ちょっと前の話になってしまったが、北九州のホーム最終戦となった11月23日の鳥栖戦。この試合のキックオフ前に、バックスタンドに巨大なフラッグが登場したのをご覧いただけただろうか。北九州市立大学のギラヴァンツ北九州応援グループ「NavyWavy」が手がけた手作りのフラッグだ。サポーターにもメッセージを書き込んでもらい、学生たちやサポーターの思いがぎっしり詰まった。
このフラッグ作りに北九州担当が密着取材を敢行。学生たちの奮闘ぶりを追った。
●9月30日(木):布と対面
9月30日に北九州市立大北方キャンパスにNavyWavyの学生と、北九州市シティプロモーション部の職員やフラッグの素材となる不織布を提供するイベント会社の担当者が集まった。ただこのプロジェクトはあくまでも学生が主体。市も側面支援にとどめ、活動のほとんどを学生の自主性に任せた。
幅約1.5メートルの不織布が巻かれた巨大なロールを廊下に広げ、18メートルの長さで1本1本を正確に切り出していく。フラッグにはこの幅1.5メートル、長さ約18メートルの布をあわせて15枚を使い、うち10枚にサポーターからメッセージをもらうことにした。
18メートルは廊下の端から端まである長さ。学生からは思わず「でかい。(メッセージが)埋まるかな・・・」。
●10月2日(土):メッセージ募集開始
ホーム・本城陸上競技場で対大分戦が行われ、この試合でサポーターからのメッセージ募集を開始。フラッグの費用をまかなうための募金活動もスタートした。
一番最初にメッセージを書き込んだのは応援団「イエローブリゲード」のメンバー。「ガンバレ北九州」と書き込み、募金にも協力していた。
●10月30日(土):小倉駅前でPR
北九州市の玄関口・小倉駅前のペデストリアンデッキでフラッグへのメッセージを募った。人の多く集まる小倉駅前はティッシュ配りや他団体の募金活動など、いわば“ライバル”もたくさんいたが、NavyWavyの先田佳代代表(同大2年生)ら3人が集まり負けじと声を張った。
学生たちはこのあとフラッグを抱え、電車とバスで富山戦が行われる本城陸上競技場へ移動。疲れた顔も見せずに、本城でも声をからした。
●11月14日(日):北九州合同学園祭でメッセージ募集
この日、福岡県芦屋町のボートレース芦屋で「北九州合同学園祭」が開催され、NavyWavyも芦屋町に集結。競艇場という慣れない環境であったが、同祭に参加する学生やダンスチームなどがメッセージを書き込んだほか、徐々に競艇場のお客さんも興味を持ち始め、「今度はいつ試合があるんですか?」などと話しかけてくる人も。
●11月17日(水):縫い合わせを開始
いよいよ縫い合わせ。
最初は女子学生が中心となって手縫いで一つ一つを縫い合わせていたが、しばらくすると布を提供したイベント会社の岩田博文さんが「家で眠っていた」というミシンを持って登場。しかし…。学生も岩田さんも「小学生か中学生のときに使って以来」というミシンに悪戦苦闘。みんなで集まって知恵を絞りながらなんとか縫合がスムースに進み始めると、「文明の利器ってすごい」とみんなで笑った。
●11月20日(土):徹夜で縫い合わせ完了
この日、北九州担当は取材に出向けなかったが、先田さんによると「徹夜で」縫い合わせを行ったそうだ。青い部分に縫いつける「Giravanz」のロゴも貼り付け、朝7時にようやく完成。大学の中庭に広げ、完成を祝った。
●11月23日(火・祝):完成&お披露目
布が届いてから約2ヶ月。ビッグフラッグが本城陸上競技場のバックスタンドに広がっていく。おだやかな秋空のもと、手作りの黄色と青の縞模様が入場する選手たちを出迎えた。「手作りなんですか?すごいですね」。本城の記者ルームからも感嘆の声が漏れていた。
先田さんは「思いが詰まったフラッグ。広がっていく瞬間は感動しました。北九州の名物にしていきたい」と話した。
NavyWavyでは来年も北九州らしさや学生らしさを前面に打ち出した企画を行っていくとしている。「本城にもっとお客さんを集めたい」。学生たちも戦い続ける。
以上
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2010.12.14 Reported by 上田真之介
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】北九州:ビッグフラッグの舞台裏(10.12.14)
9月30日の打ち合わせ。北九州市立大の学生グループ「NavyWavy」と、北九州市シティプロモーション部の担当者らが集まった
廊下いっぱいに広がる布。「長いなぁ」。本音が漏れた
10月2日にメッセージの募集を開始。最初の一筆は応援団のメンバー。「ガンバレ北九州」と書き込んでいた
北九州市小倉北区の小倉駅前でもフラッグを持ち出してメッセージを募った。移動はもっぱら電車や路線バス。フラッグは1.5メートルの幅があり「運ぶのも大変なんですよ」
11月14日は北九州合同学園祭が行われたボートレース芦屋(芦屋競艇場)にも駆けつけた。慣れない環境だったが、同祭を主催したスタッフや出演者もメッセージを書き込んだり、呼び込みに協力した
いよいよ15本の布を縫い合わせる。最初は手縫いでスタートし、途中から"文明の利器"とメンバーが呼んだミシンが登場した。ただ普段は使うことのないミシンに悪戦苦闘。みんなでミシンとにらめっこした
本城陸上競技場のバックスタンドに広がったビックフラッグ。この写真は試合前のリハーサルの様子
11月29日の報告会で選手たちに渡されたユニフォーム型のボードには、裏面にフラッグに書き込まれたメッセージの縮刷が貼り付けられていた。笑顔で写真に納まる重光貴葵選手と、メッセージのひとつひとつをじっくりと読む村松潤選手













