2月28日(日) 2002FIFAワールドカップTM記念事業 大分スポーツ公園サッカーフェスティバル
大分 2 - 2 札幌 (14:03/九石ド/7,101人)
得点者:60'石川直樹(札幌)、 68'チェジョンハン(大分)、71'チェ ジョンハン(大分)、75'近藤祐介(札幌)
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「メンバーがまだ揃っていないということを考えれば、悪い試合ではなかった」と大分の菊地直哉が振り返る。札幌にしてもセンターバックに負傷離脱が重なっていたり、メンバーをまだ完全に固定しきれていない部分もある。そうした中で、J1復帰を目指すチーム同士が開幕1週間前に2−2のスコアで引き分けたというのは、互いに手応えと課題を明確にする意味でも、非常に意義のあるスパーリングになったと言っていいだろう。
前半は互いにバタバタとした立ち上がりになりながらも、札幌が主導権を握る形となった。今季の札幌はビルドアップ時に守備的MFが最終ラインに加わって展開をするというプレーも織り交ぜているのだが、大分がリトリートをしながらボールの奪いどころを探すという守備スタイルだったため、ビルドアップ時にそれほど強いプレッシャーを受けることがなかった。そこで上里一将、宮澤裕樹といったパスセンスのあるMFが前を向いてパスの配球をすることができていたため、有効な組み立てができていたのだ。
ただし、ミッドフィールドでは大分も簡単にはプレーをさせない。チェ・ジョンハン、森島康仁の2トップがMF陣と連動してボール保持者を一気に囲い込み、ターンオーバーを狙う。札幌がイージーなパス、トラップのミスをして大分にカウンターを受ける場面が何度もあったが、ミスを誘ったのは大分の組織的なプレッシングである。札幌がミスをしたと言ってしまうのは簡単だが、やはりサッカーというのは相手のあるスポーツ。ミスにも、理由はある。
そこで今度は大分の攻撃についても見ていきたいのだが、そのスタイルは奪ったボールをシンプルに縦へと運ぶというもの。その意思統一がなされており、いい形でボールを奪った際のカウンターには迫力があった。ただし一方で、シンプルにボールを前へ運ぶという意識が強すぎたためか、相手守備陣に読まれやすい安易なプレー選択をしてしまう場面が何度も見られた。意思統一をしていく中でも、プレーのバリエーションを増やしていくことが開幕までの課題になりそうだ。
ゲームはそうして互いの長所、短所を見せながら進んでいくのだが、ここで強いインパクトを示したのが大分のFWチェだ。CKから石川直樹のヘッドで札幌が1−0とリードして進んだ68分、チェは抜群の身のこなしで相手DFラインの裏へ抜け出すとGKの動きをしっかりと見て右足で冷静にゲット。3分後には小手川宏基の蹴った絶妙なFKに頭で触れて2点目も決めてみせた。それ以外にも巧みなボールタッチで相手DFを翻弄するなど、その高い技術を存分に発揮していた。ディフェンス面やフィジカル面での課題はまだ残るものの、リーグを代表するアタッカーになる可能性を充分に秘めた選手だと言える。
試合は75分に近藤祐介が得点し札幌が2−2のタイスコアに持ち込んだのだが、札幌に関してはビルドアップの精度が高まったという収穫がある一方で、課題も露呈した印象だ。まずは新加入選手のいるFWの、守備面での連係が取れておらず相手にビルドアップを簡単にやらせてしまっていること。そして、もうひとつは後方の守備だ。チェに奪われた1失点目がいい例になるのだが、札幌は全体をコンパクトにして守るためにDFラインを積極的に押し上げる。そのため、背後にスペースを生む場面というのはどうしても多くなり、そこでポジショニングのミスが出てしまうと一気にピンチにつながってしまう。この日、センターバックに入った石川と西嶋弘之はカバーリングの上手い選手ではあるが、中盤での守備が甘く、自由にパスを蹴らせてしまうと彼らにかかる負担は高まり、同時に失点リスクも高まる。ここについては、思い切ってラインを下げてしまうというセーフティな選択肢もあるだろうが、その場合はチームコンセプトである「攻守の切り替え」の部分に影響が出てしまうため、難しいところだ。
とはいえ、課題が改善されようとされまいと、時間は進む。リーグ戦を戦いながら課題を克服していくのか。それとも、妥協点を見つけて現実的な戦術をより織り込んでいくのか。上位進出を目標に掲げる双方の、今後のマネジメントには注目したい。
大分は3月7日に柏(@柏)と、札幌も同日に鳥栖(@ベアスタ)と、ともにアウェイでシーズン開幕を迎える。
以上
2010.03.01 Reported by 斉藤宏則
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