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【J2:第8節 京都 vs 岡山】レポート:粘り強い岡山を相手に、17歳・久保裕也のゴールで京都が今季初勝利を飾る。(11.04.25)

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4月24日(日) 2011 J2リーグ戦 第8節
京都 2 - 1 岡山 (13:29/西京極/9,161人)
得点者:3' 中村充孝(京都)、29' 白谷建人(岡山)、59' 久保裕也(京都)
スカパー!再放送 Ch183 4/26(火)前07:00〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ2編
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再開した第8節は京都の今季初勝利で幕を閉じた。
岡山は、金民均をシャドーで起用し一柳夢吾が戦列に復帰、万全の体制で臨んだ。京都も森下俊が復帰し、前線に17歳4カ月の久保裕也を起用。共に再開後勝利を強く滲ませて試合に入る。

スコアは前半早々の3分に動く。右サイドでFKを得た京都は、加藤弘堅のクロスに宮吉拓実が落とし、そのボールを中村充孝が鋭く蹴り込んで先制を奪う。
しかし、岡山も25分、左サイドから切れ込んだ岸田裕樹がシュートを放ち反撃に出る。先制したことで気持ち的に受身になった京都は中盤でのプレスで後手を踏み、ボール奪取が出来なくなり、そこを回された格好に。加えて岡山の戦い方、京都のサイドのスペースにボールを落とし、前線の3人がそこで、ボールを奪うべく奮闘する。この前線の粘り強さに京都の防戦が目立つ様になる。
そして29分、岡山が同点に追いつく。右サイド、ハーフウェイライン付近からFKを大きく蹴り込み、ゴールライン際で後藤圭太が頭で落とすと白谷健人がフリーで右足を振り抜き同点とする。

同点とされたことで京都も前からボールを奪いに行く様になり、徐々に流れを押し返していく。その流れを持って後半へ。立ち上がりこそ守備ブロックを作るまで追い込まれた京都だが徐々にゲームの主導権を握る様になる。そして59分、相手エリア付近で安藤淳のカットが久保裕也に渡ると、久保が前の中村充へ。前を向いた中村充から、その右裏へ走り抜ける久保に渡ると、飛び出したGKの脇をすり抜ける形で流し込み、追加点を挙げる。久保のJ初先発初ゴールで京都が2−1と逆転。
点差は1点、反撃に出たい岡山は高さのあるチアゴを投入。84分にはそのチアゴのポストから白谷のミドルシュートに持ち込まれるなど、京都は何度かゴールを脅かされてしまう。だが、これを粘り強く跳ね返しタイムアップ。京都が今季初勝利を挙げた。

戦い方が徹底されていた岡山。前半はスペースへの配給と前線の追い込みが効果的で、京都が下がると中盤でのパス交換からの崩しもみせた。後半はチアゴを投入しターゲットをはっきりさせ、ポストプレーからの攻撃も見応えがあった。
対する京都。試合後大木監督が「硬かった」と漏らした様に「らしさ」の濃度は薄かった。ただ、後半の得点シーン前後の時間帯については、「らししさ」は充分にあった。
この時間帯と特に前半の違いは守備で顕著に表れた。前線からのボール奪取の意識はあっても奪い切れなかった前半と、ボールが奪い切れる、または、最後は相手がミスパスをするという状況まで持ち込んだ得点した時間帯、そういう違いは鮮明だった。
自分たちのサッカーをすればリズムは作れるのだが、リードしたことで受身になってしまった感がある。同点にされ、中盤が積極性を取り戻し、リズムを作り直した点は良かったのではないか。失点する前に出来ればもっと良かったのだろうが。

今節の試合前、攻撃において大木監督から「背中を取る」というキーワードが出ていたが、この言葉を聞くと秋田豊前監督の「前を向いてボールを奪う」という考えを思い出す。
昨年、囲み取材の中で「京都としては出来るだけ高い位置でボールを奪いたいのでは?」と質問をした時、秋田前監督はその考えを否定した。「奪う位置ではなく、いい状態でボールを奪うこと。前を向いてボールを奪えれば、即攻撃に入れる」という旨の話をしてくれ大いに納得した覚えがある。今季、京都がカウンターを受ける時、そのほとんどが相手に前を向いた状態でボールを奪われている。
逆に、相手の背中を取って、相手が戻りながら守備をする状態にしてしまえば、相手は攻撃へすぐに切り替えられない。しかも、相手をひっくり返すことで、瞬間、間が生まれる。FWがDFの背中を取れば、フィニッシュとなるだろう。相手DFと相手の中盤の間で受けて、相手の中盤の背中を取れば、相手の中盤がボールを奪いに来ても即、カウンターにはならない。ただし、DFは前を向いてプレッシャーをかけに来る。
だから、FWが落ちてボールをもらいに来ることは必要なプレーだろうが、相手DFの「前を向いてボールを奪いにくる」部分の対応ができなくては、奪われてカウンターを浴びることになってしまう。
では、どうやって相手の背中を取るか?京都はずっとそれをテーマの一つとして練習をやってきているはずである。

大木監督はさらに「二つ、三つプレーしろ」と選手に言っているという。「背中を取る動き」と「二つ、三つプレーする」。今節、これが重なったシーンは思い出すと一つしかない。得点シーンである。
久保から前の中村充へ。これで中村充は相手中盤の背中を取った。しかし相手DFのプレッシャーを受ける。そこを高い技術でキープする。これに対し久保は相手DFの背中を取る動きを行った。中村充から久保に渡る。これで2回、相手の背中を取るプレーが続いた。決定機になって当然だろう。
初先発で「ガチガチだった」という久保。それまでのプレーは練習試合と比べ、格段に冴えのないものだった。前半は守備が出来ず、後半はタッチ数が多く、誰よりも京都のサッカーにフィットしていない印象だったのだが、あの得点した瞬間、背中を取る動きを連続して出したあのシーン、彼は誰よりも大木武監督の言っていたサッカーをプレーで表したのではないか。
他の選手で今節、背中を取る動き、それをゴールを奪うために、二つ、三つ続けて出そうとした選手はあまり、記憶にない。
宮吉も一回で裏を取ろうとする動き随所にあったが、連続で取ろうとする動きは(サイドではあったが)ゴールへ向かう局面では見当たらなかった様に感じる。さらに言うなら、試合に出られなかったハウバートダン、そして金成勇、駒井善成も「背中を取る」「二つ、三つプレーする」という意識をもっと高めるべきだろう。

今節、単純に、練習でやっていることをまだ試合で出し切れていない印象だ。練習試合では実践して、目を見張るシーンを何回も見るのだが…。

ともあれ、今節はあと少しで1万人という予想以上の多くのサポーターに足を運んで頂き、その中で久保の素晴らしいプレーが生まれたのだから、京都としては西京極で良いリスタートを切ったのではないか。次、アウェイの栃木戦。ぜひ、気持ちをしっかりと持って戦ってもらいたい。

以上

2011.04.25 Reported by 武田賢宗
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