東京Vユースが、2005年以来5年ぶりに日本クラブユース選手権(U−18)大会で優勝を果たしました!
7月30日の準決勝に勝利し決勝進出が決まると、クラブのムードは一気に高まっていました。31日のJ2甲府戦(東京Vトップチーム)の試合現場でも、クラブスタッフからはトップチームのゲームとともに、ユースの決勝進出の話題があちこちから聞かれたほどです。当然、ユースの決勝にも社長、幹部、社員、各カテゴリーの監督・コーチ・スタッフなど、東京Vに携わる関係者が多数応援にかけつけていました。
その中には、川勝良一監督はじめ富澤清太郎選手、高橋祥平選手、本来ならばピッチに立っていてもおかしくない同年代の高木善朗選手など、東京Vユース出身のトップチーム選手たちの姿も見られました。
試合は、緊張もあってか「腰が引けていた」(楠瀬直木監督)ため、立ち上がりは自分たちのサッカーができず、柏レイソルU−18に先制されてしまいました。しかし、慌てることなくピッチ上の自分たちの判断で立て直すと、後半29分、小林祐希選手のゴールで同点に追いつき、その後は流れを一気に引き寄せました。しかし、チャンスは作りながらも、なかなかレイソルの守備を崩しきることができません。試合は延長戦へともつれこみました。そして、試合を決したのは、またしても小林選手のFK。待望の逆転ゴールが決まると、全員が集中して残り時間を守りきり、強敵・レイソルを2−1で下して優勝を決めたのでした。大会MVPには、2得点を挙げた小林選手が選ばれました。
ユースの優勝というニュースは、ここ数年ネガティブな出来事や報道が続いていた東京Vにとっては、久しぶりに舞い込んだ非常に明るい話題となりました。東京Vは、6月末をもって経営が新体制となり、新しい一歩を踏み出していますが、羽生英之新社長は就任会見の席で、「東京Vのストロングポイント(=育成組織)をハッキリさせたい。育成には才能のある子が集まっているのだから、もう一回チャレンジして、再び『日本で一番の組織』の地位を取り戻したい」と語っています。その意味でも、今、東京Vが最も重要だと位置付けている一つ、『育成組織』が、早速このような成果を挙げたことは、クラブの今後にとっても大きな価値のあることと言えるのではないでしょうか。
決勝戦を前に、南秀仁選手は「(経営問題などで)今、クラブにとって僕たち育成年代がとても重要な意味をもっていると思います。だから、日本一になって、少しでも“ヴェルディ”に注目が集まればいい。それで、トップチームにも良い影響を与えられればと思っています」と話していました。その思いが、少しずつでも叶えられてほしいなと、心から願っています。
とはいえ、まだまだ育成世代。「目指しているのは、この“決勝”ではなく、その先」という小林選手の言葉に代表されるように、この優勝で満足している選手は誰もいません。逆に、楠瀬監督は「負けたことで、レイソルや、F・マリノス、グランパスなどのほうが奮起して、良い選手が多く育ってしまうのかもしれない」と、勝つことの危険性すら感じているというほどです。また、明日から次のステップへのチャレンジが続きます。これからの成長も、大いに楽しみにしたいと思います。
7月31日(土)、トップチームの甲府戦初勝利。
8月1日(日)、ユースチームの日本クラブユース選手権大会優勝。
と、今週末は東京Vにとって明るいニュースの連続となりました。サポーターも、さぞや感無量の週末となったのではないでしょうか。
クラブの雰囲気をさらに高めてくれたユース選手たちの健闘に、改めて「ありがとう」。そして、「おめでとう!!」
<試合後の監督・選手コメント>*要約抜粋
●楠瀬直木監督
Q:就任初年度でいきなり優勝という結果について
「選手たちに助けられました。僕は特に目立ったことはしていません。ただラッキーでした。今の3年生は、僕で3人目の監督となるので、方向性に不安なところもありました。というのは、監督が代わることでやり方も変わるため、自分を見失いがちになる。なので、自分の得意なことをまずやって、持っている武器をみんながそれぞれ出し切ったところで、チームとして何ができるかに重点を置いて、就任からここまでやってきた。でも、今日はみんな元気よくやってくれて、相手のレイソルも良い選手が揃っていて、どっちが勝ってもおかしくない内容の中、ウチが勝たせてもらったという感じです」
Q:先制されましたが、ハーフタイムでの指示は?
「腰が引けてしまっていた。それでは何もできない。チャレンジして、あとは守備では今日出ている2人のセンターバックが抜かれてしまったとしたら、それはもう仕方がないじゃないかと。ただ、緊張もあったのかもしれません。相手がボールを回しているのを『回させた』と感じられれば良かったのですが『回されている』と思ってしまっていた。でも、後半は徐々に良くなって、運よく点を獲ってくれた。先制されたからといって、やるべきことを変えず、明確にしていたのが大きかったと思う。そうじゃないと、仮に負けた時にやるべきことをやらないと後悔する。やるべきことをやった上で負けたとしたら、その時はもっと精度を上げていくしかない」
●小林祐希選手
「みんなの助けがなければ、ここまで来られなかった。(決勝ゴールのFKは)もらった時に、なぜか『入った』と思った。練習通りに蹴れました。みんなの気持ちが左足に乗り移ってくれたんだと思います。ここまで支えてくれた人への感謝をボールにぶつけました。小・中・高と傲慢だったけど、トップチームの練習に参加させてもらうようになって、初めて『人のため』ということを意識してプレーするようになりました。チームスポーツにとって、それがいかに大切かを知りました。W杯でスペインが優勝したり、ヴェルディでも、昨日トップの先輩たちが甲府に勝って『チームのために』の力を見せてくれました。僕たちは、決勝ではなく、その上を目指しているからこそ、こういう結果が得られたんだと思います。でも、この優勝も通過点でしかありません。また明日から、一日一日しっかりと、100%の力を出し切ってやっていきたいと思います」
●高野光司選手
「優勝できてよかったです。うちはワイドに開いた相手だと、どうしても揺さぶられてしまう傾向があって、今日も同じような感じでした。立ち上がりから、そうしたところから1個ずつずれてしまって、前半に失点してしまいました。でも、慌てることなく、みんなで話し合って自分たちで修正して、ユウキ(小林祐希選手)が何とか点を獲ってくれました。いつも前が点を獲ってくれるので、後ろもしっかり守らないといけないと、DFみんなで話しました。良い時間に逆転できたし、途中から守備も修正できてよかったです。でも、またすぐに次の試合があるので、頑張ります」
●南部健造選手
「(FWの)相馬将夏選手との交代で入ったので、一番前でボールをキープするように指示を受けていました。とにかく、自分には走ることしかできないと思っているので、チームのためになればと思い、思い切り走りまくりました。途中、ユウキとポジションを変え、中盤でのプレーになりましたが、最初は少し戸惑いながらもなんとか慣れてきて、とにかく守備だけは意識を高く持っていました。とにかく、セカンドボールを絶対に拾っていれば負けることはないと思っていました。ベンチから見ていて、前半はみんな多分緊張していたんだと思います。でも、失点しても焦っている選手はいなくて、徐々に落ち着いてきて、後半は自分たちのサッカーができたと思います。優勝はうれしいですけど、来週末にはまた試合があるので、気持ちはすでに切り替わっています。もっと良いサッカーができるように、これからも頑張ります」
以上
★【J2日記】のバックナンバーはこちら
2010.08.02 Reported by 上岡真里江
J’s GOALニュース
一覧へ- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













