スカパー!生中継 Ch181 後00:50〜
☆totoリーグ
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首位との勝点差が3差の4位につけている。わずか4試合のみを経過しただけだが、大口を叩きたくなるような快進撃を見せている。
2勝1分1敗で今節を迎える鳥栖。おこがましいかもしれないが、あえて“開幕ダッシュ”と言わせていただきたい。開幕戦こそ0−1と白星で飾る事ができなかったが、その後は2勝1分と結果を出している。これが、実力なのか単なる勢いなのかを測るには、今節の対戦相手である大分は、格好の相手と筆者には映る。
今回のプレビューを強気な論調になることをお許しいただきたい。
今季初のバトルオブ九州ということだけでなく、他の組み合わせの結果次第では首位に立つ可能性が出てきているのである。鳥栖を担当して丸7年を経過するが、シーズン途中で首位に立つことができるのが、筆者の記憶では初めてのことなのである。開幕ダッシュに加え、首位に立つ可能性があるのだから、嬉しい限りである。
F東京、横浜FC、東京V、京都とJ1での実績を持つ“昇格候補”を相手に、素晴らしい結果を出しいい試合を見せてくれている。これは、前線からのプレスと奪ったボールを細かにつなぎながらシュートまで持っていくことができていることが大きな要因である。これまでの4戦ともに共通して言えるのは、“個の選手の質が高い相手”ということである。それを組織力で互角以上の戦いで終えることができた。今季の鳥栖の強さとも言える。
その中心にいるのが、ボランチを勤める永田亮太と岡本知剛の2人である。もともと攻撃的な選手たちであるが、守備でも手を抜かず献身的な動きを見せる。それでいて、奪ったボールを1本のパスで好機に変える力を持っている。起点がシッカリとパスを出せるので、前線も活気付く。
持ち前のスピードを生かして両サイドでボールを引き出す池田圭に、ポストプレーと高さで中盤の攻撃参加を可能にする野田隆之介が好調さを持続している。これに、両サイドから早坂良太と國吉貴博が飛び込んでくるのだから、相手にとっては守りにくいことこの上ない。もちろん、両ボランチのミドルシュートも十分に相手を脅かしている。セットプレーでも、今季は精度あるキックに高い打点も併せ持っている。途中交代で、強さを誇る豊田陽平や次世代を担うスピードスターの岡田翔平がいる。攻撃に関しては、J2の中でも上位に位置すること間違いない。
攻撃だけではない。今季は“守りきる意識”も鳥栖の大きな特徴だ。
3戦目となった東京V戦では、4−1−4−1も見せた。これは、「相手は中央からの攻撃が強い」(尹晶煥監督/鳥栖)ことで、徹底した“守備の意識”を戦術に取り入れたからである。他にも3バックや5バックを、練習でも試している。相手のストロングポイントを消すために、様々なオプションを持っているわけだ。
決して守備的になっているわけではない。2戦目となった横浜FC戦では、「このままでも守りきれる」(同)と判断して、システムをいじることはしなかった。状況に応じて、様々なシステムを用いることができるようになっただけだ。
共通しているのは、「守りの意識の中から、カウンターで攻める」(同)ことで、強気な尹晶煥監督の巧みな采配が見え隠れする。5戦目を迎える今節にこの順位に位置していることもうなずけるであろう。
だからこそ、“個の力が長けている大分”を相手にすることで、今の実力を測ることができるのである。
対する大分も、前節は先制し、終了間際に追いついた実力を持つ。個人の名前をあげると、“個の力が長けている大分”が見えてくる。チェ ジョンハン、前田俊介、森嶋康仁・・・彼らの名前をあげるにつれ、田坂和昭監督の掲げる“すばやい攻守の切り替えと効果的なサイド攻撃”が見えてくる。若い力だからこそ、連戦やアウェイ戦というハンディも通用しないだろう。
だからこそ、白熱した試合を見ることができるに違いない。
戦う前から、結果がわかっていれば、見る人の興味は失せてしまうだろう。しかし、サッカーは終了のホイッスルがなるまで、何が起こるかわからないスポーツであり、そこに競技としての特性がある。
贔屓チームだからこそ、期待も大きくなるし結果を求めてしまう。私たちには、選手とともにボールを追うことはできないが、ボールを追う選手を鼓舞することはできる。ぜひ、スタジアムで選手を後押ししよう。叱咤も激励も忘れてはならない。そして、最後に賞賛の拍手を贈ることができれば至福の瞬間である。
サッカーの試合を見るだけでなく、サッカーの素晴らしさを試合の中で見つけよう。それができるのも、応援するチームがあるからではないだろうか。
ダービーマッチは、贔屓チームに対する愛を証明する絶好の機会である。
以上
2011.05.07 Reported by サカクラゲン













