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MF橋本卓の負傷離脱に加え、前節の草津戦で、岐阜は敗戦と共に、またも痛手を負った。GK野田恭平とDF吉本一謙の守備の要の2人が揃って出場停止となってしまった。この3人の穴をどう埋めるか、岐阜に難題が突きつけられた。
前節、ボランチは永芳卓磨と川島眞也が入った。だが、うまく連動が出来ず、後手に回ることもあった。58分に川島に代え、これまで不動のレギュラーだった池上礼一を投入するも、直後に吉本が退場し、より厳しい状況に追い込まれた。
中盤のパワーバランスが崩れると、FW押谷祐樹、嶋田正吾、MF西川優大らの攻撃力を生かせなくなるだけに、今節でどのようなボランチコンビで挑むのかが注目される。池上と永芳で行くのか、池上と菅和範で行くのか。それとも川島を起用するのか。そしてボランチのパワーバランスを維持するのに重要になってくるCBコンビも、秋田英義の相棒に、田中秀人を投入するのか、野垣内俊を入れるのか。それとも左サイドバックの村上一樹が入るのか。できればしっかりと弾ける選手と、カバーリングに長けた選手のコンビを配置したい。何故ならば、大分は前線にフィジカルが強いFWと裏への飛び出しを得意とするアタッカーがおり、攻撃力のあるチームだからだ。
大分の注目はGK清水圭介、FW高松大樹とチョ・ジョンハンと河原和寿のアタッカー陣。清水は滝川第二高校時代に、金崎夢生（名古屋）と共に高円宮杯全日本ユース優勝を成し遂げ、鳴り物入りで大分に入った。だが、GKゆえになかなか出番に恵まれず、一度外に武者修行に出て、再び大分に戻ってきた。第24節の甲府戦で後半から投入されると、ここ2試合は正GKの座を掴んでいる。清水は非常にキックの精度が高く、攻撃の起点になれるGK。彼のキックに対し、ポストプレーがうまい高松と、キープ力のあるチーム内得点王のFWチェ・ジョンハンが構える。彼らのポストプレーから、新潟からやってきた元U-20日本代表FW河原が果敢に飛び出してくる。
それだけに、岐阜としてはいかにCBとボランチで挟み込んで、ポストプレーヤーに自由を与えないか。さらに、飛び出してくる選手をいかにケア出来るかが、大きなポイントになってくる。ゆえに橋本と吉本不在を埋める選手の組み合わせが重要になってくるし、起用された選手の奮起が勝利への絶対条件となる。
そして、個人的にはMF益山司と梅田高志の2人の岐阜出身選手に注目したい。益山は岐阜工から千葉に入ったが、出番に恵まれず、新天地を大分に求めた。前節の札幌戦で先発フル出場を果たし、地元・岐阜への凱旋に向けて大きな弾みをつけた。梅田も同じ岐阜工出身で、岐阜の軌跡を知る男の一人。2人の岐阜出身が、慣れ親しんだ長良川球技メドウでのプレーにモチベーションを高めているのは想像に難くないだけに、警戒が必要だ。
注目点の多いこのゲーム。倉田安治監督は誰をチョイスし、どういう組み合わせにしてくるのか。そして岐阜出身の益山と梅田が躍動して、故郷に錦を飾るのか。今から楽しみだ。
以上
2010.09.22 Reported by 安藤隆人
