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【J1:第31節 磐田 vs 山形】レポート:内容的には明暗が分かれた中でのスコアレスドロー。山形がアウェーで狙い通りの戦いを見せ、磐田は攻撃での課題が浮き彫りに。(10.11.21)

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11月20日(土) 2010 J1リーグ戦 第31節
磐田 0 - 0 山形 (17:04/ヤマハ/10,118人)
スカパー!再放送 Ch182 11/22(月)前05:00〜
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ボールを支配していたのは磐田だが、ゲームを支配していたのは山形。ホームチームとしては不本意ながら、磐田にとっては、勝てなくて残念というよりも、決められなくて良かったという試合内容だった。

前半立ち上がり10分前後までは、磐田のほうも勢いを感じさせるプレーを見せた。アグレッシブに動いて球際でも負けず、ボールもよく動かして山形ゴールに迫る場面を作っていく。6分には押し込んだこぼれ球からジウシーニョが惜しいシュートを放ち、7分には船谷圭祐がゴール右に飛び出してきわどいクロスを入れるなど、あと一歩のチャンスも作った。この時点では、前半が良くなかった過去2試合の反省を生かし、良い形で試合に入ったように見えた。
しかし、その攻勢が一段落し、山形の守りが落ち着いてくると、徐々に磐田が攻めあぐねる展開になっていく。その原因のひとつは、「ゴールに向かうプレーが少なく、ボールを持っていても相手を崩すプレーがなかった。そこから自分たちのミスでボールを奪われて、相手に押し込まれてチャンスを作られていた」と柳下監督は振り返る。
また山形の守備も、ブロックを非常にコンパクトに保ち、前田遼一やジウシーニョに縦パスが入っても、DFが厳しくプレッシャーをかける、あるいはMFがプレスバックして囲むという形でキープする余裕を与えず、良い形で起点を作らせなかった。逆に磐田のほうは、2トップに対するサポートが遅れ、前田がワンタッチで落としたボールを前を向いて受けるというシーンもあまり作れなかった。

そんな流れの中で、24分には中盤の甘いパスを山形が奪ってカウンターからビッグチャンスを作る。縦に速くボールを動かして宮沢克行が左サイドに飛び出し、クロスに長谷川悠が飛び込んで決定的なヘディングシュートを放つが、これはポストをかすめて右に外れてしまう。
これが両チームを通じて前半のもっとも惜しいシーンで、山形にとってはもったいない形だったが、流れは確実に山形にあった。前半の磐田のシュートが、6分のジウシーニョの1本だけという事実も、試合展開をよく物語っている。

後半に入っても、立ち上がりは磐田が少し攻勢を見せたが、基本的な流れは変わらないまま。磐田がボールをポゼッションしても、山形の守備ブロックの手前で回すだけで、そこから先への縦パスがなかなか入らず、無理に入れてもすぐに奪われてしまうという形の繰り返し。その状況を何とか打開しようとする思い切った動きやチャレンジも少なく、磐田の側にはゴールの匂いがしない状況が続いた。
そんな中でも、後半21分には上田康太の左アーリークロスから前田が競り勝ってヘディングシュートを放ち、枠を捉えることはできなかったが、彼らしい一発の恐さを見せた。だが、前田のシュートをその1本だけに抑えたことは、山形のほうが狙い通りの守備をやれていたことを意味している。
そして、残り時間が少なくなるごとに山形が攻める回数が増えていく。後半32分には北村知隆が右の裏に飛び出し、グラウンダーの折り返しに田代有三(後半22分〜)が飛び込んで決定機を作るが、シュートは右に外れてしまう。3分間のアディショナルタイムでも、山形が押し込んであと一歩の場面を何度か作ったが、ここは磐田の守備陣が粘りと意地を見せてシュートを阻止。結局、両チームとも点が取れないまま、どちらにとっても消化不良なスコアレスドローという形で試合を終えた。

ただ、山形のほうは最後まで守備のブロックをコンパクトに保って磐田につけいるスキを与えず、決定機もいくつか作って、山形らしい戦い方は十分にできていた。あとは、最後のところを決めきれるかどうかというところ。その意味でFWの長谷川も「自分に物足りなさを感じる試合だった」と振り返った。
一方、磐田のほうは、これで公式戦3試合連続無得点。「ボールを保持することに終始してしまって、ゴールを奪うためのプレーというのは少なかった」(柳下監督)という反省点が浮き彫りになり、前田を抑えられたときにどう攻めるかという課題も残った。それを中2日で修正するのは簡単ではないが、この後は鹿島、名古屋、C大阪という上位勢との厳しい戦いが3つ残っている。そこでナビスコ王者の意地を見せることが、今シーズン最後の頑張りどころとなる。

以上
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