7月31日(土) 2010 J2リーグ戦 第20節
甲府 0 - 1 東京V (18:34/小瀬/12,523人)
得点者:31' 平本一樹(東京V)
スカパー!再放送 Ch183 8/1(日)後01:30〜
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どんなに控えめに書いても傲慢になるが、「負ける悔しさを久しぶりに味わった」。後半の途中からは安全な記者席のテーブルの下で足を動かしてトラップしたりシュートしたりしていた。しかし、ピッチのアバターはゴールを決めることが出来なかった。試合後、パウリーニョは早々とバスに乗り込んで後ろの席の窓側に座って顔から愛嬌を消していたし、ハーフナー・マイクは「俺のせいで負けたって書いといて」とだけ言って、ずんずん歩いてバスに乗り込んだ。つまり、2人とも悔しく腹立たしいのだ。今日の夕方までには新しい皿を買い揃える必要があるかもしれない。
甲府も東京Vもお互いに素晴らしい内容のサッカーをやったという手応えはないだろうが、立ち上がりは甲府がゴールの雰囲気を漂わせていた。「どうぞ先制ゴールを決めてください」というように、序盤はCK祭りのようになったのに決まらなかった。20分には富澤清太郎がバックパスをスペースに出して、ハーフナーがGKと1対1になるチャンスまで先制点の神様はくれたがゴールネットとボールは仲が悪かった。
今週の甲府は縦パスが流行しているのか、やたらと縦パスが多かった。東京Vの守備が組織的ではなかったから縦パスが入ったが、その先にいる4バックとゴールポストはさすがに甘くなかった。ハーフナーや養父雄仁が縦パスをワンタッチでさばいたときは決定機に近づいたが、大抵の場合は縦パスを自陣の方向にトラップしていたし、ワンタッチで出せるパスコースにサポートがいなかった。東京Vに、あえて縦パスを入れさせて甲府の選手を誘い出して、それを奪ってカウンターという戦術があったのならものすごい。でも、相手のシュートをゴールポストが守ってくれるという戦術は聞いたことがないから、甲府の攻撃がいまひとつ単調で工夫が足りなかったということになる。いつもの流れなら、それでも1点が入って何とかなるのだが、今日は「何とかしてあげようの神様」は味方してくれなかった。初めて試合の日と誕生日が重なった東京VのDF・土屋征夫のほうが愛くるしかったのかもしれない。
カウンターの1対1の守備が下手な甲府が失点するなら「ディス・イズ・カウンター」という形になるかと思っていたが、ゴール前でちゃんとマークしているのに決勝ゴールを決められてしまった。甲府の左サイドから福田健介が上げたセンタリングを平本一樹にヘッドで入れられた。FW・ハーフナーが福田を必死にマークしてゴールラインまで下がっていたが、ドーハのカズ(三浦知良選手)の役を演じる羽目になってしまった。今シーズンをサイドバックからスタートした平本は「ボールがタッチラインを割りそうになって、(甲府の)ダニエルとGK(荒谷弘樹)が一瞬見合った。上手く詰められた。今シーズンはサイドバックで裏を取られる経験をしたから、その逆をやるいい勉強になっている」と怖い顔で機嫌よく話した。22本のシュートをゴールポストと一緒に守りきったディフェンス・リーダーの土屋は「『平本しかいない』と他のチームはわかっていても潰せない。素晴らしいと思う。あとは僕が(運を)持っている(笑)。いい自信になった」とニヤニヤして平本と自分を褒めた。
後半、甲府はCKが減った分、シュート13本と圧力を増した。53分には養父がタメを作ってパウリーニョを生かす場面を作ったし、61分にはCKからハーフナーのヘッドがファーサイドのポストに当たるなど決定機はあったが、運だけはなかった。ゴール裏の「We are KOFU」コールで小瀬は盛り上がり、終盤のパワープレーでは秋本倫孝とダニエルを上げる4-2-4で同点ゴールを狙った。しかし、85分に秋本のシュートがGKに当たってからポストに当たって、ゴールラインを割ったときには運に見放されたことを悟った。そして、ゴールキックになったときにはもっとそれを悟った。(柏なら同点に追いついていただろうが)負けたことは仕方がないし、大事なのは次の試合をどう戦うのかということ。これは東京Vも同じで、次節の柏戦(8/8@柏)に勝たないと甲府に勝った意味はゼロに等しくなるかもしれない。勝っても負けても、次の試合が大事。ただ、甲府は火種を残す敗戦となった。それはパウリーニョの評価。もう少し身体を張ってほしい場面はあるが、養父とのコンビネーションを見ればゴール前での能力の高さは明らか。でも、今は彼を活かせていない。杞憂だといいが、パウリーニョのチームではない以上、使い方を考えないと火種が燃え上がる可能性がある。
甲府は決定機を何度も作っているのだから5連敗したかのように落ち込む必要はない。ただ、焦りからミスが出たりイライラしたりするメンタリティは07年のJ1リーグ2年目と似ているような気がした。順位と勝点を見れば強いチームなんだから、もっと落ち着いて自信を持って勝者のメンタリティを発揮してほしい。大事なのは次の徳島戦(8/8@鳴門大塚)。自信を持って謙虚に戦おう。
以上
2010.08.01 Reported by 松尾潤
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