8月28日(土) 2010 J1リーグ戦 第21節
名古屋 1 - 0 京都 (19:03/瑞穂陸/13,944人)
得点者:23' 金崎夢生(名古屋)
スカパー!再放送 Ch183 8/30(月)前07:00〜
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内容より結果。それが一番なのは、両チームともに同じだった。首位を走る名古屋は2位以下を引き離すため、最下位の京都は降格圏からの脱出のため。同じ思いで臨んだ試合は45分ずつを分け合うように攻め合い、結果として名古屋が勝利を収めた。勝因はここ数試合でもはや名古屋の新たな持ち味となりつつある、粘り強さと決定力だった。
出場停止の選手が戻ってきた名古屋は現状のベストメンバーといえる11人をピッチ内に揃えてきた。経験豊富なストイコビッチ監督に、相手が最下位だからという油断はない。3人の中盤の構成はアンカーのダニルソンの前に中村直志とマギヌンを配置。今季のメンバー選考における最激戦区だったこのセクションだが、ここにきて最もバランスの良い組み合わせが見つかった感がある。100m10秒台の俊足と強靭なフィジカルを生かした守備力が魅力のダニルソンを頼りに、機動力のある中村が攻守に気の利いたカバーリングを行い、テクニシャンのマギヌンがチームのリズムを刻みだす。多士済々の顔ぶれが揃う名古屋のMF陣だが、この3人の補完性はひとつ頭が抜けている。
対する京都はフォーメーションに手を入れてアウェイゲームに備えてきた。これまで3−4−3を基本とし、状況に応じて4−4−2などへシフトチェンジしてきたが、今回は4−4−2でスタート。右サイドバックには守備力を重視してか増嶋竜也を起用し、ドゥトラを右のサイドハーフに、ツートップは金成勇とディエゴのコンビを選択した。ボランチの安藤淳のパートナーが角田誠であることからも、秋田豊監督の守備意識が窺える。
前半は名古屋のゲームだった。キックオフからやや引き気味の布陣を敷いた京都に対し、積極的なサイド攻撃と守備時のプレッシングで主導権を掌握。立ち上がりこそボールが落ち着かない時間帯もあったが、8分のケネディのヘディングシュートでリズムをつかむと、13分にはマギヌンと阿部翔平の左サイド突破からまたもケネディが決定的なヘディングシュートを放つ。これは京都GK水谷雄一の好セーブにあったが、そこで得たCKから今度は田中マルクス闘莉王が決定機を迎えるなど、名古屋の攻勢は時間を追うごとに強まっていった。
先制は時間の問題。そう思われた23分にこの日唯一の得点は生まれた。玉田圭司と阿部のコンビネーションで左サイドを突破すると、阿部のニアサイドへのクロスに走りこんでいたのはMFの中村。シュートは当たり損ねたが、これをうまく玉田がつないで最後は金崎夢生が右足アウトサイドでゴールへ流し込んだ。自身のリーグ100試合出場を自ら祝うメモリアルゴールは、指揮官も絶賛するアクロバティックな一撃だった。“空中戦”で脅威を与えた直後の“地上戦”という攻撃の幅を見せた名古屋は、その後も次々とチャンスを演出。38分にはケネディのヘディングシュートがバーを直撃し、39分には金崎のスルーパスに玉田が抜け出すが、あと一歩のところで追加点はならず。シュート数にして10対2という圧倒ぶりには、後半のさらなる名古屋支配が続くと思われた。
しかし、後半は一転して京都が主導権を握った。ハーフタイムに秋田監督は単純なミスを指摘しハイプレスの実行を指示。これが功を奏した。後半開始からドゥトラに代えて中山博貴を入れたことでポゼッション率が高まったこともひとつの要因だろう。序盤はセットプレー時の郭泰輝の空中戦を足がかりに名古屋ゴールに迫ると、58分の柳沢敦投入で一気に流れを引き寄せた。しかしその柳沢が思わぬブレーキに。71分と77分、そして後半のアディショナルタイムにも決定的なチャンスを迎えたが、フリーで放った2本のヘディングシュートを外し、DFとの1対1では粘り強い守備とGK楢崎正剛の気迫のセービングの前にゴールを奪えず。名古屋の後半の決定機はほぼゼロ。シュート数、決定機の数では京都が試合をひっくり返したが、結果を逆転させるまでには及ばなかった。
「前半は我慢して、後半勝負」。前節まで名古屋の選手がよく口にしていた言葉は、この日は京都の水本裕貴の口から聞かれた。「名古屋はウチほどの練習量はやってない。後半落ちてくるのはわかっていた」とも。秋田監督の課す厳しいトレーニングから自信を得た京都の選手は、首位を相手に果敢に攻めた。京都は確実に戦える集団になってきている。だが、現在の名古屋が持つ自信とチーム力、そして執念がそれを上回った。明らかに疲弊していた後半、名古屋を救ったのはダニルソンと中村直志の鬼気迫るプレーだった。試合後にストイコビッチ監督が「二人分は走った」と讃えたダニルソンは、広範囲かつスピーディーに相手のボールを奪い続けた。中村も肉離れの負傷から戻ってきて間もないにも関わらず、後半終了間際でもカウンターで最前線にまで飛び出していった。柳沢は京都の敗因を一身に背負ったが、そこには名古屋の意地が立ちはだかっていたのだ。
いつもと逆の前半で決定力を、後半で粘り強さを見せた名古屋は、これでまたひとつ積年の課題である「初物への脆さ」を克服し首位を堅持。不安要素を解消し、2位との勝点差5のキープにも成功した。首位奪取から4試合。川崎Fには敗れたものの、内容より結果という実に王者然とした戦いを見せ始めた名古屋は、試合ごとにその安定感を増してきている。
以上
2010.08.29 Reported by 今井雄一朗
J’s GOALニュース
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