スカパー!生中継 Ch180 後01:50〜
試合速報一覧 | クラブサポーター対抗totoリーグ | Jリーグ中継に関するアンケート実施中
----------
平塚の歓喜からわずかに中2日。2010年のJリーグ王者となった名古屋が、ホーム豊田に凱旋する。ほぼ中2日での4連戦という過酷な日程の中で、18年越しの悲願を達成してみせたチームにとって、残る試合は消化試合のようにも思えるがそうではない。まずは地元のサポーターへ気持ちよく優勝を報告するためにも、やはり勝利は欲しいところ。そして優勝記者会見でストイコビッチ監督が明言したように、次のステップへ進むためにも気の抜けた戦いなどしてはいられない。さらには鹿島と浦和が持つ年間最多勝点72の更新も射程圏だけに、名古屋がリーグ戦で手綱を緩めることは考えにくいのである。
とはいえ、厳しい日程を消化してきた名古屋の選手たちには疲労の色が見えるのも確か。今節では田中隼磨が出場停止となるため、湘南戦からは数名が入れ替わることも予想される。田中のいない右サイドバックには竹内彬か松尾元太が入ることが濃厚。竹内は右サイドバック経験も豊富で、何より対人能力の高さと気迫のこもったプレーが魅力だ。松尾は天皇杯4回戦でビルドアップも含めまずまずの動きを見せており、指揮官がこちらを抜擢する可能性も十分にあるだろう。負傷者には無理をさせない方針だろうが、ひとつ気になるのが湘南戦の試合後に、田中マルクス闘莉王が「次は出るよ」と話していたこと。優勝の瞬間をピッチの外で迎えた闘将は、地元での優勝報告をピッチ内から参加したいと考えているのかもしれない。負傷箇所は闘莉王が慢性的に傷めている部分だけに無理は禁物だが、名古屋のリーグ優勝の原動力となった男がいれば、試合も報告も締まることは間違いない。
対するF東京は前節の川崎Fとの“多摩川クラシコ”で終了間際に勝ち越されての敗戦を喫している。これで順位は勝点32の15位と降格圏ギリギリの位置となり、16位の神戸との勝点差は1。J1残留へまったく予断を許さない状況となってしまった。ホームでの名古屋戦では終始ペースを握っていながら後半ロスタイムで勝ち越され、敗戦。今回はリベンジの場でもあり、残留へ向けて王者から勝点3を奪いに行く戦いにもなる。
前回対戦では互いのポゼッション能力で真っ向から勝負した両チームだったが、F東京が大熊清監督へ指揮系統を変えたことにより、試合内容にも変化が見られるはずだ。 より実効的なサッカーに傾倒しだしたF東京だが、攻撃の起点として機能していた平山相太は出場停止。前線には大黒将志や重松健太郎、前田俊介あたりが起用され、高さや強さではなくスピードと技術、駆け引きが攻撃の鍵を握ることになる。ケネディの高さを軸に、強さとパスワークがその中心に置かれる名古屋の攻撃陣とは方法論が違うため、試合中はそれぞれの前線の動きに注目するのも面白いかもしれない。
ストライカーに注目すれば、自ずと目が行くのがGKだ。名古屋の守護神が日本代表を引退した楢崎正剛なら、F東京のゴールの番人は未来の代表GK権田修一である。日本代表の世代交代に合わせるように入れ替わった二人のGKは、ともにチームの勝利に貢献できる高い能力を持った選手たちだ。キャリアハイともいえるパフォーマンスを見せ続けている楢崎に対し、経験で劣る権田がどのように存在感を見せていくか。最後尾の選手たちにも目を凝らしておきたい。
勝ち負けの差はあれど、どちらも前節を不完全燃焼のまま終わっているチームである。残り3試合となったリーグ戦で有終の美を飾るためにも、ここで気持ちよく勝利しておきたいのは偽らざる心境だろう。見るものを魅了するスペクタクル満載のサッカーで、豊田に来たサポーターを満足させる戦いを見せてほしい。
以上
2010.11.22 Reported by 今井雄一朗













