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★どっちが勝つ？Voter［6日12時現在、横浜FC20178票 vs 岡山35300票！］
開口一番に「（前節の）栃木の暑さ、湿度はやばかった」と高地系治が振り返るほどの猛暑に見舞われている今年の日本の気候は、選手の試合への集中にも大きく影響を与えているといっても過言ではない。このような状況では、ちょっとした試合のディテールが結果に直結することになる。「岸野横浜FC ver.2」の姿を見せながらも前節苦杯を舐めた横浜FCと、リーグ再開後負けなしと安定感が出てきた岡山の両チームにとって、いかにディテールまでこだわって90分間を進められるか、チームの真価が問われる試合となる。
ホベルトの加入後負けなしが続いていた横浜FCは、前節の栃木戦で悔しい黒星を喫した。立ち上がりの寺田紳一の鮮やかなFKによるゴールの後、何度も決定機を得るが決めきれないと、前半終了間際にマークミスから失点。そして、その流れを断ち切れずに後半終了間際にリカルド・ロボのシュートをキーパーが反応しきれずに逆転負けを食らった。「自ら勝てる試合を落とした」（岸野靖之監督）というように、みすみす流れを相手に渡してしまった感のある後味の悪い試合だった。
その栃木戦があるからこそ、この試合は横浜FCの現在の力、シーズンを通した成長が試される試合となる。そのポイントは連敗をしないこと。「チーム力自体は目に見えて進歩している。以前は一度負けると連敗をしていただけに、負けた後の立ち上がり方でその進歩を見せたい」と岸野監督が述べるように、失敗を繰り返さない強い気持ちを持つことが大事となる。そして、混戦となっているJ2をはい上がり、目標に向かい続けるためにも重要な一戦となる。「現在の横浜FCは皮一枚の状態。これを試合に勝つことによって、二枚、三枚にする。上位が負ければもうちょっと厚くなる。ただ、この試合に負けてしまったら『J1を目指す』と言っても誰も信用してくれなくなる。だから絶対に勝たないといけない試合」と指揮官が力を込めるように、補強を含めキャンプから万全の準備をしてきた「岸野横浜FC ver.2」にとって、非常に大事な一戦となる。「春から比べると走れるようになった」（岸野監督）姿に、90分途切れない集中力を加えて、柏戦で見せた強さを取り戻したい。
一方の岡山は、ハードワークをベースとした守備が形となってきており、この2試合は無失点と、徐々に安定感が出てきている。前節の札幌戦は、立ち上がりの田所諒のゴールで優位に立つと、ハーフタイムまでは札幌に攻撃の糸口を与えなかった。後半に入って、札幌の攻撃にさらされても、試合の最後まで集中力を切らさずに試合を締めくくることに成功した。影山雅永監督は試合後の記者会見で「（後半は）ちょっとだけこちらの気持ちに余裕がなくなった。安全策でボールを後ろに戻す回数が増えた」と試合の進め方の課題を述べたが、それでも守備に関する結果はチームに大きな自信を与えることは間違いがない。暑い夏の夜に最後にモノを言うのは集中力ということを考えれば、札幌戦で見せた集中と「90分間のハードワーク」（影山監督）を再びこの横浜FC戦で披露したいところだ。
第2節に行われた前回の対戦では、立ち上がり4分のFKで渡邉将基が挙げたゴールが試合を決めることとなった。岡山がその時よりも守備に自信を持ってきていることを考えると、集中が切れがちな時間のプレーのディテール、そしてセットプレーが再びこのカードの勝利へのポイントになることは間違いない。特に立ち上がりが大きなポイントとなる。岡山が前節と同様に、立ち上がりでパワーを掛けて先制することができれば、ハードワークと集中力が試合に生きる展開に持ち込める。横浜FCにとっても、ここ2試合と同様に立ち上がりに先制をして、そして今度こそ追加点を奪い、早々に試合を決める強さを見せたいところだ。「複数得点がないと親にも言われているぐらい。それだけに2点を取ることが大事だし、取れれば勝てる」という、チーム得点王・西田剛の言葉に期待したい。
試合当日の天気予報は晴れ。気温も高くなることが予想されている。体力だけでなく精神力も総動員した極限の試合になることは間違いない。日射病と熱中症の対策は万全にしながら、ニッパツ三ツ沢球技場での熱戦に是非足を運んでいただきたい。
以上
2010.08.06 Reported by 松尾真一郎
