スカパー!生中継 Ch184 後04:50〜
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開幕前にスケジュールが発表されたときから、正田スタで開催されるこのカードが千葉にとっての大一番になると予想できた。当初から千葉の昇格が懸かるゲームと踏んでいたが、シーズンが進むにつれてその意味合いが少し変わってきた。
千葉の昇格が懸かった試合には間違いないのだが、昇格の可能性が残る一方で、J2への残留が決まる可能性が生じてきたのだ。今ゲームに先立って行われる岐阜vs福岡(12:00キックオフ)で3位福岡が勝って、4位千葉が引き分け以下だとその時点で福岡の3位以内が確定。千葉のJ2残留が決まってしまう。昇格レースの瀬戸際に立った千葉の相手となるのは、前節甲府を敵地で撃破した草津だ。
福岡と昇格争いのデットヒートを繰り広げてきた千葉は31節横浜FC戦、32節甲府戦、33節札幌戦で痛恨の3連敗、崖っぷちへ追い込まれてしまった。しかし東京Vとのデスマッチで執念の逆転勝利を挙げてライバルを蹴落とすと、前節北九州戦でも後半ロスタイムに佐藤勇人が決勝ゴールを決め2−1で勝利。勝点62の3位福岡を、勝点5差で追随している。残り試合を考えると状況が厳しいのは確かだが、もし今節で福岡が敗れれば状況は一変する。
昇格の可能性を追求する千葉だが北九州戦前の19日に江尻篤彦監督の今季限りでの退任を発表した。可能性を残す中での発表に関して賛否はあるが、それもJ1復帰が義務となっている千葉というクラブの厳しさか。江尻監督は「昇格を懸けた戦いは終わっていない。この現状をしっかりと受け止め、諦めず、しっかりと戦っていきたい」とコメントしている。谷澤達也は北九州戦後に「僕たちは残り試合で全部勝たないといけない」と話したが、千葉は残り3戦で全勝して奇跡を待つしかない。
ホーム草津は、深い悲しみの中で今ゲームを迎えることになる。草津にとってこの千葉戦は力試しの意味合いが濃かったが、18日夜にそれが一変した。クラブは8選手の戦力外通告を発表、その中には高田保則、廣山望、崔成勇ら草津を心から愛してきた功労者も含まれていた。今季彼らの出場機会が減っていたのは事実だが、チームが彼らの力を活かせなかったのも事実だ。不甲斐ない戦いぶりで低迷した序盤戦に1ないし2の勝ち星を挙げることができていたならば今季の成績はまったく違っていた。このような形で彼らに別れを告げるのは寂しいかぎりだ。
前節の甲府戦では、先発出場した高田、廣山が意地を見せてくれた。廣山は菊池の先制ゴールの起点となるサイド突破を見せ、高田はJ2最多記録となる通算75ゴールを決めてくれた。悔しさを飲み込みながらチームの勝利のために戦う彼らの姿に触発されたチームは、クラブ最多記録となる4ゴールを奪って甲府に大勝。J2中断明けから本来の力を取り戻した草津は、再開後に福岡、東京V、甲府など上位陣を次々と撃破、後半戦のダークホースとなっている。今節は、千葉からの勝利を狙う。
甲府戦後、ヒーローインタビューの場に立った高田は周囲からの激励の言葉に涙腺を緩ませた。周囲にいた選手、スタッフたちも泣いていたという。「まだ終わりじゃない」。2戦連続ゴールとなった高田は言葉を震わせながらもつとめて気丈に振舞った。22日の練習後、高田は「甲府戦では多くの人たちから温かい声をかけてもらって本当に自分は恵まれた環境でサッカーができていたんだなって思った。残り試合は、ザスパで5年間やってきたことのすべてをピッチで表現したいと思う」と悲しみを笑顔で隠した。23日は、悲しみを越えて一つになった草津が、千葉の前に立ちはだかる。戦術、システム、戦力など机上の領域を越えた死闘となることだろう。
以上
※ 文中で「昇格」と表記していますが、正式な決定はJリーグ理事会で行われます。
※昇格条件の詳細はこちら
2010.11.22 Reported by 伊藤寿学













