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【J2:第36節 福岡 vs 湘南】レポート:これもサッカー。福岡の思い通りの展開も、最後の最後で生まれた湘南のゴールに泣く。(09.08.30)

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8月29日(土) 2009 J2リーグ戦 第36節
福岡 0 - 1 湘南 (19:03/レベスタ/10,914人)
得点者:89' リンコン(湘南)
スカパー!再放送 Ch181 8/30(日)12:00〜(解説:布部陽功、実況:南鉄平、リポーター:森田みき)
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誰もが福岡の勝利を信じていた。足が止まった湘南に対して一方的にボールを支配。ロスタイムには、ゴール前に迫った高橋泰が柔らかなループシュート。このシュートはGK野澤洋輔の伸ばした両手の中に吸い込まれたが、ゴールまであと一歩に迫っていた。しかし、その直後に起こった出来事に、レベルファイブスタジアムは一転して静寂に包まれることになる。

一瞬の出来事だった。高橋のシュートをキャッチした湘南GK野澤から最終ラインを経由したボールが阿部吉朗へと渡る。阿部の選択はアーリークロス。そのボールを2列目からゴール前へ走りこんだ永田亮太がヘディングでゴール前へ流す。そこにいたのはリンコン。ダイレクトで放ったシュートはGK吉田宗弘に弾かれたが、そのこぼれ球を落ち着いてゴール右隅に流し込んだ。湘南が自陣ゴール前から4本のパスを繋いで、最後の最後で奪った決勝ゴール。福岡にとっては受け入れ難い、そして湘南にとっては起死回生のゴールだった。

「最後に得点したが、その前に野澤の頭の上に行ったシュートがあと1ミリ上だったら、全く逆の結果になっていた試合。福岡とは3試合目だが、今日は非常に強かった」(反町康治監督・湘南)
その言葉通り、試合の流れを掴んでいたのは福岡だった。特に前半は湘南の特長を消し、ほとんどサッカーをさせなかった。大久保哲哉がマンマークで付く田村雄三を引っ張って中央にスペースを空け、そこへ久藤清一が斜めに走りこんで起点を作る。そして絶好調の田中佑昌が巧みにラインの最終ラインの背後を狙えば、高橋泰が虎視眈々とゴールを狙う。守っては田中誠と丹羽大輝がリンコンをハードマーク。前線での起点を失った湘南は、持ち味である2列目からの飛び出しが機能せず、ロングボール中心の単調な攻撃に終始せざるを得なかった。

後半に入って湘南が主導権を握る時間帯もあったが、その時間帯を粘り強い守備でしのいだ福岡は、やがて主導権を奪回。70分を過ぎたあたりからは、足が止まった湘南に対して一方的にボールを支配して連続攻撃を仕掛けた。それでも結果は敗戦。「ゲーム内容はうちの方が良かった。それだけにもったいない」と大久保は試合を振り返った。

ただ、細かな点に目をやれば、開幕以来、J1昇格争いの真っただ中で戦い続ける湘南と、不本意な戦いを続ける福岡との間に差があったことも確かだ。チャンスは少なかったが、チームとしてゴールを奪う形が明確だったのは湘南。決勝ゴールとなったシーンも、前線で貯めて2列目から飛び込むという、湘南の攻撃の見本となる形からだった。
 対して福岡は、攻撃を仕掛けるのは前の4人だけ。いい形を作っても、ボランチやSBの攻撃参加がないために分厚い攻撃が仕掛けられず、最後は個人のアイデアに頼らざるを得なかった。

そして守備では、最後までゴールを許さなかった湘南に対し、肝心なところで、前がかりになって相手の縦への仕掛けに対してプレスに行けないという欠点を露呈して、ゴールを奪われたのが福岡だった。
「ペナルティエリアの付近でボールは握れたが、ダイナミックさと最後の精度の部分は本当に課題だと感じている。守備面では全体的には非常に良かったが、前がかりになって背後を取られるシーンがあったし、何よりも結果として失点しているというところは大きな、大きな課題」と話す篠田善之監督(福岡)の表情は悔しさで一杯だった。

さて、内容に拘わらず結果を残すのが強いチーム。そういう意味では湘南は強かった。そして、勝利を続けていくことで、この試合の結果は、もっと大きな意味を持つことになる。反町監督は、「泥臭く、アウェイで勝点3を取れたというのは大きいが、次のホームが非常に大切になってくると思うので、これで調子に乗らずに、しっかりと準備してやっていきたい」と話して記者会見を締めくくった。

そして福岡は、引き続き課題を修正しながら、自分たちのサッカーの質を上げていく作業を続けていかなければならない。次の試合で何を見せ、何を手にするかで、この日の試合の位置づけが大きく変わることにおいては湘南と変わりはない。「守備から入るという自分たちのプラン通りの戦いは89分間は出来ていたと思う。結果は出なかったが、だからと言って気持ちを下げるのではなく、同じ気持ちで臨みたい」(丹羽大輝)。
次節は、まだ勝ったことがない岡山が相手。アウェイでの試合になるが勝利を掴んで福岡に戻ってきて欲しい。

以上

2009.08.30 Reported by 中倉一志
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