11月23日(火) 2010 J2リーグ戦 第36節
岐阜 0 - 2 福岡 (12:04/長良川球/3,064人)
得点者:10' 永里源気(福岡)、71' 永里源気(福岡)
スカパー!再放送 Ch185 11/25(木)後00:30〜
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☆【福岡:J2リーグ3位以内確定】空港での報告会の監督・選手コメント
昇格への気迫か。岐阜は立ち上がりから完全に福岡に圧倒された。岐阜視点で話すならば、前節の鳥栖戦と同じ轍を踏んだと言えようか。立ち上がりから先制点を取るために全力で仕掛けてきた福岡に対し、岐阜は受け身に回った。
鳥栖戦での2つのパターン。鳥栖は岐阜のボランチとDFラインの間、DFラインの裏を徹底して狙ってきた。1トップの豊田陽平がターゲットと、トップ下の山瀬幸宏とのポジションチェンジを頻繁に行って、さらにここに両サイドと、ボランチの一角が絡んで、クサビとスルーパスを織り交ぜてゴールを狙ったり、単純に豊田にクサビを打ち込んで、2列目以降が飛び出したりと、2つのパターンでバイタルエリアを攻略した。福岡は鳥栖同様に、長身FWの大久保哲哉と城後寿の2トップが、ポジションを入れ替えながら、前線で交互に起点になると、永里源気と久藤清一の両サイドハーフ、ボランチの中町公祐が近い距離を保ちながら絡んで、一気にバイタルエリアに流れ込んできた。
4分、右サイドで大久保がポストプレー。これを受けた久藤が、ボールサイドに偏っていた岐阜の陣形を見て、ドリブルでカットインすると、DF2人を引き付けてから、ペナルティエリア左に出来たスペースへスルーパス。これに反応した城後がDF1人を引き付けながらスルー。その後方から飛び出してきた永里がフリーで受けて、シュートを放つ。ボールはゴール右ポストを直撃し、事なきを得たが、完全に崩された形での決定的なピンチであった。5分には大久保にバイタルエリアを簡単にドリブルされ、そのままシュートを打たれた。
そして10分には右CKから、中町が放ったシュートを受けた永里に難なく決められ、鳥栖戦同様に立ち上がりに簡単に先制点を許してしまった。
「鳥栖戦同様に立ち上がりの悪さが出た。それがすべて。それからボールを保持できるようになった」と倉田安治監督は語ったが、それは先制したチームが守勢に回るのは、いわばセオリー。ましてや福岡はこの一戦に絶対に勝たなければならないメンタリティーで臨んでいるわけであるから、なおさらだ。
その福岡に対し、岐阜は前半、まったくと言っていいほど攻撃の形が見えなかった。どう攻めたいのか、どこから攻めたいのか、まったくもって見えなかった。ボールを奪っても、奪ってからのアイデアが乏しかった。乏しいというより、守備の際にその後の攻撃への意図、陣形作りが統一見解の中に存在しなかった。前述したように、岐阜は守備の際、あまりにもボールサイドに全体が寄りすぎていた。特にダブルボランチが両方ともサイドに寄ってしまうことで、逆サイドが手薄となり、相手に有効活用されるスペースを与えると同時に、ボールを奪っても、逆サイドに人数が足らず、結局は人が多いサイドから狭い局面を使って攻めざるを得なくなり、攻撃に時間がかかりすぎて手詰まりになるという悪循環に陥った。
象徴的な2つのシーンがある。ひとつは27分、福岡の右からの攻撃に対し、DFラインでCB吉本一謙がボールを奪い、岐阜の右サイドからカウンターを仕掛けようとするが、中盤のスペースに出す選手がおらず、そのままパスを出すところを探しながらスペースをドリブル。結局DFラインのギャップから裏に抜け出そうとしたFW押谷祐樹へ、確率の低いロングパスを送らざるを得ず、相手に簡単にクリアをされてしまった。
もうひとつは40分過ぎのシーンだ。福岡がDFラインから右サイドでボールをつないだ時、岐阜のダブルボランチはすべて左サイドに寄ってしまった。そのため、右サイドバックの新井涼平は中をケアしなければ行かず、福岡の左ワイドに張り出した選手をケアできなくなって、フリーの状態を作り出してしまった。新井はしきりにその選手を気にしていたが、全体のバランス的に対応できない状況であった。個々は相手のミスに助けられたが、あそこでうまく中央を使われてから、左を使われていたら、4分のような決定機を招く危険性があった。
後半に入ると、岐阜が攻め込んでいるように見えた。だが、それは前述したように、昇格がかかった福岡にしてみれば、リスクをかけずに守備をして、前がかりになった相手に対して、カウンターで追加点を狙うのはセオリー通り。岐阜はDFラインとMFラインでブロックを形成する福岡に対し、中盤でのポゼッションは増えるが、ダイレクトパスや連動が少なく、ボールを持って右往左往するばかり。最後は相手にわかりやすいパスを選択し、ボールを奪われてカウンターが目に付いた。
65分に押谷に代えてFW朴基棟を投入し、さらに69分にはMF染矢一樹に代わってFW佐藤洸一を投入。前線に長身選手を並べた。だが、この高さをどう生かすのかが見えてこなかった。ロングボールを多用するのか、それとも徹底してクサビを使って、バイタルエリアを攻略するのか。見えない形に逆に福岡のカウンターを浴び、71分、交代出場のFW高橋泰の左サイドからのクロスを受けた中町がシュート。GKを破って、DFの足に引っかかったボールを、再び永里が詰めて、決定的な追加点。これで勝負は決した。試合はそのまま2-0で終了し、福岡が昇格に大きく近づく大きな勝点3を手にした。(※その後千葉が敗れたため、福岡のJ1昇格が内定した)
この試合を見て、大きな危機感を感じた。この間の鳥栖戦、そして福岡戦。この2試合はシーズン始まった当初のゲームでない。それぞれ残り4試合、3試合のゲームである。つまり1年を通して戦術が浸透し、疲労や順位と言う要素を差し引いても、ある程度の形は見られるものだ。それなのに形が見えなかった。当然狙いはあるし、やりきることが出来るチームであることは信じている。しかし、目の前に展開されたのは、ボールを持つ度に、出すところに迷い、ボールキープの時間が長くなる選手たちの姿。埋まらない前線と最終ラインの距離…。
この日、背中に入るスポンサーが決まり、岐阜のユニフォームにはパンツ、袖、胸、背中とすべての箇所にスポンサーが埋まった。クラブとしては大きな一歩となる記念すべき日だっただけに、より危機感を感じざるを得ない。
残り2試合。というよりも残り2試合からその後、そしてオフ、来年の立ち上げまで含めて、ひとつの流れとして、もう一度修正を図ってほしい。正直、このままでは今年を振り返ることは出来ない。
以上
2010.11.24 Reported by 安藤隆人
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