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つい先日、目にしたばかりの屈辱的な光景を、日を置かずに再び見る事態は、なんとしても避けなければいけない。ヴァンフォーレ甲府のJ1昇格に引き続き、水戸ホーリーホックの「北関東ダービー」連覇を、ホーム「グリスタ」で簡単に許すわけにはいかない。甲府戦で味わった悔しさを、憤りを忘れた選手はいないはずだ。松田浩監督も例外ではない。指導者として初めて対戦相手のJ1昇格を見送ったことで、「2日間、相当凹んだ。(試合を落としたことで)昇格できないような感覚に陥った」そうだ。若い選手と“若いチーム”には成長過程において苦痛は必要だが、短期間で何度も味わう必要などない。
早々に北関東のタイトル争いから脱落し、最下位が決定した栃木SCにしてみれば、またしても歓喜を阻止する側に回るのは、なんとも寂しい限り。だが、後半戦初の連勝にリーチが懸かっていることに加えて、今季はまだダービーで未勝利(1分2敗)。このまま終わってしまっては、いくら総合順位で水戸とザスパ草津を上回ったとしても、サポーターは納得しないし、クラブ史に染みが残る。水戸を相手に中2日の過密日程で手にした昨季の連勝に対して、局地では(北関東なのだが)「正式な連勝ではない」という声も聞こえてきた(水戸戦の直前の横浜FC戦が雷雨により中止になった節の代替試合だったため)。それだけに、水戸に開幕戦のリベンジを果たし、堂々と「連勝」を公言したい。
最終的に3−0で勝利するも、前節は予想以上にカターレ富山に手を焼いた( /jsgoal_archive/game/2010/20100200030520101120.html )。「3−3−3−1をどう料理するかがポイントになる」と戦前に松田監督は言っていたが、サイドからの攻略を試みても、5バックになりゴール前を固められたことで、前半に栃木が放ったシュートは0本。ただ、前半に窮地を招いても、身を挺してのシュートブロックなどで防ぎ、身上である堅守がリズムを生み出し後半の反撃に結び付いた。
「前半に我慢できたことが大きかったし、それがうちの持ち味。続けていかないといけない」とは宇佐美宏和。9戦未勝利の水戸だが、展開しているサッカーは悪くない。「木山(隆之監督)が作ってきたメンタルを持ったチーム」と松田監督が言うように、結果が出なくても攻撃的な姿勢にブレはない。縦パスをスイッチに連動しながらショートパスで崩す攻撃パターンには要警戒だ。だが、必要以上に恐れる必要はない。古巣戦を前にGK武田博行は、「粘り強く戦うことが大切になる」。アビスパ福岡戦、甲府戦、富山戦と、ここ最近は守備陣が高い集中力を維持している。今節も粘り強く戦うことで、栃木は勝機を引き寄せる。
栃木としての痛手は、エースのリカルド・ロボの出場停止。逆転得点王に向けて富山戦でも勝敗を分ける2ゴールを挙げたが、ゴール後の不用意な行為が自らの欠場を招いた。ロボ不在の穴を埋める、崔根植のパートナー候補は3人。終盤にきてストライカーとしての本領を発揮し始めた船山貴之。古巣・福岡に決勝ゴールで恩返しをした林祐征。そして、長男が誕生してゴールを意欲的に狙っている廣瀬浩二。先発タイプは船山、廣瀬と林は切り札として取っておきたいところだが、「気分のいい選手がいい仕事をする」松田監督の選考基準からすれば、廣瀬が先発する可能性も高い。富山戦でも愛息の誕生を祝うために、アシストとゴールを貪欲に求めた廣瀬だが、結果は出せなかった。それだけに、ホームでの一発を強く欲している。また、水戸には先発した開幕戦で敗れているだけに、ダービーへの強い思いも抱えている。
「開幕戦よりも栃木は強くなっている。どれだけ順位が上でもダービーで勝たなければ、サポーターは盛り上がらない。今後サポーターを増やすためにも、ダービーは大事な試合になる。ホームで勝つ方が気持ちいいし、観客動員の一番の近道にもなる」
今季の栃木は「一戦必勝」の思いで戦ってきたが、水戸戦はサポーターのために、これまで以上の闘志を見せつけなければいけない。開幕戦のように「コミットメント(懸ける気持ち)」勝負では負けられない。「最近はホームで不甲斐ない試合が多い。水戸戦では連勝よりも、来てくれるお客さんのために戦う姿勢を見せて、結果に繋げられるようにしたい」と大久保裕樹は気合を入れる。仇敵の優勝を阻み、連勝を果たし、スタジアム全体で廣瀬のお子さんの誕生を祝福する。そんなストーリーが描ければ最高だ。
以上
【北関東ダービー 今季順位表(35節終了時点)】
1位:草津 勝点6(1勝3分0敗)
2位:水戸 勝点5(1勝2分0敗)
3位:栃木 勝点1(0勝1分2敗)
2010.11.22 Reported by 大塚秀毅













