8月29日（土） 2009 J1リーグ戦 第24節
横浜FM 1 - 1 千葉　（19:05／ニッパ球／13,181人）
得点者：4' ネットバイアーノ（千葉）、70' 金根煥（横浜FM）
スカパー！再放送 Ch183 9/1（火）21:00〜（解説：金田喜稔、実況：佐藤文康、リポーター：石川葉子）
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横浜Ｆ・マリノス、ジェフユナイテッド千葉とも２戦連続のドローに終わる。試合終了の瞬間、重苦しい空気がニッパツ三ツ沢球技場を包んだ。

横浜FMは、前節の４−４−２から４−３−３へシステムを変更。中盤のアンカーには、調整不足の河合竜二ではなく、J1初先発の田代真一を起用。その狙いは「松田と小椋を前めに上げて、相手のボランチからボールを奪う」(木村浩吉監督)ためだった。

試合はいきなり動く。開始３分、千葉の中後雅喜が素早い寄せで、敵の田代からボールを奪取。そこから巻誠一郎がスルーパスを送り、ネット バイアーノがゴール前に抜け出す。ＧＫ飯倉大樹は飛び出し、突破を防ごうとしたが間に合わず。バイアーノの体に突っ込み、ＰＫの判定に。
これをバイアーノ自ら沈め、千葉が先制。「ボランチの位置で、いい形でボールを奪うイメージした」(巻)というトレーニングの成果が出て、先制弾を呼び込んだ。

その後も千葉は目論み通り、中盤のボール奪取からのショートカウンターを見舞う。横浜FMは中盤３人の位置取りが安定せず、バイタルエリアでのチェックが甘くなり、攻撃を食らうことになる。
だが、横浜FMにもチャンスはあった。狩野健太と長谷川アーリアジャスールを起点に何度かいい形を作っていたが、決定機を作るには至らない。

後半の頭、横浜FMは坂田大輔を投入し、渡邉千真と２トップを形成。システムを前節までの４−４−２に戻す。
その坂田大輔が流れを変えた。「とにかく裏を狙った」という言葉通り、坂田は敵ＤＦの背後のスペースへ何度も飛び出す。また、周りの選手も彼を生かそうと、ロングボールを多用。51分には長谷川の左クロスを坂田がニアに飛び込み、頭で合わせた。しかし、ＧＫ櫛野亮のスーパーセーブに弾かれる。

さらに横浜FMは、ベンチにいた兵藤慎剛、金根煥という攻撃のカードを切る。
この金が同点弾を奪う。出場してから１分後の70分。松田直樹が自陣から前線の金を目がけて、ロングフィードを送る。やや長いパスだったが、金は懸命に追いかける。すると、櫛野はキャッチできずボールは流れ、追いついた金がプッシュしてゴール。
80分を過ぎると、横浜FMは一層、前がかりに。逆に千葉もカウンターから好機を作るスリリングな展開となる。横浜FMは金のミドルと、渡邉の右45度からのシュートという２回の決定機があり、千葉は途中出場の新居辰基のポストを叩くシュートを放つ。しかし決着はつかず、ゲームセット。

横浜FMのサポーターからはブーイングが出る。下位チームとの引き分けに納得がいかなかったのだろう。指揮官は「同点ゴールの前後にも崩している形があった。そこを決め切れないのが今季、勝ちきれない理由ではないか」と言う。片や千葉も「決定力不足が課題。パスの精度を上げないと」と中後はコメント。
横浜FMは、中３日でヤマザキナビスコカップ準決勝の川崎フロンターレ戦を迎える。千葉は暫定ながら16位と厳しい状況が続く。お互い早急に得点力不足解消法を見つけることが命題だろう。

以上

2009.08.30 Reported by 小林智明（インサイド）