロスボールに対しては、ニア、ファーサイド、そして中央と、ボールを受ける側のダイナミックな動きも見えた。
また、ここ数試合、ただ引きこもるだけの戦いが続いていたが、この日は守備に重点を置きながらも、奪ったボールを前へ持ち出す意識が見られるようになってきた。特に後半は、リスクを負ってゴール前に人数をかける攻撃を見せた。結果を出し続けることで、少しずつチームの自信が回復してきているからだろう。
ただし、課題はまだ修正されたわけではない。特に問題なのは「あの2点はいらなかった」と誰もが口にした守備。ゴールを奪った直後の失点、中盤で誰もプレッシャーに行かずにズルズルと下がって相手に自由にプレーされた末に生まれた2失点目は、いずれも、これまでの失点シーンの再現。「PKを与えた場面や最後の失点シーンは、我々の大きな課題だなと改めて思った」と篠田善之監督も振り返る。この日は2失点にとどまったが、引き続きチームとして改善に努めなければ、結果を出し続けることは難しい。
それでも、福岡にとっては結果を手に入れたことが何よりも大きい。試合前、篠田監督は、「熊本との試合は、今後を左右する大きな意味を持つ」と話していたが、ただ勝点3を積み重ねただけではなく、チームの変化を感じさせる内容を見せたことは大きな収穫。これからの戦いに希望の光を見出す試合になったと言ってもいいだろう。まだまだ復調への道は遠いが、その方向へ向かって、少しずつ進み始めたことが感じられる試合だった。
そして、「しっかり準備をして、次のゲームに向けて慢心することなく、前を向いてやっていきたい」と篠田監督が話したように、常に大切なのは目の前に迫る次の試合。そして、決して満足することなく前への歩みを続けることだ。この日の試合も、終わってしまえば過去の試合。次節の岡山戦(8/2@レベスタ)で、さらなる変化を見せて勝点を積み上げることが、福岡の復調の道へとつながっている。
以上
2009.07.27 Reported by 中倉一志
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