★ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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リーグ戦未勝利の新潟は、このホーム戦で白星を挙げて上昇のきっかけにしたい。刺激策の1つとして、右サイドバックで木暮郁哉がスタメン出場する可能性が出てきた。プロ入り3年目、今季MFからサイドバックに転向した若手がチームの起爆剤になる。
仙台はリーグ戦の勢いに乗じてヤマザキナビスコカップに乗り込む。リーグ戦第4節はアウェイでG大阪と引き分けた。着実に勝点を拾うしぶとさで、カップ戦初戦の白星を狙う。
アクシデントは一見、ピンチ。だが、若手の台頭を促す材料にもなる。29日、新潟のチーム練習に、不動の右サイドバックで精神的支柱の内田潤が不在だった。27日のリーグ戦第4節湘南戦で足を故障。痛みが引かずにトレーニングを回避した。31日の仙台戦、中2日で4月3日はリーグ戦第5節大宮戦と、どちらもホームながら試合間隔が短い。その中で強行出場は微妙。そんな状況で木暮にチャンスが巡ってきた。
リーグ戦では第3節G大阪戦、第4節湘南戦とベンチ入りを果たした。「サイドバックをやり始めたばかりで、こんなに早くベンチ入りできるとは思っていなかった」と、戦力として計算されたことを素直に喜んだ。同時に「試合に出たくなった」とモチベーションも高まった。
2月の高知キャンプで、黒崎久志監督からサイドバックへのコンバートを打診された。それまではボランチ、サイドハーフをこなしていた。やわらかいボールさばきと、速さと正確さがあるキックは首脳陣も高く評価。サイドバック転向も攻撃力を買われてのもの。「守備を大切にしつつ、動き的には中盤のようにプレーしてもらいたい」。黒崎監督はキャンプ時から期待をかけてきた。
地力はついている。昨季は故障が続いて、リーグ戦の出場は3試合にとどまった。ルーキーイヤーだった一昨年の12試合から大幅に減った。故障をしない体を作るため、日暮清ヘッドトレーナーの下、リハビリを兼ねて体幹のトレーニングに取り組んだ。今季はキャンプから故障はない。「日暮さんには『今度おまえがリハビリに来たら、料金をもらうぞ』って言われているんです」と笑う。体の強さには、トレーナーの手をわずらわせない自信がついた。
新潟はリーグ戦4試合で2分け2敗。攻撃の形を作りつつも、得点が取れない状況が続く。新戦力の台頭は重苦しい空気を取り除く。木暮のサイドバックでの出場が実現し、結果が伴えば、停滞ムードは上昇へと一変する。
新潟とは対照的に仙台は好調を維持している。前節はG大阪を相手に2-2。リードされながらもロスタイムにPKで追いつくしぶとさをみせた。シュート数は13対11で相手を上回った。1-2で敗れはしたが、第3節京都戦でも19本のシュートを放っている。
フェルナンジーニョ、梁勇基を軸にした攻撃は隙を突いてゴール前に一気に詰めるスピードがある。セットプレーも、ジャンプ力のある中原貴之らを中心に相手にプレッシャーを与える。何より90分間ゴールを狙い続ける姿勢を貫いていることが好調の要因だ。
両者の対戦は2003年12月の天皇杯以来。この一戦の結果は、今後のヤマザキナビスコカップ、リーグ戦での対決にも影響を与える。
以上
2010.03.30 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)













