スカパー!生中継 Ch180 後07:20〜
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前節で14位に順位を下げた山形の、16位・神戸との勝点差は6。ただし、得失点差は-14と不利な状況でアドバンテージは「2試合未満」だ。これを「2試合オーバー」にして今節を迎えたかったが、前節のアウェイ磐田戦は0-0。微妙な距離のままホームに戻る。先に試合が行われる神戸(17:00キックオフ vs大宮)、F東京(14:00キックオフ vs名古屋)のどちらかが引き分け以下であれば、勝利で残留確定。神戸、F東京がともに勝てば、勝利しても次節以降に持ち越しになる。他会場の結果を受けて試合に入ることになるが、どのような状況に置かれても、この一戦の勝利に全精力を注ぐことに変わりはない。
磐田戦( /jsgoal_archive/result/2010/1120/20100100010520101120_detail.html )はスコアレスドローに終わったものの、ゲームプランを遂行できた。シュート数は15対4と圧倒。2トップへの縦のフィードに厳しく対応できたことと、相手に流れがある時間帯にも慌てず、全員で守る意識を高めたことで、ほとんど決定的な場面をつくらせなかった。また、大宮戦、C大阪戦、天皇杯の川崎F戦と3試合続いていた前半終了前のセットプレーでの失点もひとまず止まった。持ち越されていた守備の宿題を終えた一方、3得点が続いていた攻撃が今度は無得点となったが、決定機の数は十分。今節も連戦の疲れがフィニッシュ精度を鈍らせることは十分に考えられるが、疲労した選手が多いなか、選手交代も的確に行いたい。
京都の前節・大宮戦( /jsgoal_archive/result/2010/1120/20100100010620101120_detail.html )は、来季J2への降格が決まってから最初の試合となったが、天皇杯を3回戦で敗退したことで十分な準備時間があったにもかかわらず、警戒していたセットプレーで開始7分にあっさりと失点。さらに前半のうちに同じような形で追加点を許している。「ウチは硬さが取れたのかなという形で、僕は試合を観てました」と秋田豊監督が言うように、立ち上がりこそ残留争いのプレッシャーから解放されたことがプラスに働いたかに思われたが、先制を許して以降は「逆の展開になってしまった」(秋田監督)。第29節・川崎F戦( /jsgoal_archive/result/2010/1106/20100100010520101106_detail.html )ではビハインドを2度追いつき、勝敗が決してからも最後に1点返す気迫を見せたが、そうした得点のにおいを感じさせない、不完全燃焼の敗戦となった。
長いボールを入れてもサポートが薄く、組み立てに移れば相手ブロックを崩す前にミスが出る。攻撃が滞ればディエゴが下りてさばき始めるのはこれまで同様だが、預けたあとに再びゴール前に走り込むようなシーンも少なかった。前半にディエゴが下りて空けたスペースに中山博貴がうまく入り込みシュートまで持ち込むシーンはあったが、それもサポートがないなかで3人に囲まれ、狭いコースを狙うしか選択肢がなくなったものだ。
これで5連敗、そして9試合勝利なし。第24節以降の8試合は先制を許す展開が続いている。「一人ひとりの距離が遠かった。それは今日に限ったことではないけど」(角田誠)、「全体的にチームとしてもミスが多かったですし、そういう簡単なミスというのを減らしていかないと」(中山)という選手たちのコメントにも、チームの歯車が噛み合っていない実態が表れている。勝利に向かう気持ちはなくしていないに違いない。ただ、それをプレーに結びつけていく方法論が見つからないもどかしさがある。大きな目標を失ったなか、短期間で修正するのは簡単なことではないが、この先に希望を感じさせない試合は、それこそが消化試合となる。
キックオフは19時30分。11月下旬、山形の夜は厳しい寒さに晒される。予報では雨こそ免れそうだが、気温は試合が進むごとに摂氏0度に近づいていきそうだ。ただ、山形の人たちにとっては「J1残留決定」の瞬間を現場で共有できる可能性がある一戦。クラブでも「山形県民応援デー」と銘打ち、山形県民の入場料を一律1500円と格安に設定し、ひとりでも多くの県民・サポーターとともによろこびを分かち合おうと集客に努めている。この努力が実を結び、スタジアムが笑顔であふれたとき、山形は昨シーズンに届かなかった勝点40に到達する。
※文中で「昇格」「降格」「残留」と表記していますが、正式な決定はJリーグ理事会で行われます。
※残留条件の詳細はこちら
以上
2010.11.22 Reported by 佐藤円













