3月31日(水)AFCチャンピオンズリーグ2010 メルボルン vs 川崎F(17:30KICK OFF/エティハド)
試合速報 | ホームゲームチケット情報 | 決勝戦は11月13日(土)に国立競技場で開催!
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どうにも川崎Fには運がなかった。まずは9時間半の予定だったフライトが、シドニー空港の混雑により上空で20分ほど待機して遅延。さらにシドニーからメルボルンへと移動する便が、機体の問題により出発自体が1時間ほども遅れた。タダでさえ厳しい旅程は、さらにその厳しさを増す事となった。メルボルン到着後にも誤算が発生。初日に練習を行ったEpping Soccer Stadiumへの移動に際し、その所要時間が当初予定されていた30分を大幅に上回る70分にもなってしまったのである。まさに踏んだり蹴ったりとなってしまった。出発からホテル到着まで20時間を超える移動に、ヨーロッパでもこれほどの経験はないと話す稲本潤一は、練習後にさすがに「ちょっと体が重かったですね」と苦笑いしていた。
香港を経由していたという点で同一視すべきではないのかもしれないが、等々力を訪れたメルボルンが体力的な問題を露呈していたという事実が脳裏をかすめる出来事の連続だったと言える。
もちろん川崎Fの選手たちはそうした難しさを始めから覚悟して、この大会に立ち向かっている。「体はキレキレです」と話しながら、トラップしたボールを自らの顔面に当てた恥ずかしさを隠していた小宮山尊信の「キレキレです」という言葉はもしかしたら、川崎Fの選手たち全てがどこかに持つ強がりな一面かもしれない。ただ、そうやって厳しさを覚悟していたとしても、精神力でカバーできる範囲にも限界があるのも事実であろう。いずれにせよ当初から難しいと思われていた試合が、移動の件もあり、さらに難しくなったのは間違いない。そしてそうした中で迎えるこのメルボルン戦は、まさに今季の川崎FのAFCチャンピオンズリーグの鍵を握る戦いとなる。
ACL初戦から2連敗でスタートした川崎Fは、前節のメルボルン戦で初勝利。その直前に行われた横浜FM戦での0-4という大敗を払拭した。まだ1勝で勝点は3点にとどまっているが、このメルボルン戦で勝点を上積みできればグループリーグ突破条件の2位以内獲得に向けて大きく可能性を広げることとなる。というのも3連勝の城南が勝点を9に伸ばす一方、今節、その城南と再び対戦する北京は勝点6で足ぶみしているからである。
大事な一戦に臨む川崎Fにとっての懸念材料は、冒頭に記した通りコンディションになるが、それと共に、退場によって出場停止処分を受けている鄭大世の穴をどのように埋めるのか、気になるところである。高畠勉監督は土曜日に行われた清水戦で、試合終盤に鄭大世をベンチに下げ、黒津勝をトップの真ん中に据えるシステムを試している。黒津は鄭大世とは全くタイプの違う選手ではあるが、ポストプレーヤーとしての役回りを黒津に託しているのだとすれば、その起用がこの試合を左右するポイントになるだろう。またこの遠征では、清水戦で先発フル出場した寺田周平が外れており、その穴を誰が埋め、CBのコンビが組まれるのか、注目されるところだ。
ここまでグループリーグ3連敗中のメルボルンは、さすがにホームで一矢を報いたい気持ちが強いはず。そうした観点で前回の等々力での対戦を振り返ると、メルボルンは左サイドのてこ入れが必須であろう。その中でも特に左サイドバックの19番バーガーとCBの12番のバルガスが明確な穴となっていた。そうした問題が見られた中、メリック監督が疲労を原因に先発を回避させていたキャプテンのCBマスカットにコンディションの問題がないのはプラスになるだろう。
そもそもメリック監督は相手チームに合わせた戦術を取ることで有名である。ラインコントロールを旨とする川崎Fにとっては、ロングボールを多用してくる相手は基本的に嫌なものである。また前回の対戦でメルボルンは中盤をつなごうとする意識の高さが見てとれていたが、それが川崎Fに有利な方向で合致していたという事もあった。だからこそ、メルボルンがコンビネーションサッカーから蹴り込み型のサッカーにシフトするとしたら、川崎Fにとっては難しい戦いになりそうである。
先日の等々力での対戦では、トップの9番ムルジャが目立つ動きを見せていた。彼はセントラルコーストマリナーズの一員としても川崎Fとの対戦経験を持っており、そうした意味でも雪辱したい気持ちは強いだろう。またトップ下に入っていた16番のカルロス・エルナンデスも南米仕込みのテクニックを見せており警戒が必要である。
いずれにしても、前回の等々力での対戦に関しては、川崎Fの選手やサポーターは一度そのイメージを完全にリセットし、一切の慢心を排して試合に臨んでほしいと思う。手負いのメルボルンが一矢を報いるべく、牙を研いでいるのは確実だからである。だからこそ、この試合は確実にタフな物になるだろう。そんな中でもしっかりと勝ちきる強さを見せてほしいと思う。
なお、ACLではグループリーグで2枚の警告を受けると、次節は自動的に出場停止になる。この試合に勝利したとしても第5節のホームでの城南戦に出場できなければグループリーグ突破はおぼつかない。激しさと自制心とを同時に持って、厳しい試合を期待したいと思う。
以上
2010.03.30 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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