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【J1:第5節 川崎F vs F東京】川崎F側レポート:鄭大世の禊の2発で決着。現実路線の川崎Fが、F東京を下す。(10.04.05)

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4月4日(日) 2010 J1リーグ戦 第5節
川崎F 2 - 1 F東京 (16:03/等々力/22,199人)
得点者:21' 鄭大世(川崎F)、61' 鄭大世(川崎F)、90'+2 今野泰幸(F東京)
スカパー!再放送 Ch181 4/6(火)08:00〜(解説:前田秀樹、実況:下田恒幸、リポーター:高木聖佳、リポーター:日々野真理)
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試合を振り返る稲本潤一の言葉の中に、この試合の勝敗を分けたポイントが隠されていた。稲本は「最後に足が止まった。そこで相手が攻めてきた中で、受ける形は出来ていたと思う。すごく省エネでやれたと思います」と話している。そしてカウンターを織り交ぜた攻撃も可能だったと付け加えていた。

オーストラリア遠征直後の川崎Fにとって、この試合はコンディション面で困難な試合になる事は容易に想像出来ていた。そんな中「省エネなサッカー」が出来ていたのは簡単なことである。先制点、そして追加点を奪えていたからだった。

そもそもこの試合のポイントは、遠征を回避した選手の出来にあった。そしてその中でも特に、退場処分によってオーストラリアでのメルボルン戦が出場停止になっていた鄭大世の働きは重要だった。オーストラリアへの行き帰りの移動だけで1日ずつを消費し、現地で90分間のタフな試合をこなしていた川崎Fにとって、心ならずも体調万全となった鄭大世のできは試合の行方を左右するものだった。そして期待を受ける中、その鄭大世が結果を出した。

いわゆる「殴り合い」で試合が進む中、先手を取ったのはホームの川崎Fだった。前半21分に左のスペースに走り込んだ黒津勝から中央へとマイナスのクロスが入る。これがニアポストのディフェンダーの頭をかすめ、鄭大世の元へ。

「あまりボクはマイナスのところに位置する事はないんですが、それを見ててくれたクロさんに感謝したいです」とまずチームメイトへの謝意を口にした鄭大世は、スペースがあったことで楽に蹴れたと自らの得点を振り返る。

1点を失ったF東京は、その直後に羽生直剛がポスト直撃のミドルシュートを放ち、川崎F攻略の手を強める。今季の川崎Fは、中盤を稲本を中心とした3枚の選手で編成。全体をコンパクトに維持し、前線と最終ラインとの距離を短くしてスペースを消す戦いを作ってきた。しかし、オーストラリア遠征を終えたばかりの川崎Fは、体力的な理由から目指す戦いが難しい状況に。そしてそこに同点に追いつきたいF東京の思いが重なる。

「FC東京さんが点を取りに来た時、受けて立つような形になってその横のスペース(稲本の両サイド)を使われ出した」と話す高畠監督は、あらゆる状況を勘案し、現実的な戦いを選択する。

「疲労のこともあったので、早めにブロックを作ってしのいでカウンターで追加点を狙おうということにしました」

正確な時間は分からないが、少なくとも前半35分前後頃から川崎Fは谷口博之を一列下げて稲本と並べ、さらに黒津勝を1枚下げて田坂祐介と共にサイドハーフのポジションを与える。そしてこれにより、川崎Fは守備ありきの戦いへとシフトする。そしてこれがハマる。

F東京は割り切った川崎Fの守備ブロックを崩すべくボールを回し続ける。しかし城福監督が「前半に関しては僕はボール何個分かの精度というのは、足りなかった」と述べるように、簡単なミスが連続した。それがこの試合の全てではないが、それでもこの試合結果をもたらす大きな要素となる。

1点という際どいリードは、後半61分の鄭大世の直接FKで、さらに際どい2点差となる。川崎Fにしてみれば無理をする必要は全くない。彼らが目指すスタイルとは違っているが「2点のリード」という事実が、そしてオーストラリア遠征直後というフィジカル面の問題が4−4−2での戦いを正当化し、狙い通りの試合展開を作り出す。

両チームのシュート数は、前半6本の川崎Fに対し、F東京が8本と上回っていた。しかし、F東京がより攻撃的になったはずの後半は、そのF東京のシュートが4本にとどまる一方、川崎Fのそれは11本に上っていた。いかに川崎Fが効果的にカウンターを打ち続けていたのかがわかる数字だろうと思う。

おそらくは、コンディション面を考えればF東京にとっては「勝たなければならない」という重荷を背負った試合だったのだろう。だからこそ、肩に必要以上の力が入ってしまったのかもしれない。そして川崎Fの現実的な戦いを前に「なんとなく」試合を支配しているような戦いを続ける。しかし、川崎Fは自らのゴール前という危険な地域でしっかりとフタをしてF東京に付け入る隙を与えなかった。

川崎Fにしてみれば、後半ロスタイムの1失点は余分だった。しかしそれ意外の部分でいえば、結果論ではあるが完璧な試合運びが出来ていた。オーストラリア帰りの川崎Fが、今季ここまでのところでのベストゲームとも言える試合内容で、第17回多摩川クラシコを勝利で終えている。

以上

2010.04.05 Reported by 江藤高志
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