4月4日(日) 2010 J2リーグ戦 第5節
柏 1 - 0 水戸 (16:04/柏/7,274人)
得点者:90' 大津祐樹(柏)
スカパー!再放送 Ch181 4/5(月)13:00〜(解説:遠藤雅大、実況:中村義昭、リポーター:川上直子)
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開幕から4試合を終えた時点でいまだ負けなしの両チームの対戦は、89分を回った時点で0−0。このまま互いに無敗を継続するかと思われた。だが、レアンドロ・ドミンゲス、澤昌克、大津祐樹、この3人の高いスキルとインスピレーションがシンクロし、最後の最後で水戸の強固な守備の壁をこじ開けた。
柏は前節までの4‐2‐3‐1から4‐4‐2へシステムを変え、中盤の並びをボックス型にして、サイドに生じたスペースには両サイドバックがオーバーラップを仕掛ける。攻撃の4人とサイドバックでポゼッションを高め、時間の経過とともにジワリジワリと押し込むと、この試合で初スタメンとなった若い2トップ、工藤壮人、林陵平が積極的なシュートへの意識を見せた。
対する水戸も3ラインのコンパクトな陣形から、狭いゾーンの中で柏のパス回しにプレスで応戦した。できるだけラインを高く設定し、相手のゴールに近い位置でボールを奪おうという意識が感じられ、押し込まれ、幾度かピンチを迎えてもGK本間幸司のファインセーブやDF陣の粘り強い守備で耐える。42分には狙い通りのカウンターからに、大橋正博のクロスに吉原宏太がゴール前へ飛び込むなど、惜しい場面も作り上げた。「攻められる時もありましたけど、やっていける」と木山隆之監督も手応えを掴んだ前半だった。
そんな両者の図式に大きな変化が訪れたのは前半終了間際。水戸DF大和田真史の澤へのタックルがファウルとなり、これに一発レッドの判定が下された。水戸は常盤聡に代えて中村英之を投入、すぐさま4‐4‐1へシフトチェンジする。ハーフタイムに木山監督は「後半はスペースを埋めて0に抑え、カウンターで効果的に一発を狙うという」と指示を出し、水戸には防戦が強いられた。
こうなるとボールポゼッションでは圧倒的に柏が上回るが、ほとんどの選手たちが「相手が10人になって崩すのが難しくなった」と話していたように、水戸が作り上げたゴール前の密集地帯にはスペースがなく、その攻略に手を焼いた。大谷秀和、栗澤僚一がピッチ全体にボールを供給し、ボールを動かしながら、水戸の陣形を揺さぶり、右の小林祐三、左の橋本和と両サイドバックのオーバーラップ、バイタルエリアでのレアンドロ・ドミンゲス、澤のダイレクトプレーや巧みなターン、そして60分にはドリブルで局面を打開できる大津を投入するなど、守備の壁をこじ開けるべく、様々な手を尽くした。
71分にはレアンドロ・ドミンゲスが、大津とのワンツーからDFラインの背後へ抜け出しシュートを放つ。75分は澤が左足インスウィングのコントロールシュート。そして79分にも澤のセンタリングにゴール前へ飛び込んだ大津がスライディングシュートでゴールを狙うなど決定機を作り出したが、いずれも水戸DF陣が体を寄せていたためにシュートは枠を逸れるか、GK本間のファインセーブに阻まれた。
そしてロスタイム表示が出されようとしていた90分、大谷の縦パスを受けたレアンドロ・ドミンゲスが、澤とのダイレクトパス交換からDFラインを突破。だが、ここでも水戸のマーカー2人が喰らいつき、レアンドロ・ドミンゲスのシュートを伸ばした足先で食い止めた。このコースが変わったボールに対し、素早く反応した澤はオーバーヘッドキック気味のパスでゴール前へ流す。「澤君がパスを出してくれると信じていた」と、ゴール前のわずかなスペースに顔を出したのは大津。澤からの浮き球パスを胸でトラップすると、倒れ込みながらのボレーシュートを流し込み、チームを3連勝に導く決勝弾を挙げた。
目前に迫った勝点が手元からすり抜けた形の水戸だが、1人少なくなった後の守備陣の粘り強さもさることながら、前半に見せた戦い方に関しては収穫を見せたと言っていいだろう。「マイボールを展開することは去年よりストロングだが、まだ得点だとか前の崩しに繋げていないのが現状。でも、しっかりボールを持てる可能性がある」と木山監督の分析通り、あとは攻撃の形をいかにして見出すかが今後の課題になるだろうか。
そして柏。フランサ不在による「決定力不足」を指摘されながらも、しぶとくゲーム終盤にゴール挙げ、3連勝で首位浮上となった。苦しくても勝ち切る「勝負強さ」をチーム全体で見せており、4試合連続無失点の守備とポゼッションスタイルという戦い方も固まりつつある。まだまだ厳しい試合が続くが、柏がチームとしてどう成長していくのかに注目したい。
以上
2010.04.05 Reported by 鈴木潤













