北九州市門司区新門司。大阪や東京とを結ぶフェリーターミナルが近くにあり、物流倉庫が建ち並ぶ。往来する車の多くがコンテナを積んだトレーラーだという典型的な臨海産業地区だ。ここにギラヴァンツ北九州の練習場の一つ、新門司球技場がある。
前置きが長くってしまいそうなので遮るが、何が言いたいかというと、この球技場はとにかく海が近く、かなり開けた場所にあるのだ。だからひとたび天気が荒れると猛烈な海風が容赦なく襲いかかってくる。クラブハウスはあるもののグラウンドには雨風をしのげる場所がないので「3月だから」などと高をくくって見に行くと痛い目にあってしまう。そう、この日の私のように。
3月4日のこと。午前9時に小倉北区にある家を出たときは日差しが届きそうなほどの天候だった。早朝から降り出した雨は、雨男の私にも情けを掛けてくれたようで天気は晴れへと向かいつつあった。…と思ったのもつかの間、門司区に入ったころから天気は急変し、ものすごい風が吹き付け始めた。
このとき球技場から直線距離で約5キロの海上にある北九州空港のアメダスは、気温8度、風速14メートルを観測していたという。
球技場に着くともちろん「寒いですね」「3月だと思って油断してましたよ」という会話が飛び交う。ダウンジャケットなど意味のない寒さ。手に持ったペンをそのまま落としてしまうほど手もかじかむ。桜の開花は今年も早いと予想されているのに。九州だというのに。私のような新参者の取材者にとって、海が近いとはいえ、ここまで風をもろに受けるのかと、かなり面食らってしまった。ところが取材のベテランは違うようで、何年も前から追っかけているアナウンサーは耳当てをバッグから取り出して、凍てつく風をしのいでいた。3月の新門司は油断してはならないということだ。
写真はコーナーフラッグ。もう倒れそう&ちぎれそう。こんな風だから浮き球は戻されるし、転がるボールも勢いがついて練習は大変そう。寒いのでケガも心配。私としてはノートがよれよれで大変。選手の声も風に飛んでいってしまって聞き取れない。メガネは雨粒で濡れ、景色がきれいに滲む。新門司の洗礼である。
とはいえ開幕間近の選手には緊張感がみなぎっていて、風や寒さなど関係がない様子。伊藤琢矢選手にいたっては「寒くないですか?」とにっこり笑顔を向けるではないか。そんなおこがましい。明らかに選手より暖かい服を着ている記者に対してなんて優しいんだ。相変わらず外気は寒いけれど、ちょっと(かなり)ほっこりできました。
さて、開幕まであとわずか。選手たちにとっては、開幕イレブンに名を連ねられるか、最後の駆け引きが続く。開幕戦の相手は横浜FC(3/7@ニッパ球)。古巣との対戦となる長谷川太郎選手は「開幕戦に出られるようアピールしている」と先発出場に意欲を燃やす。重光貴葵選手は「準備は整ってきている」と話していたが、「(メンバーは)監督が決めること」とちょっと言葉を濁した。重光選手は市内小倉南区出身。中学時代の同級生に聞くと「あいつは昔から足が速かった」らしいが、スピードに乗ったオーバーラップは彼の魅力。ファンも多いだけにぜひ結果を残してほしいと思う。
与那城ジョージ監督が「思い切り当たるだけ」と語る開幕戦へ。ギラヴァンツ北九州初陣。みんなの力で選手たちを応援しましょう。
(そして私ももちろん行く横浜の7日の天気予報は、雨。雨男本領発揮)
あ。「大荒れの新門司球技場」というタイトルにしましたが、「今季を象徴するかのような」という前置が付かないように、一歩ずつ、一戦一戦、ともに頑張りましょうね。
九州のほかの4クラブには絶対に勝ち、中四国の3クラブにも絶対に勝ちましょう。これで14勝。あとは一部から聞こえてくる「イエローダービー」もものにしましょう。また、“北”関東についても、“北”九州のメンツにかけて勝ちたいと思います。これで何勝?
J2日記では通常のリポートでは伝えきれない選手たちの魅力や、サッカーのおもしろさを書いていきます。ギラヴァンツ北九州と同じように私も今年は試行錯誤のよちよち歩きですが、なんとかお付き合いくださいね。よろしくお願いいたします。
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2010.03.05 Reported by 上田真之介















