2月27日(日) 2011Jリーグプレシーズンマッチ
栃木 0 - 1 浦和 (13:03/栃木グ/10,271人)
得点者:74' 高崎寛之(浦和)
■コジマドリームマッチ2011
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浦和レッズのサポーターが醸し出した独特の雰囲気に委縮することなく、逆にモチベーションに変換し、栃木SCは成熟度の高さを見せつけた。だからこそ、「0‐1で負けた結果を、僕はあまりネガティブには捉えていない」と松田浩監督は胸を張った。1週間後に迫った開幕に弾みのつく勝利こそ奪えなかったが、ビッグクラブの浦和を相手に内容で上回り、取り組んでいるサッカーの方向性が正しいという確かな手応えは得られた。そして、サポーターには「J1昇格」への期待感を強く抱かせることができた。
開始早々、パウリーニョがマゾーラに激しくプレスをかける。ワイドに展開しサイドからアタックを仕掛けたい浦和の、今季のキーマンを早速潰した。その後も厳しいマークでマゾーラに1対1の状況を作らせず、4‐4‐2の3ラインを構築しては浦和に攻撃の機会を作らせなかった。横にしかボールが動かせなかった浦和は、45分で放ったシュートはわずかに1本。いかに栃木のゾーンディフェンスが効果的だったかが分かる数字だ。「ボールを回されているというよりも、回させている感覚でいた」と鈴木修人が言うように、相手のバックパスのミスに乗じてリカルド・ロボが決定機を作るなど、栃木がペースを握った。
前半の半ば以降はDFラインが下がったことで、攻撃に割くパワーが不足。「ハーフタイムに中盤の選手からラインを上げてほしいと伝えた。それが後半は上手くいった」(高木和正)。前半から修正を図った栃木は崔根植が2度もゴールに迫った。しかし、浦和も球際で踏ん張り、スコアは動かせない。形勢を逆転したい浦和は原口元気、高崎寛之、エスクデロ・セルヒオとアタッカー陣を次々に投入。交代は吉と出る。74分に原口の左クロスに高崎が低空ダイビングヘッドから先制。失点したものの、栃木は今季のテーマであるメンタルコントロールを効かせ、那須川将大と水沼宏太が決定的なシュートを放つ。だが、無常にもポストに嫌われ、ドローには持ち込めなかった。
決勝点を挙げた高崎は言う。
「もっと前が動かないとチームは動かない。いいサッカーするにはもっともっと動きが必要」
攻撃のスイッチャーになるはずの柏木も、自らの運動量の少なさを反省点に挙げた。サイドでの攻防を制するにも、まずは最適な状況を作り出さないといけない。そのためにはペトロヴィッチ監督が指摘したように、パススピードとテンポを上げないといけないし、ロングボールを入れる工夫も必要だ。当然、運動量も求められる。大宮アルディージャとのプレシーズンマッチでは、ある程度ストロングポイントを生かす形が見えていただけに、開幕までにいい準備をしておきたい。
今季ワーストの試合内容とはいえ、「試合に勝ったことは選手の自信になったのではないか」とペトロヴィッチ監督が言うように、結果を残したことでチームが前進する可能性もある。新体制ゆえにメンバー選考も含めて試行錯誤はしばらく続くだろうが、Jのトップランナーに返り咲く活躍に期待したい。
敗れた栃木の松田監督は課題を問われ、「甘く見積もった対応」と答えた。原口の突破に象徴される個の強さは、滅多にJ2レベルでは味わえない。結果的に失点を喫し、反省材料になったが、考え方によっては収穫でもある。一段上のレベルのプレーを体感できたことで、本番のザスパ草津との開幕戦でラフィーニャ、リンコン、アレックスのブラジル人トリオにも臆せずに対応できるはずだ。
また、残り1週間で取り組むべき重要ポイントを、「メンタル面のシャープさを出していくこと」と松田監督は話した。つまり、戦術的な部分に手を付ける必要はないということだ。この日は残念ながら決定力に乏しかったが、守備からリズムを生み出す堅守速攻のスタイルは十分に通用した。あとはプレシーズンマッチとは異なる緊張感とモチベーションを、開幕までの1週間で高めていければいい。
草津戦から舞台に上がり、最高のパフォーマンスを観衆に披露し、クライマックスの瞬間まで目が離せないシーズンにできるだけのリハーサルは積んだ。「J1昇格」に向けたロングラン公演が、3月6日にグリスタで幕を開ける。
以上
2011.02.28 Reported by 大塚秀毅
J’s GOALニュース
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