今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第36節 草津 vs 千葉】レポート:草津がアレックス、尾本のゴールで千葉に完勝。千葉はJ1復帰の夢が絶たれる。(10.11.24)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
11月23日(火) 2010 J2リーグ戦 第36節
草津 2 - 0 千葉 (17:03/正田スタ/5,351人)
得点者:59' アレックス(草津)、72' 尾本敬(草津)
スカパー!再放送 Ch186 11/25(木)深00:00〜
試合速報一覧 | クラブサポーター対抗totoリーグ | Jリーグ中継に関するアンケート実施中
J2シーズン表彰 投票受付中!!
----------
試合終了のホイッスルとともに千葉のJ1復帰への希望は途絶えた。千葉の引き分け以下でJ2残留が決定する試合で、ホーム草津が勇敢なプレーを披露。昇格を狙う相手に真っ向勝負を演じ、完勝とも言える内容で勝利を収めた。前節は敵地で甲府を撃破した草津だが、その「強さ」が本物であることを大一番で示した。千葉は多くのサポーターの声援を力に最後まで戦い続けたが無念のJ2残留となった。

試合に先駆けて行われた岐阜対福岡戦で、3位福岡が勝利を収めた。その結果、4位千葉はこの試合で勝たなければ昇格の可能性が消えるという過酷な状況に追い込まれた。「重い荷物を背負った状態で試合に挑まなければいけなくなった」(江尻監督)。千葉にとっては精神的な強さが要求されるゲームとなった。

序盤は両チームの気迫がピッチで激しく音を立てた。だが開始直後に草津・アレックスのシュートが2度もポストを叩くなど千葉には不安定さも見え隠れしていた。草津は、前線へロングボールを入れる千葉のシンプルな攻撃を抑え込んで、中盤がしっかりとゲームをコントロール。「最初は千葉のサッカーに付き合って縦が多くなってしまったが、時間とともに横への意識が生まれた」(熊林親吾)。前半はスコアレスだったが、草津は確固たる手応えをつかんで後半へと進んだ。

勝たなければいけない千葉は後半、1点を奪いに出る。しかし、草津が千葉の前への力を逆手に取って、鮮やかなカウンターを食らわせる。59分、中盤でボールを奪った廣山望が中央を上がり、左サイドの菊池大介へ絶妙のタイミングでパスを送る。最高のシチュエーションでボールを受けた菊池はドリブルで内へ切り込み、右足を振り抜く。強烈なシュートはGK岡本昌弘に弾かれたが、そのこぼれ球をアレックスが押し込む。「ボールがこぼれるのを信じて走った」(アレックス)。アレックスの3戦連続ゴールで草津は完全に勢いに乗った。

1点のリードを奪った草津は、必死になってボールを奪いくる千葉を自慢のパスワークでいなして、攻撃を組み立てていく。この時間帯に草津が展開したサッカーは魅力に溢れていた。そして72分、熊林親吾の完璧な右CKを尾本敬がヘッドで叩き込んで値千金の追加点。戦力外通告を受けている尾本は「人間的にも成長させてくれたクラブなので感謝の気持ちを込めてプレーした」とゴールを振り返った。

2点を追いかける展開となった千葉は、長身FWネットをターゲットにして決死のパワープレーを仕掛けるが、攻撃がどうしても単調となり草津のゴールネットを揺らすまでには至らない。残り時間に反比例して、増していく焦り。千葉は、時間の経過に対して、どうすることもできないままタイムアップを迎えた。その瞬間、千葉の選手はピッチに崩れ落ちた。

試合後会見で、J2残留の理由を問われた江尻監督は一瞬考えて「J2の戦いが簡単ではないというのが今言える範囲のこと」とだけ話した。深井正樹は「昇格を決めた甲府や福岡はJ2で何度も厳しさを味わうことで勝点の重みを分かっていた。そういう部分の差が試合に出ていたと思う」と言葉を絞り出した。J2残留が決まった千葉だが、試合後、応援席の前に立った選手たちをサポーターは「千葉コール」で迎えた。この声は来季のチームの大きな力となることだろう。

草津は、甲府戦に続いて戦力外通告を受けた選手が結果を残した。戦力外宣告によって意地を発揮した選手たちと、彼らを慕う選手たち、さらには若い才能が一つになり、大きな力を生み出している。今の草津は、クラブ史上最強のチームだ。このチームのまま、来季の補強ができれば本気で昇格を狙えるチームになることだろう。だが現実は、非情だ。チーム事情により草津を去る選手もいるし、個人の可能性を追求するためチームを離れる選手もいることだろう。残り2試合、最高のチーム、最高の選手たちの姿を目に焼き付けたいと思う。

以上

2010.11.24 Reported by 伊藤寿学
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着