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前節の福岡戦の敗戦により、東京Vの今季のJ1昇格の可能性はなくなった。
「たとえわずかであっても、せめて最終節まで可能性を引っ張りたかった。『昇格』を目標として戦ってきた以上、結果を出せなかったことがプロとして一番ダメ。悔しさともどかしさが体の中を回っている」と、主将・富澤清太郎は無念さを語ったが、他の選手たちも同様、ショックは決して小さくはない。そんな中迎える今節。平本一樹は、最重要課題として「どうやってモチベーションを上げていくか」を掲げた。
「気持ちを切り替えて」と、言葉では言えても、実際はそう簡単にできることではないだろう。だが、東京Vは、決して目標の全てを失ったわけではない。モチベーションを上げてくれる要素は、いくつもある。
まず、『昇格』と同様、川勝良一監督や土屋征夫が開幕時から常に目標とし、言い続けていた「来季への積み上げ」。これに対しては、シーズンが終わるまで日々の練習から求め続けなければならないことだろう。そういう意味では、前節も決して悪いものではなかったという。
ここ数試合、アグレッシブな気持ちは持ちつつも、それをプレーとして前半から出せる試合と、失点してからようやく出す試合と、ゲームによってアンバランスな状態が見られたが、「福岡戦では、チームとしてどこから、どう守るのか。そこから自分たちの攻撃にどうつなぐか。という状況判断をしながらのサッカーが、長い時間できていた。もちろん、特に前半など全てが納得できるものではないけれど、『90分間通して戦う』という意味では、半歩前進したと思う。この時期にきて、まだまだ成長しているという実感が持てるのは大きい」と、富澤は今の東京Vが発展途上のチームであり、着実に段階を踏んでいるという手応えを口にした。
また、平本も言う。「今年のチームは、今までの中で一番伸びたチームだと思う」。だからこそ、残り2つはさらに士気を高め、自分たちが作り上げてきたものの価値を、自分たち自身の手でもう1、2ランク上げてシーズンを終えてほしい。
もう1つの要素は、新しい目標を与えてもらったということだ。前回のホームゲームでは、クラブスタッフ、サポーターたちの尽力によって、2万5千人もの観客が試合を観に来てくれた。その感動は、川勝監督や選手たちに、新たなモチベーションや責任感を生んだことは間違いないだろう。
「前回の2万5千人のうち、どれぐらいの人が来てくれるかわからないけど、今回も同じように来てくれる人に対して、しっかりとしたサッカーを見せなければならない」(土屋)。
また、新規スポンサーが決まったことで、「来季」という未来図が確実に描けるようになったことも、非常に大きいのではないだろうか。
福岡戦、全体の内容でも東京Vが主導権を握れ、0−2のビハインドから追いついた力を思うと、悔しさは増す。だが、「ああいう、どっちに転がるかわからない試合は、シーズン中で何回かは必ずある。それをモノにできるかできないかの差が、昇格できるチームか否かの差。来季は、そういうゲームをモノにできるチームにしたい」と、土屋、富澤ら経験豊富な選手たちは口を揃える。
そのためにも、「ここ最近は失点が増えている。他にも、攻守お互いから見て、直すべきところはハッキリしてるから、しっかりと突きつめて改善していきたい」(土屋)。
すでに来年の戦いが始まったと捉え、まずは、現時点での課題をしっかりクリアしていくことが重要ではないだろうか。
対する愛媛は、東京Vよりも一足先にJ1昇格の可能性が消えていたが、モチベーションという意味では、非常に高い状態を保てている。それは、もともと今季の目標を『8位以内』に設定してあるからだという。現在10位だが、8位につける栃木とは勝点で並んでいるのである。目標達成は、手中に収めつつある。現実のものにするべく正念場が続くため、最後までモチベーションが下がることはないだろう。
さらに、現在3連勝中で勢いもある。もっと言えば、第28節(9月26日)からリーグ戦負けなしの絶好調なのだ。特筆すべきは、やはりリーグ2位の失点数を誇る守備力だろう。第23節(8月22日)からの12戦で失点を喫したのは6試合のみ。しかも、いずれも最少失点に止まっているという鉄壁ぶりだ。
その守備の主柱となっているセンターバックの小原章吾だが、今節、その絶対的存在を出場停止で欠かなければいけない。愛媛としては、まずそこが大きなポイントになりそうだ。
とはいえ、愛媛の堅守の要因は、決してDFラインだけによるものではない。「前線の選手が守備をしてくれるから、うしろは楽」と小原が話していたが、特に、FWジョジマールのファースト・ディフェスは非常に効いており、彼の守備貢献なくしてこの成績は成り立たなかったはずだ。とすれば、小原の穴も、個としてというよりも、チーム全体で埋めると考えれば、戦い方に大きな変化はないはずである。
堅守が光るが、決して守備的な戦い方をするチームではない。ここにきて得点力が確実に上がっているのがその証明だろう。愛媛のサポーターもまた、チームの成長を確かに感じているに違いない。
今季も残すところ3試合(東京Vは2試合)である。今のメンバー全員が揃って戦えることをかみしめ、どちらも最後まで自分たちのサッカーを貫き、目の前の1勝にこだわって欲しい。
以上
2010.11.22 Reported by 上岡真里江













