8月15日(日) 2010 J2リーグ戦 第22節
愛媛 0 - 3 柏 (19:04/ニンスタ/3,681人)
得点者:50' 林陵平(柏)、58' 林陵平(柏)、62' ホジェル(柏)
スカパー!再放送 Ch183 8/16(月)後04:00〜
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愛媛にとっては、柏に力の差を見せ付けられた完敗。前半はGK山本浩正の好セーブもあって、やり直しを含む3度のPKをしのぎ、勝利への可能性を後半へとつないでいた。しかし、愛媛の選手それぞれの頑張りだけでは防ぎ切れなかった柏の攻撃。愛媛が守備の陣形を整えると、FWホジェルや工藤壮人が裏を狙い、中央突破を図り、そして密集する中央を避けて、スペースが生まれたサイドをえぐる。たまらず愛媛の守備陣がクリアで逃れると、柏はセカンドボールを拾い、2次攻撃。この状況が繰り返され、ゲームの多くの時間で柏がボールを保持し、愛媛を揺さぶり続けた。
結果的に50分、柏は左サイドバックの橋本和のクロスに対して林陵平がボレーで合わせて先制、続く58分にはヘディングで林が2得点目を叩き出した。そして最後は愛媛の中央を切り裂くスルーパスに対して、ホジェルが得点感覚の鋭さを見せて3点目。途中出場の林、加入して間もないホジェルが試合を決めるという、この試合でポイントとなっていた控え選手の活躍もあって愛媛を一蹴した。柏にとってはワールドカップ中断明け5試合目にして初勝利。首位をキープしながらも足踏みを続けていたが、今節引き分けた2位・甲府との勝点差を4に広げて次節(8/21@柏)、ホームに甲府を迎える大一番に弾みをつけた。
誰がピッチに立っても、そしてどんな状況でもやるべきことをやって勝利を呼び込んだ柏に対して、敗れた愛媛は8試合未勝利の試練が続く。アライールの退場が敗戦に大きく影響したことは間違いないが、問題はアライールがピッチに立っていた38分の間に既に顕著となっていた。バルバリッチ監督は試合後の会見で「スライドの速さ」が足りないことを強調していたが、選手がポジションを埋める作業や攻守の切り替えの遅さもあって常にサイドの攻防で後手に回る苦しい状況にあった。アライールがハンドでPKの判定を下された一連のシーンを振り返っても、それは明らか。サイドで簡単に裏を取られると、フリーの状況でクロスを放り込まれ、さらに中では柏の選手が3人飛び込む状況で、愛媛の選手は2人だけ。このシーンに限らず、同じような状況が繰り返されて、いつ柏に得点が生まれてもおかしくない状態が続いていた。
愛媛にとっては負のスパイラルから抜け出せない状況が続くが、やはり今こそ原点に立ち返る必要がある。ハードワークを繰り返す姿勢と、誰一人サボることなく守備の組織を整える共同作業。そして、例えそこが綻んでも最後の1対1で跳ね返す粘り強さ。それは決して無理難題ではなく、中断期間まではチームとしてできていたこと。さらに言えば、愛媛はこの試合でも前後半を通じて幾度となく柏のゴールを脅かすシーンを作り出している。チームとしてやるべき最低限の約束を守り、サイドで受身に回ることなく前を向けば、どんな相手でも勝機は見い出せる。結果を振り返ればネガティブになりがちだが、この試合でも負のスパイラルを抜け出すヒントは随所に転がっていた。悪い結果が重なると、それすら見失いがちだが、愛媛にとってここは再び原点を思い返し、踏み止まる正念場だろう。
以上
2010.08.16 Reported by 近藤義博













