2月28日(日) 2010Jリーグプレシーズンマッチ
名古屋 1 - 1 岐阜 (13:00/瑞穂陸/6,819人)
得点者:32'玉田圭司(名古屋)、90+3'西川優大(岐阜)
☆2010開幕特集 | 顔写真クイズ|勝敗予想ゲーム
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「今日はスコア云々ではなく、90分が終わった時に立てないくらい出し切ってほしい」
試合前の岐阜サポーターの言葉が物語るように、歴然とした実力差があることは誰もがわかっている一戦だった。田中マルクス闘莉王や金崎夢生など積極的な補強に動いた名古屋は、J1の優勝候補とみなされている。観客の興味は「どっちが勝つか」ではなく「何点入るか」や「新戦力の様子はどうか」といったところが本音だっただろう。だが、机上の計算通りにいかないのがサッカーである。
エースストライカーのケネディを欠く名古屋は、代役に巻佑樹を起用。その両サイドには金崎と玉田圭司を並べ、彼らのサポート役となるインサイドハーフにはブルザノビッチとマギヌンを選択した。アンカーには新加入のダニルソンではなく吉村圭司、DFラインは現在のところのファーストチョイスである田中隼磨、闘莉王、増川隆洋、阿部翔平の4人。守護神はもちろん楢崎正剛が務める。ベンチに千代反田充や中村直志、小川佳純、三都主アレサンドロが控える陣容は、まさしく豪華布陣の名に恥じない面々となった。
岐阜はキャンプから継続してきた布陣・メンバーを踏襲してきた。唯一の変更点といえばセンターバックに秋田英義が起用されたことぐらい。MF中央で橋本卓とコンビを組むのはルーキーの山内智裕。両サイドMFに菅和範、西川優大が入り、2トップにはスピードと技術に優れる佐藤洸一と押谷祐樹が選ばれた。
キックオフから主導権を握ったのはもちろん名古屋。だが、圧倒的な展開とはいかなかった。局面での1対1では優位に立ったが、肝心の組織的な攻撃が思うようにつながっていかない。岐阜が果敢にDFラインを押し上げ激しいプレッシングをかけてきたこともあり、名古屋のビルドアップはなかなか効果を上げられなかった。好機は生まれるが、得点が生まれない状態に風穴を開けたのが玉田だ。32分、左サイドで巻が落としたボールを受けると、そのまま直線的にゴールへ突進。マーカーをスピードで振り切ると、逆サイドネットへグラウンダーのシュートを突き刺した。自慢の個の力を見せ付けるようなゴールでリードを奪った名古屋は、その後も数回の決定機を迎えるも追加点はならず。試合は名古屋優勢のまま折り返した。
だが後半は一転して、攻守の切り替えの速い打ち合いとなる。主な要因は、名古屋の連係不足と岐阜のミスの多さだ。前半から散見されていた名古屋の組織力のほころびは、不用意な横パスや単純なパスミスといった形で現れてはいた。さらには後半開始から吉村に代えてダニルソンが投入されたことも拍車をかけた。いまだプレーに戸惑いが残る23歳のアンカーと、ブルザノビッチ、マギヌンという攻撃的なインサイドハーフのトリオでは、組織的な守備など望めるべくもない。中盤守備のバランスを崩した名古屋は岐阜に中央への縦パスを次々に通され、たびたびカウンターの脅威にさらされた。岐阜が決定機にまで持ち込めなかったことで事なきを得ていたが、その後に数名のメンバー交代を経た後も状況は変わらず。名古屋もカウンターに応戦したが、3トップ以外に攻撃の枚数を増やすことができずに反撃の迫力が出ない。決定打を欠く打ち合いは終盤まで続いた。
そして迎えた後半ロスタイム。3分の表示がされたその3分目に、岐阜の同点ゴールが生まれた。左サイドでカウンターのパスを受けた西川が、名古屋DFラインの対応が遅れたところを見逃さずに右足を一閃。終了間際の同点弾は、岐阜にとって対名古屋戦の初得点でもあった。追加点を奪えずに追いつかれるという悪癖を露呈した名古屋は、前週の清水との練習試合に続いてJクラブから勝利を奪えず。リーグ開幕を前に、またも課題を山積させることになった。
吉村→ダニルソン、阿部→三都主、玉田→小川、ブルザノビッチ→中村、田中→竹内、増川→千代反田という豪華な交代劇を見せた名古屋は、改めてリーグ屈指の選手層の厚さを証明した。だが、状況を打開できなかったというところでは課題が残る。名古屋の選手は新戦力が合流して間もないこと、何よりプレシーズンマッチということで手応えの方に目を向けた。ストイコビッチ監督も「良いトレーニングとなった、これはフレンドリーマッチなのでリーグでは違う試合になる」と語ったが、岐阜の殊勲者・西川に「そこまで大きな差は感じなかったです」と言われてしまったことは、J1の優勝候補としては問題視すべきだろう。リーグ開幕戦までは残り5日。もう一度チームをブラッシュアップし、見違えるような魅力的なサッカーでG大阪へのリベンジを果たしてもらいたいところだ。
以上
2010.03.01 Reported by 今井雄一朗
J’s GOALニュース
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