2月28日(日) 2010Jリーグプレシーズンマッチ
清水 2 - 0 新潟 (13:30/アウスタ/6,120人)
得点者:48'ヨンセン(清水)、61'藤本淳吾(清水)
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「仕上がりは上々」。新潟が完調ではなかったとはいえ、J1の難敵に2-0で完勝した清水の戦いぶりは、そんな言葉で表現するのがピッタリだった。
清水のスタメンは、岡崎慎司の代わりに3年目の大前元紀が先発した他は、来週の開幕戦でも先発するであろう顔ぶれが揃った。岡崎に関しては、日本代表への招集を考慮して出場時間を短くするために、長谷川監督があえて後半からの出場という形を選んだ。なぜ前半の半分ではなく後半からだったのかという理由は、「先発だとどうしても引っ張らざるをえない状況になってしまうと思った」(長谷川監督)から。それだけ指揮官も、この試合の結果にはこだわっていた。
また、そこでチャンスを得た大前が、自分の持ち味を大いに発揮し、チャンスメイクに何度か絡んでアピール。それもチームにとって大きな収穫となった。
清水のシステムは、今季からトライしている4-3-3。新加入の小野伸二やボスナーも含めて、今季の戦い方をホームのアウスタで初披露する舞台となった。対する新潟も、今季のベースとなるであろう布陣でスタート。システムは4-4-2と4-2-3-1を併用している中で、この試合では矢野貴章を1トップとした4-2-3-1で臨んだ。
立ち上がりは、お互いに自分たちのサッカーを確認するような入り方を見せたため、比較的静かな展開となったが、サポーターの小野に対する注目度は別格。彼が少しでも良いプレーを見せると、スタンドからはその度に歓声や感嘆のため息、そして大きな拍手が起こった。そんな中で、小野本人も期待に応えるかのように精力的な動きを見せ、華麗なボールタッチやパスだけでなく、守備での泥臭いタックルも披露。球際での頑張りで、チームを引っ張る姿勢も見せた。もちろん、彼らしい相手の意表をつくパスや、視野の広さを生かした展開のパスは、確実にその本数を増やしている。本人は「パスミスが何本かあった」と不満を口にしたが、昨年までの清水になかったものをチームに与えていることは間違いない。
チームとしては、「前半は少しラインが下がりすぎた。本田が相手のシャドー(マルシオ リシャルデスや河原和寿)に引っ張られてしまう傾向があった」(長谷川監督)という課題が出た。新潟のトップ下が前に上がったとき、DFラインとの受け渡しがスムーズにいかず、本田拓也が引っ張られてバイタルエリアにスペースができてしまう。そうなると、そこでボールをつながれて、DFラインもズルズルと下がらざるをえないという状況になった。
だが、それはハーフタイムである程度修正することができ、大きな問題にはならないことも確認できた。また、バイタルエリアにクサビのボールを入れられる回数は増えたが、その際にボスナーが鋭い出足で厳しいつぶしを見せ、ゴール前でも頼もしい守りを見せたことも収穫のひとつと言える。
前半はお互いにシュートが少ない(清水4本、新潟3本)展開になったが、岡崎と太田宏介が入った後半は、立ち上がりから清水の攻撃が機能する。2つのゴールは、どちらも早いパス回しで兵働昭弘がサイドに展開したところから生まれた。3分の先制点は、太田の左クロスからこぼれ球を兵働がシュートし、そのこぼれをヨンセンが押しこんだ形。16分の2点目は、右へのサイドチェンジから藤本淳吾がポストに当たるミドルシュートを放ち、そのこぼれをつないで、もう一度藤本が狙ったミドルは「理想的な弾道」(藤本)を描いてゴール左上に決まった。
サイドをうまく使った攻撃をする、クロスやラストパスの精度を上げるといった部分は、目下の攻撃での大きなテーマになっているだけに、手応えのある2得点となった。また、兵働と藤本が調子を上げ、持ち味をしっかりと発揮したことも明るい材料だ。
終盤は、疲労により中盤が間延びする時間帯もあったが、小野に代わってベテラン伊東輝悦が入ったことでバランスが回復。野球で言えばクローザーの役割をきっちりと果たした。右FWに入った辻尾真二も、スピードを生かした果敢な突破でスタジアムを沸かせ、カウンターで追加点を狙う切り込み隊長として大いにアピール。後半のオプションも、いくつか垣間見えたゲームとなった。
一方、新潟のほうは、全体的に清水よりも少し身体の重さが感じられたこともあり、清水ほど納得のいくゲームはできなかった。とくに攻撃では、「前の選手がいつもより停滞気味というか、運動量も少なかった」(黒崎監督)という面や、マルシオ リシャルデスが大事をとって前半28分で交代したこともあって、流動性や迫力が不足していたことは否めない。
守備に関しても、球際などところどころで新潟らしい粘り強さは見せたものの、「もう少しチームとして組織的に守りたかった」(永田充)という状況。セカンドボールを確保することや誰かが抜かれた時のカバーといった面では課題を残した。ここから開幕(3/6 vs川崎F@等々力)に向けて、どれだけコンディションを高め、全体のバランスを整えていけるかが注目される。
清水のほうも、開幕の広島戦(3/6 vs広島@広島ビ)に向けて、あとはどれだけコンディションを整えられるかが最大のテーマ。少なくとも、「やるべきことは1つずつやってきたつもりなので、あとは開幕戦でみんなが良いパフォーマンスを見せられるように1週間準備していきたい」(長谷川監督)と自信を持って言えるだけのプレシーズンマッチができたことは間違いない。
以上
2010.03.01 Reported by 前島芳雄















