11月20日(土) 2010 J2リーグ戦 第35節
横浜FC 1 - 0 札幌 (17:03/日産ス/8,433人)
得点者:83' 久木野聡(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch183 11/21(日)深01:30〜
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横浜FC、札幌共にレギュラーの選手を欠き、札幌に至っては控えのメンバーを5人しか帯同できない状況で迎えたこの試合。チームとしての底力が試される状況であるが、交代選手がより有効に機能した横浜FCが、シーズン終盤に身に付けている「勝利をたぐり寄せる力」を見せつけた試合となった。
試合は立ち上がりから、「冷静に潰し合う」といった表現がふさわしい展開となる。両チームとも4-4-2のフォーメーションを取るが、積極的に仕掛けるのではなく、まずは中盤で相手の自由を奪おうとする。その中で最初にペースを握ったのは横浜FCの方。横浜FCのボランチ高地系治に対して、芳賀博信、上里一将の札幌のボランチ2枚のチェックが少し緩くなったこともあり、9分の西田剛、16分の久富賢のシュートに結びつける。しかし、芳賀を中心に中盤陣形の立て直しに成功すると、一転して横浜FCのパスミスを札幌が拾って、早い切り替えからのカウンターを何度も仕掛けるようになり、28分、31分と立て続けに三上陽輔にゴールチャンスが訪れる。このシュートは横浜FCの守備陣が冷静に対応するが、横浜FCから見れば、一度ボールを持ってもすぐにミスから中盤で失ってカウンターをくらう展開が連続し、低くなった最終ラインが押し上げられずにパスコースも探せないという悪循環に陥ったが、札幌から見れば、効果的な守備から切り替えを早く攻撃するという点で、戦術が見事にハマった展開となった。
岸野靖之監督は、ハーフタイムに「プレスをもっと高い位置で!サイドを高く前に仕掛けろ!もっと前で仕事すること!」と、高いポジションでボールを奪って、プレーゾーンを高くすることを要求するが、この日両サイドハーフに入ったエデルと久富は、共にスピードとドリブルで勝負するタイプだけに、高い位置でタメができない状況は変わらず、後半も札幌ペースで試合は展開する。この状況を打開すべく、岸野監督は、怪我からコンディションは戻りきっていないもののタメを作ることのできる寺田紳一を57分に投入。この交代が効果を発揮し、徐々に追い越す動きが生み出されていく。札幌も、左サイドで攻撃にアクセント付けるべく68分に砂川誠を投入するが、すかさず岸野監督が切ったカードが横浜FCに更なる勢いを与える。71分に投入された久木野聡はカウンター攻撃の起点となるだけでなく、高い位置での守備にも貢献。投入直後のCKからフリーで放ったシュートは高原寿康に阻まれるが、83分のコーナーキックの流れからゴール前のクリアボールに鋭く反応し、ヘディングシュートを決める。なかなかゴールが決まらない雰囲気を払拭する値千金のゴールで、横浜FCが土壇場で先制。残り時間も冷静にプレーの質を落とさなかった横浜FCが逃げ切りに成功した。
横浜FCにとっては、もし前半の中盤から後半にかけての札幌ペースの時間で失点していれば、前節の徳島戦と同じように焦って単調な攻撃になった可能性のある展開。それだけに、守備で耐えたことが勝利への大きなポイントとなった。そして、途中交代の選手が、逆転に向けて与えられた役割を最大限果たしたこと。これこそ、「岸野流根性」の正体。岐阜戦に続き終盤で決定的なゴールを決めた久木野を含めて、後半から終盤に流れを引き寄せる力を身に付けたというチームの成長を改めて認識する試合となった。これで、横浜FCは5位に順位を上げた。この試合の前に福岡で行われた試合の結果で昇格は数字上ほぼ無くなったが、「さらに勝てれば、来シーズンはもっとチームの基準を上げることができる」(岸野監督)と、残り3試合さらに積み上げることが重要となる。まずは次節、優勝目前の柏相手に前回対戦の結果(引き分け)以上の結果を出していきたい。
逆に札幌は、特に前半の2回のチャンスを決められなかったことが勝敗に大きく響いた。自らの戦術がうまく決まり長い時間ペースを握ったが、「内村(圭宏)、高木(純平)、三上の3人で絡めるようになれば、もう少し崩せる。さらに、その後にいる藤田(征也)、上里が絡めればもっといろんな攻撃ができる」(石崎信弘監督)というように、最後の崩しの場面でのアイディア不足と決定力不足という課題を残す結果となった。ただ、「まだシーズンは終わっていないので、残り3試合で変えないといけない」(藤山竜仁)というように、上位と当たる残り3試合でこの課題をいかに克服するか。今シーズンだけでなく、来シーズンの飛躍に向けても重要な試合になる。
ベストメンバーを組めないという限られた状況の中で、両チームとも出せるポテンシャルは出したことは間違いない。今シーズンの残りの全試合で、出し切る試合が展開されることを期待したい。
以上
2010.11.21 Reported by 松尾真一郎
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