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【第90回天皇杯2回戦 佐川印 vs 京都】プレビュー:京都府代表対京都の一戦。京都の意地か、佐川印刷SCの野望か。緊張感のある戦いに好ゲームの予感。(10.09.04)

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9月5日(日)第90回天皇杯2回戦 佐川印 vs 京都(18:00KICK OFF/西京極)
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天皇杯2回戦。ここから、西京極ではJ1京都が参戦。1回戦を勝ち上がった京都府代表、JFLの佐川印刷SCと対戦する。

9月3日(金)の一回戦、佐川印刷SCは奈良代表・奈良クラブと、Jクラブとの対戦を賭けて激突した。だが、佐川印刷SCは、元京都サンガの大槻紘士をベンチにも置かないなど、京都府代表を決める京都FAカップ決勝のメンバーと大幅に入れ替えた。結果は3−1で勝利。メンバーを組み換えることで、中一日という信じられない程の過酷なスケジュールを乗り切る準備を整えた。
先制点を決めた足立高俊は京都戦に向けて「相手はプロだし、がむしゃらに行くしかない。でも、自分たちの形になったらプロ相手でもやれると思う」とモチベーションの高まりを隠さなかった。
中森大介監督は「公式の場でJクラブとやる機会はないのでモチベーションは高い。我慢することも多いとは思うが一発勝負なので、あわよくば喰ってやろうという気持ちがあります。同じ京都、サンガさんを倒すことにすごく意味がある」と意気込む。
天皇杯と言えば、優勝することで日本一の称号とACLへの挑戦権が与えられることに目向けられがちだが、この垣根を越えた真剣勝負こそ天皇杯の大きな魅力。
失うもののない者の野望と力で勝る者の意地、それが正に真っ向から激突する。普段のリーグとは次元の違う張りつめた戦いを是非ご覧頂きたい。

この佐川印刷SCの挑戦を受ける京都。直近のJリーグ第21節で名古屋に惜敗するも、チームの可能性も感じさせた。
秋田豊監督が就任した直後の頃のフォーメーションを組んでの攻撃練習中のこと、笛を鳴らしプレーを止めた後、監督は大声を張り上げた。「スペースはどこにあるんだ!」。監督自ら中盤でボールをもらうと、絶妙のキックで裏にボールを落とす。「もっとシンプルにスペースを狙え」。
「シンプルに、スペースを使う」。これは京都の攻撃のキーワードだろう。サイド攻撃も裏へのパスも、根本はスペースがあるから使う、ということだ。逆にすれば「狭いところを無理に選択するな」ということになる。特に中盤の選手のこの判断は今、格段に上がっている。速攻、裏、サイド、スペースはどこか。意表をつくことよりもシンプルな判断がチームに浸透している。
「幅と奥行き」というキーワードも指揮官は選手に伝えているという。グラウンドを広く使う視野をチームが身に付けてきている。
このスペースを最も上手く使う選手が、言わずもがな柳沢敦。彼の攻撃力が迫力を増しているのにはこうしたチームの成長もあるはずだ。
 
守備では、以前、秋田監督が話してくれた「前を向いてボールを奪う」というキーワードが全ての様に見える。結局、前線の選手がボールに向かって行くのも、その次、または次の次で、前を向いてボールを奪いたいからだろう。高い位置からプレスをかけるのも、守備ブロックを敷くのも、「前を向いてボールを奪う」考えを表現するものでなくてはならない。
2人、3人でボールを囲むというより、集中してボールに反応、球際で闘い前を向いてボールを奪う。そして、シンプルにスペースを使って攻撃へ。秋田監督のサッカー哲学が凝縮されているようにも観える。
前を向いてボールを奪うために、最初の守備で何をしなくてはいけないか、と言うことを選手が理解しなくてはいけない、となってくるだろう。その部分でも名古屋戦は強く光が見えてきた様に感じさせた。
中盤で出場した角田誠も「まだ、ガチっとではないが、出来てきているとは思う」と手応えを口にしていた。

京都にとっては、この試合、自分たちのサッカーを貫いて勝てるか、がポイントになる。秋田監督のサッカーを表現して勝つ。安藤淳も「Jリーグと同じ気持ちで闘う。ここでの勝利をリーグにつなげたい」と口にした。方向性は固まった、後は、試合で表現できるか、だろう。

自分たちのサッカーで勝機を掴みたい両チームの激突。苦しみを乗り越え、殻を破り可能性を爆発させたい京都か、それもと、大いなる野望を持ってピッチに立つ佐川印刷SCか。
実に楽しみの多い一戦、是非西京極に足をお運びください。

以上

2010.09.04 Reported by 武田賢宗
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