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【J2:第4節 大分 vs 栃木】レポート:今季初勝利で進むべき道を示した栃木。不透明な戦術で課題を残した大分。(10.03.29)

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3月28日(日) 2010 J2リーグ戦 第4節
大分 1 - 4 栃木 (13:03/大銀ド/10,287人)
得点者:12' リカルドロボ(栃木)、28' 赤井秀行(栃木)、55' リカルドロボ(栃木)、73' 東慶悟(大分)、76' 杉本真(栃木)
スカパー!再放送 Ch181 3/29(月)12:30〜(解説:増田忠俊、実況:後庵継丸、リポーター:岡村麻衣)
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結論から言うと、「選手がやるべきことをやった」と指揮官が振り返ったように、この日の栃木は戦術がピタリとハマり会心の試合であった。3節を終えて未勝利だったチームは今季初勝利。しかも、ここまでオウンゴールでの得点だけであったチームが、J2に参入して初となる4得点を記録しての勝利である。
指揮官の意図は明確であった。大分の攻撃のシグナルとなる森島康仁へのロングパスに対し「セカンドボールを拾うこと」。攻撃はDFラインの裏の空いたスペースと「サイドを使うこと」。すべて基本的なことだが、戦い方にブレはなく、「選手は完璧に仕事を全うした」。

試合は序盤から栃木が持ち味のアグレッシブな守備でペースを掴む。特にダブルボランチは「彼らの頑張りなくして、このゲームはなかった」と松田浩監督が殊勲者として挙げるほど出色な出来であった。ともに30歳を越えるベテランは、読みと豊富な運動量で面白いようにセカンドボールを拾い、そこから流れるような攻撃でリズムをつくった。12分には、ボール奪取した米山篤志の1本の縦パスにリカルド・ロボが反応し、きっちりコースを狙い先制。勢いづいた栃木は28分に、果敢にオーバーラップした赤井秀行が、サイドライン際から30mを越すスーパーゴールで追加点を奪った。

大分は、両サイドの攻撃的MFに入ったキム・ボギョン、東慶悟がポジションチェンジを繰り返し、高い個人技で反撃。しかし、「相手の前線からのプレスに対応できなかった」(キム)、「中盤と前線の距離が遠すぎた。みんな考えていることがバラバラで間延びした」(東)など、チームでの連動した攻撃という面で、迫力を著しく欠いた。
また、「次の1点が勝負」と皇甫官監督が送り出した後半、東をトップ下に置く攻撃的布陣に変更するも、栃木の優位は試合全般を通じて続いた。55分にはリカルドに、この日2点目となるゴールを決められ傷口は広がった。東が73分にFKを直接決めるが、その3分後には3失点目と同じようにサイドからのクロスを頭で合わせられ勝負あり。「長いシーズンのなかでこんな試合もある」と指揮官は開き直るしかなかった。

開幕から4試合で、高いチームの完成度を求めるのは酷というものだろう。しかし、あまりにも無策で、やりたいサッカーが見えてこない。栃木の前線からのアグレッシブな守備と、サイドからの揺さぶり、DFラインの裏を狙ったのカウンターは分かっていたことだ。「前からのプレッシャーに耐え切れず、ロングボールを放り込むだけになった。自分たちのサッカーを打ち出す必要がある」、「全員が共通意識を持てていない」と、試合後に選手の口から出たのは迷いの言葉ばかり。次節以降は、可能性を感じさせる何らかの方向性だけでも見せてほしい。一方、栃木は指揮官の理想とするアグレッシブなサッカーを展開し、攻守ともに充実のパフォーマンスを見せた。いまだ進化の途中ではあるが、今季初勝利は、栃木が進むべき道を示した1勝だったと言えるのではないか。

以上

2010.03.29 Reported by 柚野真也
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