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「京都は最下位に沈んでいるようなチームではない。実力的には、もっと上にいてしかるべきだ」。この言葉を発したのは、京都の秋田豊新監督でも柳沢敦でもない。発言の主は広島・ペトロヴィッチ監督であり、さらに同様の意味の言葉を森崎浩司も語る。広島の京都に対する警戒心は、半端ではない。「我々がこれから上位を闘っていけるかどうか、それを測る重要な試験が京都戦だ」とまで、ペトロヴィッチ監督は指摘しているのだ。
それほどまでに警戒心を強めるのには、理由がある。それはかつて「広島が京都に入れ替え戦で敗れたから」などという「因縁」が要因ではない。
「京都のやり方は、まず自陣で守備を固めること。攻撃にかける人数は少ないが、それでも彼らはシュートまで持っていける。そういうことができるタレントが存在するからだ。特に前線の3人、ディエゴ・柳沢敦・ドゥトラは、経験もあるし個々の能力が高い。彼らにプラスして、右サイドの渡邉大剛もクオリティを持っている。そんなチームを相手にするのは、決して簡単なことではない。実際彼らは、G大阪とも引き分け、川崎Fも後半ロスタイムまで苦しめている。前節の浦和戦にしても、2点目が入るまではいい闘いを見せていた」。
今季の広島は、守備的なチームに対する戦績が良くない。ACLや鹿島や名古屋などの強豪との闘いでは自分たちの良さを発揮できるが、相手に守備を固められた時に、そこをコンビネーションで崩せない。昨年まではそこをロングパスで打開していたのだが、今季はストヤノフや青山敏弘といった長距離パスの出し手が故障で試合に出られないことが多かったため、一瞬で局面を変えることも難しい。
さらに厳しい状況に立つチームと対戦した時の苦戦が目につく。第5節の山形、第8節の新潟、共にそれまでリーグ戦の勝利がないチームだった。当然、彼らは勝利をつかもうと必死の想いをピッチで表現する。その気迫をまともに受けて広島は自分たちのサッカーを見失い、山形には敗戦、新潟にはロスタイムに生まれた山岸智の同点弾までリードを許す厳しい展開となった。前節の仙台戦でも9試合勝ちなしと苦闘中の彼らに先制を許し、オウンゴールで追いついたものの逆転弾を叩き込むことはできなかった。
京都はここまで11試合勝利がなく、第13節以来3連敗。前節から加藤久監督が退き、秋田豊コーチが監督に昇格して指揮をとるなど、チームに激震が続いている。秋田新監督初采配となった対浦和戦(この時はまだ秋田「コーチ」だったが)も0−4と大敗するなど、光明がなかなか見いだせない。
だからこそ、彼らは勝利を強く強く、欲している。浦和戦から中3日ということもあり、チームの戦術を大きく変える時間はない。しかし、コーチ時代から若い選手たちの相談役となり、精神的な支柱となっていた秋田監督が選手たちの心を一つにするためであれば、中3日という時間は短くない。気持ちの部分で相手を凌駕することが重要なのは、広島がC大阪戦大敗後の横浜FM戦で見せた最高のパフォーマンスが何よりも証明している。
広島にとって重要なのは、彼らの強い気持ちを上回る闘志を、試合開始から見せつけることだろう。「キックオフから相手に圧力をかけて、精神的に優位に立ちたい」と森崎浩は言う。「運動量をしっかりと増やし、自分たちの信念を貫いて、自信を持ってチームのサッカーを表現したい。僕らはアウェイでも貴重な勝点を奪ってきたわけだし、どんな相手でも自信を持って闘うこと。上位で闘うのは難しいことだけど、ここからしっかりと闘って上に行かないと、自分もチームもこれ以上高い場所にはいけない」。昨年の重度のオーバートレーニング症候群を患い、一時は死線をさまよった状況から見事な復活劇を遂げた背番号7は、精神面の重要性を強く説く。
広島はストヤノフがコンディションをあげ、青山も「状態は良くなってきた」(ペトロヴィッチ監督)。山岸や盛田剛平、森崎和など主力の離脱者は相変わらず多いが、横竹翔や丸谷拓也など若手の成長もある。一方京都も、川崎F戦から韓国代表経験もあるDF郭泰輝がベンチに戻ってきているし、何より新監督の存在がチームに活気を与えている。チーム状況は違うが、共に勝利を強く求めていることは変わりない。真夏の酷暑を吹き飛ばすほどの強烈な闘いが、広島ビッグアーチに待っているはずだ。
以上
2010.07.31 Reported by 中野和也













