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【J1:第31節 京都 vs 大宮】レポート:リズムを作れず、セットプレーで失った点を取り返せず京都敗れる。大宮は残留争いを切り拓く勝点3を積み上げる。(10.11.21)

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11月20日(土) 2010 J1リーグ戦 第31節
京都 0 - 2 大宮 (19:34/西京極/6,904人)
得点者:7' 深谷友基(大宮)、29' 李天秀(大宮)
スカパー!再放送 Ch185 11/21(日)後05:30〜
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西京極での第31節は、大宮が安定した試合運びで京都を下し、残留に一歩近づく勝点3を積み上げた。
前節と変わらないメンバーで臨んだ京都に対し、大宮は怪我の金澤慎に代わり青木拓矢を先発起用した。
試合は、ボールがなかなか落着かない試合運びを見せ、どちらが流れを掴むか、という入りを見せたが、7分にセットプレーから大宮がスコアを動かした。
左サイドで得たFKを金久保順が裏に入れるとそこに深谷友基が頭で合わせ先制点を奪う。京都としてはDFとGKのどちらが処理をするかで一瞬の躊躇が起こり、その隙を決められた形となった。そして、29分、今度は右サイドから橋本早十が入れたボールに李天秀が頭で後ろに送る様な感じでゴールを決め、大宮は前半の3分の2が過ぎるころに2点のリードを奪った。
これでやや守りに入った大宮だが、今度は京都がミスを多発させ攻撃のリズムをなかなか作れなくなる。
後半に入っても京都はなかなか流れを作れず時折、大宮にゴール前まで運ばれ、フィニッシュに持ち込まれる。これはカウンターというよりも、前線が前を向いてキープできることで、周りの選手がスペースに大胆に入り込んでいく、という形が多かった。

京都は、角田誠(46分、out安藤)、中村太亮(63分、out森下俊)、中村充孝(72分、out柳沢敦)と、ゲームを安定させられる形にし、サイド、中央で攻撃的なカードを切るも、最後まで攻撃がかみ合わず無得点。結局、セットプレーからの2失点、無得点で大宮に敗れた。

試合後、大宮・鈴木淳監督は「ゲーム自体はクオリティが高い訳ではなかったが、コンセプトを一人もサボることなく遂行してくれた」と、結果に向かって全力を尽くした選手を称え、次節の神戸との直接対決につながると意気込んだ。

対して京都は、「ここ10試合14得点の内7点がセットプレー。セットプレーと、あと、ラファエルを抑えれば十分勝機は見いだせる」(秋田豊監督)とプランを立てていたにも関わらず、そのセットプレーで失点し、リズムを崩しての敗戦。選手からは頻発したミスについての言葉も多く出た。

ただ、ドゥトラの使い方、また、安藤のポジション取りについて、京都が殻を破りそうな気配も感じた。
ドゥトラが強引にドリブルを仕掛ける姿は前節の浦和戦でもよく見られた。その部分をどう矯正していくか、というのは大きなポイントだと思っていたが、今節は、サイドから中へカットイン出来る様な状況をチームで作ってやっていた様にも観えたのだ。そのお陰で随分とドゥトラの力の出しどころが明確になった様な印象を持った。
そして、安藤。ミスが多く、リズムを作れなかったのは事実だが、ポジションをやや前にして攻撃のタクトを振ろうしていたのは観てとれた。
前半、ディエゴが下がっても、安藤が前にいることで、攻撃の薄さは目立たなかった様に感じる。あの位置が安藤らしさを出せるのかもしれない、と感じさせた。ただ、それならば、そこで何ができるかがポイントになるだろう。攻撃が詰まった状態で、前線も、カバーにいる染谷悠太、水本裕貴、郭泰輝らも、そして、サイドに張った選手の位置をも掴めるように視野を広げ、自分のパスの意図を周りに感じてもらえる様にすべきではないだろうか。
後半入った角田はやや下がった位置でゲームを安定させた。その判断も良いと思ったが、安藤の様に一つ前でチームをコントロールしようとするのも悪くないはずだ。もっと言えば、あのポジション取りが、染谷というアンカー役がいる時の安藤らしさなのだろうと思わせた。ミスが多発したのは残念だが、安藤自身が描いたイメージへの一歩はあったのではないか。
逆に、こういうチャレンジが出来る状況でもあるし、チーム、個人の成長のために必要なことでもあるだろう。

最後に。交代選手を全て使いきった京都の攻撃陣を眺めた時、ドゥトラ、ディエゴ、中山博貴、中村充孝、渡邉大剛、中村太亮と、決定的なパス出しを好む選手が並ぶことに気が付いた。FWらしいFWが足りないのでは、と思わせるのだ。
試合後、秋田監督はFWの起用について柳沢敦をベストチョイスとしていた。今週、居残りで練習していた若いFWらについて「まだまだ先がある」とその可能性を感じてはいるだろうが、先発という意味では柳沢を凌ぐまでには至っていない状況を明かした。J2での戦いでは「信頼できるFW」が、何よりもチームの柱になる。過去J2で戦った時、京都では黒部光昭、パウリーニョというFWがチームをけん引した。つまり、来季に向けてもFWの補強は最重要項目に挙がるはずであり、そしてそこに、「資金」を投入することになるはずであろう。

以上

2010.11.21 Reported by 武田賢宗
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