9月2日(水)J2 第37節 熊本 vs 岐阜(19:00KICK OFF/熊本)
スカパー!生中継 Ch172 18:50〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
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中2日でレポートやプレビューの記事を書くのも、J2リーグのスケジュールのハードさを思い知らされるけれど、当然だが選手たちはもっと大変だ。頭も気持ちも切り替えなくてはいけないし、コンディションにも気を遣わなければならない。それでもまだホームでの2連戦ということで移動がないのが、熊本にとっては幸い。岐阜は今日熊本に入るだろうから、同じ中2日でも、やや熊本の方が条件的なアドバンテージはある。
しかしチーム状態はと言えば、前節ともに敗れているものの、明らかに岐阜の方が上。熊本は前節敗れて今季2度目の4連敗中だが、32節の愛媛戦で勝つ前にも4連敗しているため、ここ9試合は1勝8敗。一方の岐阜はその間4勝2分3敗。30節は首位C大阪に競り勝ち、33節は甲府とドロー。そして前節は仙台に終了間際に逆転されたが、終盤まで食い下がった。24節、第2クールの直接対決では熊本が5−2で降して順位が入れ替わったが、それから約2ヶ月で両チーム間の勝点差は10にまで開いている。第3クールに入って未勝利の熊本は、5試合ぶりの勝利を挙げて良い流れのきっかけにしたい。
前節のC大阪戦。前からのプレッシャーに対して連動し、左右をきっちりスライドさせてバイタルエリアを閉じる事で、無失点でゲームを運んで相手を焦らす、というプランがあったが、開始4分の失点でその狙いが崩れた。結局、先制を許したシーンがロングボールから始まったこともあって、背後を気にかけるDFラインを押し上げられずに3ラインの距離が離れてしまい、テンポよくボールを動かすC大阪に中盤のスペースを自由に使われ、何度も危ない場面を招いてしまった。
メンバー、システムも含め、連戦の疲れも考慮して前節と替えて臨む可能性もある。いろいろと試行錯誤を繰り返しているようにも受け取れるが、ここまでも、1トップから2トップ、そして藤田俊哉を最前線に置くゼロトップ、さらには3バックと変えてはいるものの、常々「システムは関係なく、何をやるか」と北野誠監督が話している通り、ボールをしっかりと支配し、そして相手を動かして崩すという根本のスタンスは、開幕前から揺らいではいない。C大阪戦で取り戻そうとした『積極的な守備』も、突き詰めれば、攻めて点を取り、勝つためのもの。今節に関しても、「今までやってきたことをしっかりやるだけ」と北野監督は言う。
迎える岐阜だが、第2クールの対戦時とはまたひと皮むけた。ルーキーも含め新加入選手が多く、チーム内の連携面が懸念された今シーズンだが、それも彼らが試合での経験を積む事で徐々にチームとして深まっている。加えて、シーズン終盤にきて徐々に結果が出るようになった事で、精神的にもたらされる自信がさらに次の結果につながる、という好循環が生じている。
第2クールの対戦では、スコアこそ3点差となったもののシュート数は1本しか違わず、力の差は点差程にはなかった。前節の仙台戦で先制点を決めた西川優大をはじめ、26試合ぶりに先発出場した片山真人、また出場停止が明ける佐藤洸一、ベンチにいる朴俊慶と、岐阜の前線は長身ぞろい。ハイボールに競って落としたセカンドボールは2列目が拾いにくるし、両サイドバックも積極的に上がってくる。コースがあれば長い距離のドリブルもあるし、ミスを見逃さずにつけこむしたたかさもある。
こうした攻撃にどう対応するかが熊本には問われるが、中2日で大きな修正はできないし、それ以前に、やろうとしていたことが前節はできなかったわけで、今節はまず、それをピッチの上で表現しなければならない。
立ち上がりの失点、ドリブルへの対応、攻守の切り替え、ゴールへの意識等々、1試合ごとにテーマを持って臨めば次なる課題が露呈し、次の試合に向けてそこを修正すれば、今度はまた、一度はクリアしたはずの課題が顔を出す。そんな具合に、なかなか先に進めない状態で最終クールまで来た。しかし前節、C大阪のレヴィー・クルピ監督が話していたように、首位のチームにさえ「左右を見て走る余裕はない」のだから、15位の熊本にしてみれば、目の前の試合に勝つ事だけに全力を注ぐしかない。
ホームでの勝利は24節の岐阜戦が最後で、サポーターに対して申し訳ないという思いを選手たちが抱くのも無理はない。だが思い出して欲しいのは、自分たちのために戦っているということ。押されたままのポーズボタンをもう一度押してリスタートするタイミングは、この試合をおいてない。
以上
2009.09.01 Reported by 井芹貴志













