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勤労感謝の日に行われるこの第36節。札幌ドームでは勝点39で14位の札幌と、同47で9位につける徳島が対戦する。
前節の札幌は敵地で横浜FCに0−1のスコアで敗戦。そしてその内容は、まさに今シーズンの札幌らしいものとなってしまった。「攻撃の形はある程度作りながらも、フィニッシュの部分がもの足りない」と石崎信弘監督は試合を振り返るが、このコメントは横浜FC戦に限らず、今シーズンのほとんどの試合に当てはまると言っていい。サイドバックあるいは守備的MFからトップの選手にクサビのパスを当て、そこからのパス交換やサイドへの展開などでチャンスを演出するという形は、それなりのものにはなっている。しかし、そこから先のプレーに精度や迫力、そしてアイデアが足りず、フイにしてしまっているのが現在の札幌。そうしていくうちに流れを失ったり、一瞬の隙を突かれて勝点をも失うという場面は何度も見ることができた。「今シーズンを象徴するような負け方」と藤山竜仁は横浜FC戦を評する。
ただし、そうやって試合を重ねてきたことで、肝心な部分はなかなか解決こそできていないものの、攻撃の形の部分については質が高まってきている印象だ。前述の横浜FC戦でも、いい形でクサビのパスが入った場面ではスピーディな攻撃が演出されていたし、面白味のあるプレーは随所にあった。負傷者が重なり、思うようなメンバー構成で戦えていないなかでも全体の質は向上していることは間違いない。「強力なストライカーがいれば解決する部分は数多くあるだろうが、そうした選手がいないのだから、自分たちでやっていくしかない」と高木純平は語る。来シーズンのJ1昇格はなくなってしまったが、とにかく継続をしてくことが大事ということなのだろう。
一方、北海道に乗り込む徳島は前節、敵地で水戸に2−0で快勝。「選手たちが僕のイメージしている守備と攻撃をしてくれた」と美濃部直彦監督が口にしたように、手応えのある内容で勝点3を手にしている。9月の中頃からは調子を落とし、2度の3連敗も喫していたが、前節の勝利で連勝に成功。内容も伴っているだけに、ここから流れに乗れそうな気配もある。
その要因としては、攻撃と守備がバランスよく噛み合っているという部分が挙げられるだろう。守備面ではここ最近、出場機会を得られるようになってきたGKオ・スンフン、センターバックのペ・スンジン、三木隆司が自陣ゴール前でしっかりと相手の攻撃を跳ね返す。中盤では六車拓也と青山隼で組む守備的MFがいい距離感を保ちながら、セカンドボールを拾っては堅実にボールを前へと運ぶ。攻撃に移った際には攻撃的MFの柿谷曜一朗、島田裕介が安定した技術とチャンスメークのセンスで2トップにラストパスを供給するといったように、どのポジションにも負担がかからないバランスの良いゲーム運びがここ2試合では実践できているのだ。
そんな札幌と徳島との対戦だが、スケジュールの部分に目を向けると、どちらも前節から中2日という試合間隔だが、札幌はこの試合をホームで戦うのに対し、徳島は前節、今節ともにアウェイゲーム。この部分で言えば、やはり札幌に分があると言えるだろう。そして内容の焦点としては、「攻撃のアイデア」という部分になるのではないだろうか。札幌の方は「攻撃の選手たちそれぞれが、もうひと工夫加える意識を持つようにしていきたい」と高木が話すように、決定力を高めるべくアイデアを持ち寄る構えだ。対する徳島のほうは柿谷、島田といった攻撃の引き出しが多いアタッカーを擁しているため、いかに彼らに良い形でパスを届けるかがポイントとなる。ラストパス一歩前の部分には札幌に分があるがラストパスの部分には徳島に分があると見ていい。
両ゴール前での攻防。それこそがスタンドを沸かせる重要な場面。そこでどういったアイデアを表現できるのか。そこが勝敗を分けることになりそうだ。
以上
2010.11.22 Reported by 斉藤宏則













